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家族・夫婦カウンセリングあれこれ① | 京都・四条の心理カウンセリング カウンセリングオフィスSHIPS 認知行動療法・ブリーフセラピー

こんにちは。カウンセリングオフィスSHIPS代表です。京都 四条烏丸でカウンセリングルームをしています。オンラインカウンセリングもしていますので、全国からアクセス可能です。

当オフィスは、ブリーフセラピー、認知行動療法を中心にしたアプローチで、プラグマティック(実用主義的な)支援を掲げてカウンセリングをおこなっています。

さて、今回は最近似たようなお問い合わせを複数件いただいたこともありまして、家族・夫婦カウンセリングについて、よくあるご質問Q&Aといった形で書こうかなと思います。ホームページのQ&Aにも掲載していく予定ですが、長くなりそうなので先にnoteで取り上げることにします。


はじめに

今回は、家族、親子、カップル、パートナー同士など、複数人でのご相談にはじめてお越しいただくときに気をつけるべきことについて書きます。
呼び方は、家族カウンセリング、夫婦カウンセリング、親子カウンセリング、カップルセラピー、家族療法etcありますが、ほぼほぼ同じ意味です。

今回の内容以外にも、実際どんなことするのかとか、個人療法となにが違うのかとか、そういうことも書いてみたいのですが、それはまた次の機会に改めます。

当オフィスでは、家族カウンセリング・カップルカウンセリング(家族療法)もおこなっています。ひとくちに家族カウンセリングといってもその形はさまざまです。お困りごとの内容、ニーズ、状況によって、どのような面接構造にするかも大切なテーマですので、当オフィスとはちがった形式、ちがった方針でされておられるカウンセリングルームもあるかもしれません。

どのような面接構造であっても、大切だなと思っていることを書いてはいますが、もしいま家族カウンセリングに取り組まれている方で、当オフィスとはちがった構造ややり方でしている方も、カウンセラーを信頼できて安心して取り組まれているならば、それが不正解というわけではありません。

Q 家族・夫婦カウンセリングの際、一緒に話をするのがいいのか、別々に話をするのがいいのか迷っています。どうやって決めればいいですか?

家族・夫婦カウンセリングの形式

まずはじめに、用語の説明をしておきます。家族、親子、カップル、パートナー同士など、複数人でご相談にお越しいただく際に、一緒に面接室に入って一緒に話をするカウンセリングの形式を「合同面接」といいます。同じご相談でも、別々の時間に一人一人面接する形式を「並行面接」といいます。

「並行面接」の場合、カウンセラーは同じカウンセラーにするのか、別々のカウンセラーにするのか、いくつかの形式にわかれます。

さて、当オフィスの家族・夫婦カウンセリングでは、家族・夫婦同席(合同面接)にて一緒にお話をする場合もあれば、別々(並行面接)にする場合もありますし、ミックスさせる場合もあります。並行面接の場合には、カウンセラーを分ける場合もありますが、特段のご希望や必要性がなければ、同じカウンセラーが家族それぞれの面接を担当します。

ただ、それぞれにメリット・デメリット、気を付けるべきことがありますので説明してみますね。

家族合同面接がよいとき

まず、家族の合同面接がよい場合は、基本的には家族間の問題意識が共通していて協働して取り組みたいテーマがある場合ですね。

たとえば、夫婦再構築のためにできることをしていきたい、子どもの問題に夫婦で取り組みたい、夫または妻の問題に一緒に取り組みたい、などです。その問題について二人で話し合いをしようと試みてきたけれども第三者をいれたほうがよさそうだと思うような場合です。

家族並行面接がよいとき

ただ、家族の合同面接といった際には、次のような不安を感じる方もおられるかもしれません。

  • 同席では、お互いに正直に話ができないかもしれない。話しづらいなあ。

  • 別々に話をする時間をとってもらったほうがいいなあ。

  • 合同といっても、片方の家族・パートナーが来所に抵抗するかもなあ。

こうした場合には、まずはそれぞれに別々の時間枠を確保すること(並行面接)をお勧めしています。
同じカウンセラーと家族やご夫婦で別々で面接(並行面接)する時間をとったほうがよい場合は、問題意識にギャップがある場合(片方が問題視している一方で、片方が問題視していない場合)や、モチベーションに差がある場合(片方が片方に連れてこられるような状況など)、暴力、ハラスメントなど加害者-被害者関係にある場合、片方が片方に対して批判、怒りの気持ちを抑えられないような場合などがあります。
また、誰かが来所に対して抵抗を示しそうな場合は、まずは、そのことに困っているご家族・パートナーだけでご相談にお越しいただければ大丈夫です。

合同面接も、並行面接も、もちろんその後の進展によって、両方を織り交ぜていくことはあり、一度決めた面接構造がずっと続くわけではありません。カウンセラーと相談して決めていきます。

並行面接のときの注意点-守秘義務について

なお、並行面接のときの注意点としては、ご家族がそれぞれの面接セッションで別々に語られた内容については、それぞれに対して守秘義務があります。当人さまの了解・合意なく、ほかのご家族にお話の内容を口外することはありません(自傷他害の恐れのある場合等を除きます)。

並行面接では、片方の家族・パートナーが自分のいない面接でなにをしゃべっていたのか、どういう想いでいるのかを知りたいという思いが生まれることは自然なことではありますが、その際に、合意がない場合には、お互いの安全を守るためにもカウンセラーからもう片方の家族・パートナーに、その内容をお伝えすることはできません。
もし、その面接セッションにいなかったほかのご家族と内容を共有する必要がある場合、その守秘の範囲をどの程度にするのか、どの程度共有するのか、あるいはしないのか、ということについて事前にお互いに、またカウンセラーとも合意をとっておく必要があります。
どこかのタイミングで、夫婦合同面接をセッティングして、お話をしていく時間をとることになります。

