113_芸術文化業界で会計の仕事をしたい人、募集します

※2020/5/31追記
おかげさまで大勢からのご応募いただき、募集・選考を終了いたしました。
とはいえ興味ある方がいらっしゃったら、長期的な今後のお互いの展開を一緒に考えられたらと思うので、ご連絡くださいませ。

ーーー以下、もともとの投稿ーーー

会計という仕事で、演劇や現代アート、アートプロジェクトなど、芸術文化の世界のお金を現場の人と一緒に動かしていきませんか。表現と文化のためのバックオフィス「countroom(カウントルーム)」では、【週2日/月10万円】ぐらいから始めてみたいという人を募集します。

芸術文化を会計でやっていきたい人。会計を通して芸術文化の人たちと仕事をしていきたい人。むしろ芸術文化を軸にして税理士または会計士として動いていきたい人。またはそのために税理士か会計士の資格をとるぞと心に決めている人。

ぼくらは芸術文化という世界での、会計という仕事をもっともっと楽しめるんじゃないかと思っています。楽しむ気概を持ち込んでくれる方、お待ちしています。

【募集内容、要件、応募方法】

株式会社countroom 会計スタッフ
・雇用形態:社員
・採用人数:若干名
・業務開始時期:採用決定次第、要相談
・業務内容:会計経理実務一般、出納記帳振込、決算等。公的助成金の進捗管理及び報告業務も含まれます。
・給与額:100,000円から(勤務日数/能力に応じて相談)
・勤務日数:週2日から
・勤務先:芸術文化団体事務局など現場への通勤(2箇所を想定)/自宅作業
・各種手当等:交通費支給、各種社会保険あり(加入要件を満たし次第)。表現手当、鑑賞手当、資格手当、企画手当。健康診断あり。
・応募要件:経理実務経験必須。日商簿記2級以上歓迎。税理士・公認会計士資格受験生歓迎。(または、本年中に別途開業予定の税理士事務所のパートナー希望者歓迎)

・採用フロー:
1)書類審査
履歴書・経歴書とともに下記のレポートをメールで送付ください。
レポートのテーマ:「芸術文化に携わる会計実務を通して、社会で何をしたくて何を見たいのか。自分は何をどう楽しみたいのか。」
レポート文章量:1,200文字以内(短くてもかまいません)
送付先:info@countroom.co

2)面接審査
書類審査を通過された方と、日程調整の上オンラインで面談の上、採用を決定いたします。

応募を検討されている方へ

countroomは現在、代表をいれて7名で、首都圏の芸術文化団体を中心に、会計や経理などのバックオフィス業務を担っています。

僕がフリーランスとして芸術文化事業における会計の仕事をはじめてから5年半。ともに働く仲間を見つけてチームになってから3年、会社をつくってから1年半ほどたち、20ほどの芸術文化団体で実務を行ってきました。この仕事を始めたもともとの動機はといえば、いわゆる「社会」での立ち回り方がわからず、漠然と、しかし自分にとっては致命的に生きづらさを感じていて、何かしらの依りしろを見つけたかったということ。学生時代に舞台スタッフとして携わっていた演劇の世界が、それだけで生きていくにはあまりに、経済的・社会的に理不尽なジレンマを抱えていると痛感していたこと。東日本大震災後の社会において、アートを通して未来を真剣に考え行動している人をかっこいいなと思ったこと。そんな理由だったと思います。

現在に至るまで様々なプロジェクト、様々な人と会うことができました。僕にとって救いだったのは、考える自由、問い直す自由がいつもここにあり、またその自由をもって気丈かつ力みなく動いている人たちがいつも身近にいたということです。これは、常に自分自身の態度を試されてもいる、ということでもありますが。もちろん芸術文化業界も、権力構造やハラスメントといった問題から例外となれているわけではありませんが、少なくとも、誰かが寄り添ってくれる、声をあげてくれる、また自分自身を振り返ることができる、そうした様々な人の理解と矜持に溢れた世界です。

さて、この世界で、会計をやっていきたいと思う人は本当に稀有だと感じますが、同時に、会計やそれを担うバックオフィス実務者が必要とされていることも、そこかしこで実感します。まず、芸術文化団体が自立的な経営をするためには、構造的なハードルが高く、お金に関する視点が欠かせません。次に、会計業務を通し、現実と創造の間をせっせと行き来することで事業が進むからです。そして何より、会計経理はどんな文化事業にも必ず発生する実務です。……にも関わらず、とにかくその担い手が少ないのです。
その需要に対する供給の少なさの理由は、わざわざやりたがる人が少ない、この業界では数字に強い人が少ない、などでしょうか。でも実は数字に強いアーティストや制作者、アートマネージャーは少なからずいます。単に「芸術文化に係る会計経理」が職能としてあまり認知されていないだけという気もしています。しかし僕たちの職能の大部分は、当たり前ですがいわゆる一般的な会計経理業務で、他の業界のそれと同じ土台の上に成り立っています。だから、潜在的な働き手は少なくはないはずです。

もし他業界の会計経理業務と異なる点があるとしたら、芸術や文化が常に公共性と密接に結びついているという点かもしれません。公共性を帯びる文化事業には、国や自治体による補助金を通した税金再分配のお金の流れ、また民間助成金や寄附といった贈与によるお金の流れがあります。これに市場取引を加え、3つのお金の流れが互いに絡み息巻いて、複雑な経済がこの世界では成立しています。そして、肝心の芸術文化の本質的な価値については、定量化が難しい。混沌とした経済の土台と価値のありかを探る試みの一端に、地道な会計経理実務があります。

つまるところ、僕がお伝えしたいのは、そんな芸術文化「なのに」会計経理をやっている、ではなく、そんな芸術文化「でこそ」会計経理をやる、そういう職能の立ち振る舞いを、一緒に考え、形にしていけたらいいなということなんです。自分自身もまだ模索中ですが、そんな感じで日々の業務に奔走して(翻弄されて)います。

会計経理という地道な仕事ですから、目に見える大きく偉大な目標やチャレンジに猪突猛進する、というのとは少し違うかもしれません。
僕自身、野心も勢いもおそらく凡庸で、こうであったらいいというおぼろげな社会像に対して自分ができることの少なさと粘り弱さは日々痛感しています。言い訳をすれば、その社会像は日々刻刻と変わっていきますし、そもそもこの世界の懐事情はあまりにも複雑で、ジレンマだらけです。
ただ、だからこそ、文化や表現を創造していく人のためにできることはいくらでもあるし、自分自身がいくら楽しんでも楽しみきれないはず。なぜなら文化や芸術は、いつの時代でも、誰にとっても、心に寄り添ってくれるほどに親しく、はるか遠くに仰げるほどに広大で、真理に気づかせてくれるような深淵さを持っているからです。

なんか、そんな世界での金勘定って面白くないですか? と僕は思っているので、一緒に少しずつ、できることを増やしていけたらなと思っています。改めて、ご応募、心よりお待ちしています。

countroom代表・五藤真

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