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My favorite Tom Petty songs

 10月2日はTom Pettyの命日です。そこで彼に想いを馳せ、好きな曲トップ7(5曲のつもりでしたが絞りきれませんでした)をつらつら書きました。順位はきっと明日には変わっています。名曲多すぎ。

7. Wildflowers (1994)

 優しくて美しいフォークソング。生前から噂のあった、この曲をタイトルに冠した大名盤のデラックス版がついに今月出ます。楽しみです。

6. Have Love Will Travel (2002)

 後期屈指の名バラード。晩年は無駄を削ぎ落としたブルース・ロックに先祖返りしていく彼(ら)ですが、その前に置き土産のように産み落とされた美しいポップソングです。現代社会への痛烈な皮肉に満ちたアルバム"The Last DJ"のクライマックスがこんな優しく内省的な曲だなんて、卑怯が過ぎます。

全て終わったら/煙の中で君を失ってしまうのだろうか/君こそが僕が求めていた人だった、てことを知っていて欲しい
そして僕の愛が、君がどこにいる時も共にありますように/僕の愛が、いつも君と共にありますように

5. The Best Of Everything (Alternate Verion) (2018)

 この曲が入っている1985年作"Southern Accents"はザ・80sな音作りのせいで今聴くと辛いものがあるのですが、没後にリリースされた剥き出しのVer.の美しさたるや。テーマ的には上の曲と似てますが、対象が抽象的なあちらに比べて元カノに対して歌われる感じが若いですね。

分かる前に終わってしまう/あっという間に過ぎてしまった/嫌な夜はいつまでも残り続けるし/楽しい夜は長くは続かない
君が今夜どこにいようと/君にこの世界で最高なものを願うよ/そして君が探している物を見つけられることを/それが何であろうと

4. The Waiting (1981)

 RefugeeやWon't Back Downなどのロッキンな代表曲は正直暑苦しくて好きな曲ランキングの上位には入らないのですが、この曲はアメリカンロックの暑苦しさとTomのポップセンスが幸せな合体を果たした名曲です。
 アツいブリッジからサビでクールにsus4を挟む展開が洒落ています。「待つ、それが一番辛いんだ」という歌詞も背中で語るオトコの哀愁、古き良きアメリカンロックど真ん中って感じがして良きです。

3. American Girl (1976)

 デビュー作に収録された大名曲にして代表曲。難しいことは考えず、跳ねるビートに合わせて踊るのが正解でしょう。始まりのチャイムのようなギターリフから軽快なドラムとベースが入ってくる瞬間は何度聴いても胸が高鳴ります。
 そしてサビのオーイェー!オーライ!。この曲とThe Libertinesの"The Delaney"(イェーイェーイェー!ノーノーノー!)は、言葉に出来ない感情をシャウト一発で伝えることができる、ロックンロールの凄みを私に感じさせてくれます。

2. Walls (Circus) (1996)

 ポップながらも切ないメロディー、Tomの優しい歌声、聴き手によって解釈が膨らむ抽象的な歌詞。90年代以降のTom Pettyの魅力全部乗せの曲です。映画のサントラを兼ねているせいかやや地味なアルバムの一曲ですが、没後のベスト盤に収録されたり晩年のライブでも演奏されたりと、本人達からもファンからも愛されていたようです。
 アルバムに一緒に収められたシンプルなバンドバージョンもいいのですが、その名の通り彼らにしては賑やかなアレンジが楽しいサーカスVer.こそ至高。

あるものは終わってしまった/あるものは続いている/僕の一部は君が持っていて/別の一部は失くなってしまった
君の心はとても大きくて/その気になればこの街を壊してしまうほど/僕もいつまでも支えることはできないよ/壁も倒れてしまうだろう

1. Echo (1999)

 抽象的な表現の中に後悔と諦念の漂う、あまりにも哀しく美しいバラード。Tomの離婚を受けてか異質な暗さのある、私の一番好きなアルバムのタイトルトラックです。
 彼の鼻にかかりまくった声は唯一無二で、アツくロックする時は勿論、バラードを優しく、語るように歌う時の説得力は筆舌に尽くしがたいものがあります。長尺で起伏も少ないですが、Tomの語り口と演奏の強弱だけで曲を展開していく様は神がかっています。
 強いて特筆するなら3番目のヴァースの"I'm so in love with you"までの流れるようなボーカル運びと、最後のヴァース(ここでのyouは自分自身だと勝手に解釈しています)で感情と演奏の盛り上がりが静かにピークに達し、アウトロのギターソロまで一気になだれ込んでいくところ。一切の無駄がない完璧な6分37秒、この曲だけは不動のNo.1です。

汗のプールの中で目覚める/そして箱いっぱいの薬と、君と/意識をしっかり保とう/冷静でいるんだ/ああ、こんなにも君を愛してる/もう一つの世界ではこんなんじゃなかった/あの子がいたかもしれないのに/キスの一つもない
お前は疲れて、諦めた/辛かったから止めてしまったんだろう/お前にはがっかりさせられたよ、手放してしまうなんて/大体のことは無様な失敗だった/お前に対して何かを意味していたくない/正直でありたくない
同じ、哀しい響きがやってくる/耳に聞こえるのはいつも同じ哀しい音だけ/この辺りではいつも同じ哀しい音がこだましている

そして伝説へ…

 彼の曲はこのテのアーティストにしては(?)インディー勢にカバーされることが多く、影響力の高さが窺えます。The Pains Of Being Pure At Heartなんかは解散前、最後にリリースした音源がTom Pettyのアルバムの丸ごとカバーでした。名曲は時代を超えて受け継がれる…ということで、お気に入りのカバーをいくつか貼って終わります。

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