お話された内容が(たとえご家族・パートナーであったとしても)第三者に筒抜けであるような状況では、安心・安全な思いでご相談いただくことができませんので、お互いの安全を守るための大切な枠組みなんです。

家族並行面接で、別々のカウンセラーが担当する場合

家族並行面接では、同じカウンセラーが家族成員それぞれの担当をする場合と、別々のカウンセラーがそれぞれの家族成員を担当する場合とがあります。

当オフィスでは、基本的には前者のやり方を採用しています。並行面接でも、同じカウンセラーが家族成員それぞれを担当します。基本的には。

そのメリットとしては、たとえば家族全員がお世話になっている近所の内科医、家庭医さんと同じように、家族という単位全体の動きを総合的に把握して見立てていくことができること、場合によっては家族合同面接を適宜混ぜていくといった柔軟な動きができること、があげられます。

その分、先に上げたような守秘義務を守れるようなかじ取りが必要になります、また、家族のうち、特定の誰かが嫌な思いをしたり、悪者にされたりしないように、中立的なポジションを維持するためのスキルや態度が必要になります。そのためには、個人療法を応用する形での家族カウンセリングではなく、システム論的家族療法・ブリーフセラピーといった専門療法・スキルを習得しているカウンセラーである必要があるでしょう。

一方で、後者の、それぞれの家族成員ごとに別々のカウンセラーがつくような形式でやる場合もあります。そういう形式を基本としているカウンセリング機関もあります。
そのメリットとしては、たとえば父には父のカウンセラー、母には母のカウンセラーといった具合に、別々の個別カウンセリングの集合ということですから、守秘義務の範囲がはっきりしますね。先に上げたような守秘義務のややこしいかじ取りは必要なくなることがあるでしょう。主に個人療法を中心に習得されているカウンセラーが、家族カウンセリングを行う際に採用することが多いように思います。

ただデメリットとしては、あくまでも個人療法となりますので、家族という単位全体を把握、見立てながらアプローチしていくことが難しくなりがちです。たとえば、父には父の物事の見え方、母には母の物事の見え方があるのが普通なのですが、その双方の価値観の違いをまとめて取り上げたり、すり合わせたりという合同面接アプローチはとりにくくなるでしょう。つまり、合同面接と並行面接をそのときどきの状況やニーズに合わせて柔軟に組み合わせていくということはしにくくなります。

だって、いざ合同面接するとなったら、どっちのカウンセラーが担当するのかたぶん揉めますよね苦笑。まあ、ダブルセラピスト、つまりカウンセラーも複数人が全員部屋に入るという解決策もありますが、それはそれでやはりシステム論的なものの見方ができないと難しいので、並行面接で普段やっているセラピストは合同面接をするのは難しいと思います。

Q 複数人で面接をすると時間が足りない気がして心配なのですが時間延長はできますか?

複数枠でのご予約

家族・夫婦カウンセリングのように複数人の面接や特定の専門アプローチによっては、50分ですと話をしたり状況を整理したりするのに時間が足りない、ということはありえます。

そのような場合は、連続した複数枠をお取りいただくことをお勧めしております。当オフィスは完全予約制ですので、時間延長は承っておりませんが、連続した複数枠の事前予約は承っております。

枠数の限界

なお、1回(1日)のセッションは、費用対効果のバランスを考えますと、複数枠をお取りするとしても2枠(100分)をお勧めしています。まあできるだけまとめてとったとしても、どれだけ最大でも3枠(150分)までをお勧めしています。もちろん、小休憩はとりながらやりますが集中の限界としてもこれくらいでしょう。他の機関において、特別な専門技法を提供しているようなカウンセリングでも、これまで見てきた中で長いものでも3時間というのがMAXですので、まあ長くて2時間、MAX3時間が妥当じゃないでしょうか。

カウンセリングでは、お話しした内容を持ち帰り、それを自分の中で咀嚼・整理して、また次のセッションに臨むというプロセスもとても大切です。1回のセッションに時間をかければかけるほど問題や悩みの改善・解消が早くなるというものでもないためです。

連続枠のなかであれば、たとえば100分のうち、個別面接を30分ずつ、合同面接を40分という具合に、時間内で面接形式をミックスすることはあります。


最後までお読みいただいた方、本当にありがとうございました。少しでも当オフィスに興味をもっていただければうれしいです。
たとえ当オフィスではなくても、皆さまが少しでも信頼を寄せられる支援者に巡り合えることを祈っています。

今、一緒に取り組んでいる方、これからも少しずつやっていきましょう。

はじめましてのかた。もし、こころと人間関係の問題で、悩んでいることや、抱えている気持ちを誰にも話せずにいたら、あるいは誰か身近な人に話したけど、どうしていいかわからないなっていうときは、一人で抱えずカウンセリングを行ってみることも検討してみてください。

悩みに大きいも小さいもありません。こんなことで相談していいのかな?と思うようなことだったとしても、気にしなくて大丈夫です。というか、こんなことで相談していいのかな?と感じながら来られる方にかぎって、お話をうかがうと、「こんなこと」どころか「よく今までひとりで抱えてきましたねー」って思う問題であることが多いです。

まずひとりで悩んで、つぎに身近な人と悩んでみて、それでもどうにもならないようなら心の専門家の出番です。では。

カウンセリングオフィスSHIPSの詳細はこちらです。公式ホームページです。

https://counselingships.com/

カウンセリングオフィスSHIPSでは、ブリーフセラピーや認知行動療法に基づくカウンセリングをメインに実践しています。

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