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カザフスタン(ウスチュルト台地とトゥズバイル塩湖)

(41番)  2017年   9月

カザフスタン(ウスチュルト台地とトゥズバイル塩湖)へ行ってきました。
カザフスタンへは4年ぶりで2回目の訪問です。
今回の参加者は男性1名、女性9名の計10名でした。
ここへ行きたいと思った理由は随分前になりますが、ある一枚の写真を見た事がきっかけでいつかは行ってみたいと願っておりました。
ほとんどの日程がテント泊なので苦手な私はついて行けるかどうか心配でした。でもあの絶景を見るためには何としても頑張らねばなりません。

今回のルート

1日目 9月5日
✈ 13:55 発  成田 アシアナ航空 (A330-300)
  16:25 着  ソウル

✈ 18:10 発  ソウル アシアナ航空 (A330-300)
  21:55 着  アルマトイ(1977年までは首都であったが、現                         在はビジネス、文化、学問の中心都市でリンゴの里でもある)

ホテルへ。

カザフスタンの首都はアスタナで「アスタナ万博」が6月10日から9月10日まで開催中。
世界第9位の国土面積を誇る。
石油と天然ガスだけでGDPの60%を生み出している。
人口は1,660万人。
カザフ語が国語でロシア語は公用語。
イスラム教徒が70.2%、キリスト教徒が26.2%、無宗教が2.8%

2日目 9月6日
✈ 10:15 発  アルマトイ  (エアー・アスタナ A320)
  12:35 着  アクタウ(カスピ海に面したマンギスタウ州の州                                                                                                                           都)
                (マイナス1時間)

飛行機がカスピ海の上空に近づくとその広さと美しさに圧倒された。あれは海と言っても過言ではない。1990年にイランへ行った時にも行った事があるが、陸から見たのでその大きさは分からなかったのだ。
言わずと知れた世界一大きな湖でおよそ130もの河川が流入しているが、流出する河川はない。黒海や地中海と同様でテチス海の名残であるために塩湖である。

現地ガイドさんは家族で案内をしてくれる「考古学博士である」お父さんと料理担当のお母さん、そして通訳の娘さん。

ホテルへ。

🍴 昼食:ミックスサラダ、ペリメニ(中央アジア風ミニ水餃子)

スーパーへ明日からのキャンプに備えるために買い出し。

🍴 夕食:野菜スープ、ポークのエスカロープ マッシュポテト添え、メロン、プルーン

3日目 9月7日
隆起と浸食によって作られた奇岩や堆積層の美しいボクティの岩山、白亜の断崖を望みながら、ウスチュルト台地へ。
ウスチュルト台地は地球が一つの大陸だった(ゴンドワナ大陸)時代に生まれた古代テチス海が隆起して生まれた場所。

🚙 アクタウからボスジラまで300kmを4台の四駆と1台のキッチンカーで移動。
途中、ジャナウジンという町で給油。
1~3号車はガス車で4号車とキッチンカーはディーゼル車ということで、給油場所がそれぞれ異なる。
ガスは1ℓで約10円ガソリンは1ℓで約20円でミネラルウォーターよりも安い。

その後、車窓からは石油を掘るクレーンやラクダが見られた。
ラクダの種類だがアジア系はフタコブラクダで、アフリカに行くとヒトコブラクダがいる。

🍴 ピクニック ランチ(36度で暑すぎるので簡易テントを張ってくれた)

午後はオフロードを進むと徐々に白亜の地層が見えてきた。
地層の白さの正体は石灰石。
最初はボクティの岩山で高さは150m、帽子のような形をしている。

ボクティの岩山

1000テンゲ札の図柄にもなっている。ロッククライミングが可能との事。
夕方、ボスジラに近づいたころ、ガゼルが1頭飛び跳ねていた。

そこから1時間ほど進んだ所にあるボスジラ(標高マイナス38m)でキャンプ。
初日なので、まずはテントの張り方のレクチャーを受けた。⛺

夕食まで辺りを散策していると小高い山の上で、貝殻を拾った。5千から5千7百万年前の物だとか。麓にはベレムナイト(イカの頭の部分にある円錐状の骨)が拾い放題で化石好きにはたまらない。

