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Arlen Rothの歌うPoor Side of Town

今日は、かつて一緒にバンドをやっていた方の家にお邪魔した。
コロナ前の2019年12月にライブをやったのが最後だったので、かれこれ約4年ぶりにお会いした。

「幾つになった?」と聞かれたので「43歳になりました。もう娘は小学校中学年です」と答えた。彼は私よりもずっと齢が上なので、なんだかあまり変わっていないように見えたけれど、私もいい齢なのでそんなに変わっていなかったのかもしれない。わからない。

一緒にやっていたバンドは、カントリーミュージックのバンドだったのだが、コロナ禍の影響やメンバーの体調の問題でなかなか集まれなくなってしまいそのままになってしまっていた。あのバンドは楽しかった。毎月一度集まり年に一度ライブができたし、私の知らないカントリーの曲を色々と覚えることができた。また、いつか一緒にライブができたら、それが無理でもジャムセッションでもできたらいいなぁ。

カントリー仲間なので、一緒にカントリーミュージックをじっくり聴いたのかといえば、そうでもなくて、弘田三枝子の「76/45」を聴いた。ジャズのスタンダードナンバーや、ポールマッカートニーの「My Love」なんかを歌っているアルバムだ。
私は初めて聴いたのだが、45回転盤のアルバムで、とても高音質で(彼のオーディオ機器が凄いこともあるのだが)、歌が物凄く迫力があり日本人離れしていて私は没頭して聴いてしまった。

そのほか、色々と聴かせてもらったのだけれど、Johnny RiversがR&Bをカバーしているアルバムを聴かせてもらった。Johnny Riversはロックンロールミュージシャンかと思っていたのだが、R&Bをカバーするとどうなるんだと興味津々で聴かせてもらったのだが、泥臭くなりすぎず、ちょっとポップで、これはこれで楽しめるアルバムだった。

Johnny Riversといえば、私はPoor Side of Townという曲が好きなのだけれど、そのほかにも色々と彼の曲があることを教えてもらった。”Secret Agent Man(秘密諜報部員)”が彼の曲だとは知らなかった。私はベンチャーズのバージョンと忌野清志郎が「カバーズ」で歌っているのしか知らなかったので、意外だった。

帰宅して、レコードラックからArlen Rothのレコードを取り出し、彼の歌う”Poor Side of Town”を聴いた。

Arlen Rothはいわゆるセッション・ミュージシャンで色々なアーティストのアルバムでギターを弾いているのだけれど、時々リーダーアルバムを作りリリースしている。歌も歌うが、何と言っても彼のテレキャスターから繰り出されるスーパープレイの数々が魅力的だ。
”Poor Side of Town”はArlen Rothの”Hot Pickups”というアルバムに入っている。このアルバムは彼自身の書いた曲も入っているのだけれど、カバー曲も4曲ほど収録されており、そこでも彼のスーパープレイを聴くことができる。

彼のギタープレイは、独特のベンドフレーズ、バンジョーフレーズ、チキンピッキング、スライドプレイ等の所謂カントリーミュージック的な雰囲気がある。

彼は、テレキャスターの名手で、Telemasterと呼ばれている。彼の愛器は1953年製のテレキャスターだが、相当なギターコレクターらしく、それ以外にもいくつもギターを持っている。
1953年製の一台以外にも有名なのは、ボディーにフレームパターンのペイントが施された一台。ワーマスのネックやら、色々なパーツの寄せ集めなのだそうだが、ピックアップにはダニーガットンの愛用しているJoe Bardenのツインブレードピックアップが搭載されている。なんと、このギターの電装系はダニーガットンが組んだというもの。

Arlen RothはDanny Gattonとも仲が良かったようで、二人で録音もしており、YouTubeでも動画を見ることができる。二人ともテレキャスターを操り楽々とスーパーリックをキメていく姿は何度見てもかっこいい。

Arlen Rothのギターサウンドは、カントリーを志す全てのギタリストにとってお手本になるところが多いのだが、如何せん難しすぎて私の手には負えない。なので、もう、自分でコピーすることを諦めて、純粋にリスナーとして聴いていると、心を揺さぶられ、やっぱりテレキャスターを押入れから引っ張り出してきてコピーしたくなるのだ。
なんとも、ギタープレーヤー泣かせのギタリストである。


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