属性を貼られること

※お気持ち表明の文章です。


自分の身体的性別は女だ。しかし、「女」として見られたくない。
この文章で使う「女」というのは、振り袖を着て楽しんだり、子育てをしたり、コスメが好きだったり、そういう、「女ってこういうことするよね」のすべてを指す。自分はそれが嫌で、振り袖を着なかったり女性専用車両に乗らなかったりしていた。記号としての「女」に見られるのが嫌なのだ。

オタク仕草で嫌なのは「僕っ娘」「俺っ娘」だ。ぼくっこ、おれっこ、と読む。

キャラクターが属性で語られる二次元ならまだしも、日常会話で「あなたは僕っ娘だね」のような──実際はもっと熱量があり、属性として見られていることを意識せざるを得ない──ことを言うのは、現代のジェンダー観のアップデートができていない証拠ではないだろうか。自分は「女」に見られるのが嫌で一人称を私ではない呼び方にしていたのに、それを「僕っ娘」なる、「女」にしか使われない属性を、わざわざ直接、言われなければならないのだろうか。自分は他人のコンテンツではない。

男が「僕」を使っても何も言われないのに、女が使えばなぜ「僕っ娘」と属性になるのだろうか。なぜ一人称ごときで属性として見られなければいけないのだろうか。
自由にさせてほしい。わざわざ他人に「僕っ娘」などとラベルを貼られたくない。それは男も同じで、男だって一人称を自分のあだ名にしたり「私」「ウチ」など使う権利があるのだ。それを自分は口に出さないし、そもそも特に何も思わない。

一人称だけでなく、服装や話し方にも属性はついて回る。世間的にはギャップと呼ばれているが、危うさに自覚的でなければ、そのような先入観ありきの思考は、簡単に相手を傷つける。
自分も気をつけたい。何気ない言動で人を傷つけていると思うから。

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