🍴 夕食:最初で最後のバーベキュー(チキンとポーク)、サラダ、スイカ

{ウスチュルト台地・白亜の大地ができるまで}
カザフスタン南西部とトルクメニスタン北西部に広がる白亜と呼ばれる白い岩の層が奇観を呈している。この白い岩の層はテチス海で形成されたもので、ある時期のテチス海は遠浅の海で太陽光を浴びて大量の円石藻と呼ばれる植物プランクトンが発生し、長い年月をかけて海底に蓄積していった。その後、気候が変動して貝や珊瑚が海中に増えてその死骸が石灰岩になった。その海底が5千万年前頃に隆起し、カスピ海の海進海退、隆起、風雨の浸食を受けて現在の光景を作り出した。

4日目 9月8日
真夜中はテントが壊れそうなほどの強風が吹き、とても寝られたものではなかった。

🍴 朝食:ヨーグルト、パン、お魚の缶詰、キャビアのパテ、コーンスープ

🚙 朝食後、キャンプを出発してボスジラの景色を堪能。
遊牧民のテントである「ユルト」も見かけた。

🍴 途中の岩山の間でピクニック ランチ:チキン、ポーク、チーズ、ドライ杏など

昼食ができるまで、皆で化石探しの探検へ。
Wさんが大きな石の塊を発見したので、博士がハンマーで割ってくれた。見事なまでのアンモナイトの化石の詰まった石で、皆さんにおすそ分けをしてもらった。

ボスジラの下方面から見上げる

それから1時間ほどオフロードを進み、ボスジラ台地の下方面から上方面へと移動。

テンゲの岩山で写真ストップ。

右側の岸壁でロッククライミングをしている人がいた場所だが、この時はいなかった

実はここでロッククライミングをしている人の写真を見たのが、「ここへ行きたい!」と思った理由。この世の物とは思えない光景で、とても不思議な感覚を覚えたものだ。
実際に来てみると広大な土地に不思議な形の大地が点々としていて、地球って偉大だなと思わせる光景だ。
端まで歩いて行くことができるので、断崖絶壁から真下を覗き込むとぞっとしたが、景色は素晴らしくて感無量!

そこから近い場所で今朝のキャンプ地から見上げていた2本の塔型の岩山が見えてきた。

ボスジラ

この塔型の岩山へ向かう途中には野ウサギがピョンピョン跳ねていた。
塔の高さは低い方で約200mもある。

ボスジラ

🍴 夕食:野菜パスタ、パン、魚の缶詰、きゅうり、ネクター、メロンなど

今回のグループは関東、関西、東海から集まってきているので、言葉の違いについてなどが話題に出た。ある人がスイカの事を「おスイカ」と言うので他の全員が「はつけないよ」と言い、盛り上がった。その人の住んでいる方面ではそれが普通なのだとか。面白い。

夕食後はキャンプファイヤーを楽しんだ。

本日は満月にも拘らず、綺麗な星空が見られた。🌌
星座に詳しい人がいて、「天の川がひときわ明るく幅広く見える部分、そう、あの「なんとろくせい」あたりがいて座よ」と。
北斗七星なら聞いたことがあるが、「南斗六星」なんて言葉、初めて聞いた・・・ので、勉強になった。

