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Whitney / Candid (2020) 感想

カバーアルバム

 この5年、いやもしかすると2010年代にデビューしたバンドの中で、Whitneyが一番好きかもしれません。そんな彼らが、カバーアルバムをリリースしました。トラックリストはこんな感じです。()内はオリジナルのアーティストです。
 太字は私が今作の前からオリジナルを知っていた曲です。恥ずかしながら、全然知りませんでした。

1. Bank Head (Kelela)
2. A.M. A.M (Damien Jurado)
3. Take Me Home, Country Roads (John Denver)
4. High on a Rocky Ledge (Moondog)
5. Something Happen (Jack Arel)
6. Strange Overtones (David Byrne and Brian Eno)
7. Hammond Song (The Roches)
8. Crying, Laughing, Loving, Lying (Labi Siffre)
9. Rain (SWV)
10. Rainbows and Ridges (Blaze Foley)

魅力全開

 知らなかった曲については今作を聴いてから原曲を聴いた程度なので、オリジナルと比べてどうこうということはあまり言えませんが、全てまぁ見事にWhitney色に染め上げていると思います。

 私がWhitneyを好きな理由は、渋い、オトコ臭いというイメージのつきまとう(オルタナ)カントリー、サザン・ロック等のルーツ色の濃い楽曲群にAllen Toussaintのニューオリンズな温かみを添えて、繊細でジェントル、悪く言えば喧嘩が弱そう、というかそもそも喧嘩が起こるようなところに近寄らなさそうな、文化系男子感を持ち込んだところです。それは今作でも一貫しています。

(1st"Light Upon The Lake"収録曲。その出来に興奮して完成直後に元カノに送りつけたというエピソードも満点です)

 今作の中で一番日本で知名度が高いと思われるのが3曲目、「カントリー・ロード」ですので、取り敢えず動画を貼っておきます。客演はWaxahatchee。ゲストの人選を含め、見事なまでに現代的なアメリカーナに変奏されています。うだるように暑い昨今のチルアウトにも最適です。

 インディーR&B系のKelelaの曲から始まるなどちょっとした驚きもありつつ、全曲ファンには間違いのないWhitney節でまとめられていますので、聴き手側としても「ちょっとこのアーティストディグってみようかな?」となりやすい、理想的なカバーアルバムだと思います。まずはThe Rochesをきちんと聴いてみようかな。

点数

7.7

 伝説の酔っぱライブとなった初来日公演には行けず、今年の春に予定されていた再来日も中止になってしまいました。次回こそはライブに行きたいと思います。

 

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