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感情の共有だけでは孤独感は解消されないかもしれない

家族の介護をしている方々のお話を聞くと、

周囲に話を聞いてくれる人や相談に乗ってくれる人がいない

という方がいる一方で、

友人や家族などで話を聞いてくれる人はいる

という方もいます。

一般的な介護家族の孤独のイメージは前者のパターンではないでしょうか。

介護に割く時間が多くなり、友人と会う機会が減って関係が希薄になってしまったり、仕事をやめて同僚との関係がなくなってしまったりすることで、

話を聞いてくれる人が周囲にいなくなってしまうパターンです。

この、そもそも話をできる相手がいない状態は言うまでもなく孤独な状態ではありますが、

介護家族には、話を聞いてくれる相手はいるけど孤独を感じる

というパターンの方も多くいます。

このパターンの孤独感は、周囲に孤独であることが気付かれにくく、自分でも自分自身の孤独感に気付きにくいもの。

では、話し相手がいるのに感じる孤独感とはどのようなものなのでしょうか。

孤独感の正体

これは、簡単にいうと、

根本の課題を共有できない孤独感

です。

日頃の友人同士の会話のなかで、

「~~なことがあって、すごくイライラしちゃったんだよね」
「~~になるんじゃないかって不安なんだよね」

という話はよくあると思います。ここで共有できているのは、

「イライラ」や「不安」という感情です。

もちろん、感情を話すだけでもスッキリするのですが、その一方でどこかスッキリしないと感じることもあるのではないでしょうか。

もし、感情を話してもスッキリしないのであれば、それは感情の根本にある課題を話せていないからです。

自分の感情について話せたとしても、根本にある課題を話せないと、

自分の大変さや辛さは誰にもわかってもらえない、自分にしかわからない

と感じてしまうのです。

根本にある課題の共有の難しさ

一方で、根本にある課題の共有は非常に難しいもの。

課題を自分でも認識できていない場合もありますし、

課題を認識していても、自分の内面や家族の事情に深く立ち入る話だと話しづらく感じる場合もあります。

とくに、家族の介護の話になると、周囲の人に話すことに抵抗を感じる方が多くいらっしゃいます。

また、友人が介護についての知識や経験がない場合は、

話してもわかってもらえないだろうと思ったり、

自分の暗い話ばかりでは申し訳ないと思ったりして、

あえて話さないこともあるでしょう。

様々な事情で介護に関する課題を共有することが難しいため、介護家族は孤独になりやすいのです。

まずは話してみる

このように、孤独感を和らげるためには感情だけでなく、その根本にある課題の共有が重要になります。

周囲の人と話す機会があっても、なかなか孤独感を拭えないと感じる人は、意識的に自分が抱える課題を話してみてください。

話すことで気持ちがスッキリしたり、周囲から予期せぬ支援が得られたりする可能性があります。

あなたがその感情をいだいていることだけでなく、

なぜその感情を抱いているのかがわかれば、周囲の人もサポートしやすくなるはずです。

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とはいっても、自分の感情の根本にある課題を友人や親戚などの近い人に話すことに抵抗を感じる方や

そもそも根本にある課題を自覚できていないという方もいるでしょう。

そんな方はカウンセリングを受けてみてください。

カウンセラーは、第三者であり、守秘義務も守るので、近い人にはなかなか言えないような話も安心して相談できます。

また、カウンセリングの役割として、気持ちや状況の整理があります。根本の課題が自覚できずに漠然と不安やイライラを感じている方にもカウンセリングは有効で、

カウンセラーと一緒に漠然として不安やイライラを整理しながら、根本の課題を探ることができます。

不安や不満を漠然としたまま放置すると、「よくわからないけれど何かつらい」と言う状態で1人苦しむことになります。

早いうちに自分の心を整理し、ケアすることが重要です。

そして、介護で不安や不満を感じたら、counse(カウンス)にご相談ください。

介護者が気軽に安心して「困ってる」「助けて」といえる社会を目指していきます。

「介護するすべての人に、安心を」

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