5日目 9月9日
白亜の大地に朝日が当たるとピンク色になり、とっても綺麗。

🚙 朝食後、トゥズバイル塩湖へ130km移動。

途中、4か所ほど車を止めていろいろな角度からボスジラの景観を楽しんだ。
本当に見ていて飽きない景色だ。

🍴 ピクニック ランチ:野菜スープ、わかめご飯、パン、スイカなど

昼食後は約3時間、ひたすらトゥズバイル塩湖を目指す。
オフロードもあったが、方向が分からなくなるほどの平原が続く。
1号車の博士も流石にカーナビを装着して進んだ。
蜃気楼には何度も騙された・・・「あ、あっちに白亜の大地が見えてきた」と思って近づくと何もないのだ。

車窓からは又してもラクダや馬が自由に歩き回っていた。飼い主がちゃんといるが、セミワイルドで育てているのだそう。

徐々にトゥズバイルに近づいてきた。
白亜の大地についている縦型のギザギザは長年にわたるカスピ海の波や雨の浸食によるもの。昔はここまでカスピ海があったことが分かる。

白亜の大地

白い岩山にムフロン?(立派な角があるヤギ科の動物)が3頭駆け上がっていった。何だか、かっこいい!野生の動物も数が多くはないが、時折見られる。

今日のキャンプ地に到着。
ここはテントを張るには平らで草や石をどける必要がないのはいいのだが、いかんせん、ペグを打ち込むには固いのだ。四苦八苦しながらの設営だった。⛺

🍴 夕食:キャベツサラダ、プロフ、キュウリスティック、桃、メロンなど。

本日も天気が良くて星空が綺麗だった。🌌

6日目 9月10日
ショモナイへ向かう。
ここは今回訪れる場所では1番古くて、ジュラ紀(1億5千万年前)の地層が残っている。

朝食後、徒歩にてアーチ型の岩山まで行き、写真ストップ。

アーチ型の奇岩

引き続き、塩湖まで歩いて行く。「今の時期水はないであろう」との博士の言葉だったが、あることを信じて皆、歩き続けた。
結局、皆さんが期待をしていた「逆さの白亜の大地」の写真を撮ることは叶わなかったものの、今の時期しか見られない塩が干上がった光景を目に焼き付けてきた。

乾燥したトゥズバイル塩湖

水が張っている時期に行った事のある友人の話だと粘土質の土壌なので、車が簡単にスタックしてしまい、抜け出すのに苦労するのだとか。その時間のロスと言ったら半端ないと言う。その点、我々は一度もそんなトラブルに会わなかったので乾季で良かった。歩いているとたまに小動物がミイラ化しているのがあった。

広大なトゥズバイル塩湖

その後、採塩タイムとなり、ある人は洗面器一杯採っていた。もちろん、帰りの空港のセキュリティー チェックで没収された。
自分はウユニ塩湖へ行った時、塩はヨードが入っていないと危険な場合があると聞いていたので、採らず。ここの塩に含まれているかどうかまでは確認しなかったが。

その後、ウニの化石が残るエリアへ。
一人1個と制限つきで、必死に探すと何個か残っている場所があった。ラッキー!
まん丸で、そのままの形。ベレムナイトも結構あちこちで見られた。

🍴 ピクニック ランチ:サラダ、魚のマリネ、野菜スティック、メロンなど。

🚙 その後、1時間ほど走り、トゥズバイル塩湖の大パノラマが見られる場所へ。
まあ、絶景!!!🤗

水が張っている時のトゥズバイル塩湖

引き続き、本日のキャンプ地であるショモナイを目指す。
途中にはモスクがあり、ドライバーさん達が降りて「安全祈願」をしてきてくれた。
久しぶりにシェテベという町で給油後、スーパーにも立ち寄った。
ここには鉄道駅もあり、寝台列車が停車していた。
アルマティからアクタウまでは約2,500kmあり、列車だと3~4日かかる。
飛行機だと2時間半。

早いものでキャンプ生活も最終日となった。

🍴 夕食:野菜スープ、ちらし寿司、漬物、スイカなど。

7日目 9月11日
4泊したテント、寝袋とも今日でお別れ、ペグの本数や袋、マットレスを留めるゴムなどもきちんと確認。
今朝は気温が12度まで下がり、寒暖差が激しい。
いつぞやのランチの時には食パンにカビが生えていた事があったのに。

