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お相手が本当に離婚する時。

メンヘラ大学猜疑心学科卒業で恋愛体質の私が経験した既婚男性との恋愛、即ち不倫の体験についてお話ししてみたいと思う。

あまり大きな声で言えないし言いたくないのだが、例えば、既婚男性を本気で愛してしまった人、彼の本気度がわからなくて諦められない人、誰かの道標の参考になるのなら、恥を忍んで開示してみようと思う。

最初に既婚男性と恋愛関係になったのは18歳の頃だった。

今思うと25歳で妊娠中の妻がいる男が10代の小娘に手を出してるというだけで、キモ。という感想しか出てこないのだが、何せまだ無垢な10代の私である。
これから目一杯汚れるであろうピュアな心で、ただただ好きな人ができた、でもそれは既婚者だった。それだけの事であったように思う。

そして、バ先の社員であったその男は、その店の女という女を食い尽くしているような、絵に描いたような下衆男だった。

なのに、誰からも憎まれない、むしろムードメーカーでいつも周りに人が集まるような、不思議な男だった。

彼が手をつけた女達は奇妙な連帯感があり、誰も出し抜こうとはしなかったし、なんならまるで皆違う彼氏の話をするかのように、自分と彼との間にあった出来事を躊躇なく披露し合った。

その中で暗黙の了解のように彼女認定されていたのが私だった。

嫉妬深くメンヘラな私があんなにも寛容だったのは後にも先にもこの頃だけだったように思う。
それは彼が既に誰かの所有物であり、何がなんでも自分の物にしたいという欲求が皆無で、ただただ好きな人と両思い、その日暮らしで今日が幸せなら明日の事などどうでも良く、まさか自分が誰かの人生を大きく変えるような力があるなんて微塵も考えていなかった。

忘れもしない休日の午後、私はベッドでゴロゴロしながら友人と家の固定電話でダラダラと夕方からの遊びの計画を話していた。
その最中に携帯電話が鳴り、見知らぬ番号からの電話に何の不信感も抱かずに、もしもし。と出ると、電話の向こうから彼の苗字を名乗る女の人の声がした。

あ、バレた。瞬時にそう思った。

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