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「わかる」なんて簡単に言わないでほしい

不安やストレスを抱えている人やつらい思いをしている人の話を聞く際は、共感が大事などといわれますが、

共感は実はとても難しいもの。

共感と聞くと、

「わかる、わかる」

と言いながら話を聞くというイメージを持つ人が多く、実際にこういう話の聞き方をする人が多くいます。

一方で、つらい思いを打ち明けて、相手がこのような共感の姿勢で話を聞いたときに少し違和感というか、もやもやした気持ちを感じたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

「わかる」に対する違和感

この「わかる、わかる」という共感の姿勢に対する違和感とは、

「いや、あなたはわからないでしょ」

という感情です。

そもそも、人間は全く同じ経験をすることはありませんし、

たとえ近い経験をしたとしても、その背景やその人の性格が異なれば抱く感情も同じにはなりません。

つまり、話を聞いてくれた人が、あなたのつらい気持ちを「わかる」わけがないのです。

にも関わらず、「わかる、わかる」と言われて共感の姿勢を示されると、違和感を感じてしまうのです。

本当の共感とはなにか

本当の共感とは、➀理解して➁寄り添うことです。

➀理解とは、ある出来事や経験から、何らかの感情を抱いた、という事実への理解です。

先述の通り、話をする側と話を聞く側がまったく同じ感情を抱くということは基本的にありません。

つまり、話し手の感情を理解することはできないのです。

聞き手が理解できるのは、話し手の感情ではなく、話し手がある感情を抱いたという事実です。

そして、➁寄り添うとは、話し手を受け入れるということです。

話し手がある感情を抱いたことを理解したうえで、

「あなたはそんなことを思うべきではない」
「もっと別の捉え方で考えるべき」

といった否定や評価の態度を取ってしまっては、共感にはなりません。

ある感情を抱いた話し手に何らかの価値判断(良い、悪いとか正しい、間違いとか)をするのではなく、ただただ受け入れるのが寄り添うということです。

共感は誰にでもできるものではない

こうした共感の仕方は、誰しもが知っているわけではありませんし、誰しもができるわけではありません。

だからこそ、多くの人は「わかる、わかる」という共感の仕方をしてしまうのです。

そして、そのような人に相談をすると、相談した側も心が晴れず、違和感やもやもやを感じることになってしまいます。

つらい気持ちを聞いてほしいときは、適切に共感をしてくれる人、正しく共感をわかっている人に聞くべきですし、

逆に相手からつらい気持ちを打ち明けられたときは、安易に「わかる」などとは言わず、理解と寄り添いを意識して話を聞くことが重要です。

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とくに介護では、身近にたくさんの介護経験者がいるという状況はあまりないので、介護経験がない人に相談することが多いでしょう。

そこで介護の経験がない人に「わかる、わかる」と言われても、なかなか気持ちはスッキリしないはず。

また、たとえ介護経験がある人でも、話の聞き方や共感の仕方の知識がないと、気持ちを理解し、寄り添うようなコミュニケーションを取ってくれない可能性があります。

気持ちよく話を聞いてくれる相手がいない、気を使わずに話せる相手がいない、そんな方はカウンセリングで、カウンセラーに相談することも考えてみてください。

カウンセラーは話を聞くプロなので、もちろん共感についても理解していますし、あなたの気持ちを受け入れてくれます。

介護に関する不安ならcounse(カウンス)にご相談ください。介護経験のあるカウンセラーがあなたのお話を聞きます。

「介護するすべての人に、安心を」

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