本日はアクタウまで約220kmの移動をして戻る。
まずはオフロードを進み、シェールカラへ。シェールはライオンでカラは砦という意味。
ライオンが寝そべっている姿に見えることからこの名がついた。
別の角度から見ると遊牧民のテントである「ユルト」にも見える。
近くまで行き、ライオンの尻尾辺りに上ってみた。
麓にはサメの歯の化石が少しあった。

次はここから1時間半ほど走り、ラウンドロックに到着。

ラウンドロック

あちらこちらに不思議な形の丸い巨石が転がっている。
何と1km四方に数千のラウンドロックが存在している。この辺りは1億年以上前はテチス海の底だった。遠浅で栄養豊富なテチス海には多くの生き物が存在していた。
アンモナイトもその1種でその死骸の周りにカルシウムやマグネシウムなどの物質がくっついて丸く硬い塊となり、その層を中心に何層もの物質が集まり、形成されたものがラウンドロック。大きい物だと直径が2~3mほどもある。
現在見られているものは土地が隆起をして地上に現れ、風雨によって地表に出てきたもの。
似たような風景はニュージーランドやカルフォルニアでも見られるが、大きさや数では世界一と言われている。
形がまん丸だけではなく、熊や亀のように見える物もあったりして面白い。

後記:化石が入っている丸石の事を「球状コンクリーション」というらしく、日本人の方が発表した。

ラウンドロック

🍴 最後のピクニック ランチ:野菜スープ、魚の缶詰、赤飯のおにぎりなど。
キッチンカーのドライバーさんとはここでお別れ。

午後はシャックパック・アタへ。
ここにはイスラム教の巡礼地の一つで岩窟寺院とお墓が周りにある。

シャックパック・アタの入口
シャックパック・アタの中

最後の景色はカパムサイ
ウスチュルト台地の谷で深さが100mほど、幅が20mほどもあり、かなり深い。

ここからアクタウまで約2時間かけて戻ります。
オフロードからアスファルトの舗装された道路へ入る際、ドライバーさん達は車から降りて窓を拭き始めた。
町へ入るためには車を綺麗にしておかなければならないというルールがあるためだとか。

町に到着すると、博士のはからいでアクタウの豪邸とカスピ海を車窓から楽しんだ。
ここで5日間お世話になったドライバーさん達ともお別れ。

アクタウの町から見るカスピ海

久々のシャワーを浴びてきれいさっぱり。

🍴 夕食:マッシュルーム スープ、カスピ海の魚とマッシュポテト、メロンなど

8日目 9月12日
🍴 朝食:ハム&チーズ、パン、ヨーグルト、オムレツなど。

朝食後、突然の断水で困った、困った。
午前中はフリータイム。

🍴 昼食:空港の待合室にてボックスランチ(サンドイッチ、ゆで卵、お菓子)

✈ 13:45 発 アクタウ エア・アスタナ (A319)
  17:40 着 アルマトイ

初日に宿泊をしたホテルへ。
近くのスーパーへ買い物。

🍴 ホテルにて夕食:グリーンサラダ、野菜スープ、ラグメン(ウイグル風)、りんご

✈ 23:10 発 アシアナ航空 (A330-300)

9日目 9月13日
  07:50 着 ソウル
✈ 09:00 発 ソウル アシアナ航空 (767-300)
  11:10 着 成田

「こんなに素晴らしい地域なのに何故、世界遺産に申請しないの?」と
通訳である娘さんに聞くと「有難う。でも、実は政府は乗り気ではないの。理由はあれだけの広さの土地を維持・管理していくのが大変だから」という返事でした。

尚、化石は空港で没収されませんでした。それだけ、たくさん獲れるという事なのでしょう。

写真は旅行会社さんのパンフレットを引用させていただきました。
お礼申し上げます。

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