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議員という虚像の巨像化について


昔って見たことない生き物はイメージ図で定着していました。

例えばキリンとか。

昔はこんな描かれ方をしていました。

あるいはこんな描かれ方とか。

龍なんかなみたいな。
空飛ぶのかな火吐くのかなみたいな
怖ろし気な生き物ですよね。

神社なんかでよく見かけます。
本殿の彫刻によくあります。

ビールの瓶にも見かけます。
酔うと見えてくる生き物みたい。


でも動物園ができたことでキリンって実際はこんなんやということが皆分かりました。

議員もこれに近いものがあるなあと思います。
実際はこんなキリンさんです。

空も飛ばないし、火も吐かない


議員てこんなかなというイメージを生かして
イメージ通りの言動をする人もいますし
イメージと実像の間を行ったり来たりする人もいますが
じゃあ実際それをする力を与えられているかというと
持ってません。
全方位に持ってるよって振りをしてる人はいるでしょうし
色んな人間力学を駆使して力を使える人もいるみたいですが
法的に空を飛んだり火を吐く力があるかというとないと思います。


じゃあ実際どのくらいの方が実像をご存じで
どのくらいの方が虚像を見てるかというと
私はこういうイメージを持っています。



一応、直接やりとりしている近距離の方で
かつ、地方自治法に定められる議会の機能を理解されている立場の方は
実像に近いものが見えやすいのではないかと思いますが
しかし皆さん頭の中に色んな価値観やフィルターをお持ちなので
実像通りにはなかなか見えないものではないかなと思います。


第二節 権限
第九十六条 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
一 条例を設け又は改廃すること。
二 予算を定めること。
三 決算を認定すること。
四 法律又はこれに基づく政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収又は分担金、使用料、加入金若しくは手数料の徴収に関すること。
五 その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
六 条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。
七 不動産を信託すること。
八 前二号に定めるものを除くほか、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分をすること。
九 負担付きの寄附又は贈与を受けること。
十 法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。
十一 条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。
十二 普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決(行政事件訴訟法第三条第二項に規定する処分又は同条第三項に規定する裁決をいう。以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において同じ。)に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項(同法第四十三条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による普通地方公共団体を被告とする訴訟(以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において「普通地方公共団体を被告とする訴訟」という。)に係るものを除く。)、和解(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟に係るものを除く。)、あつせん、調停及び仲裁に関すること。
十三 法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。
十四 普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関すること。
十五 その他法律又はこれに基づく政令(これらに基づく条例を含む。)により議会の権限に属する事項
② 前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる。


(以下略)

地方自治法 e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000067


そして距離が遠ければ遠いほど、情報は少なくなり、皆さんのそれぞれの価値観でその断片情報を判断されることになり、それが口コミで拡散していき、実像とかけ離れた虚像がどんどん大きくなっていくのではないかなと思います。


できるだけその距離を縮め、実像を知ってもらおうという取り組みを議会も行っており、議会をテレビ中継したり、ホームページやSNSなどウェブコンテンツを活用し、議事録を公開したり、議員自らが編集した議会だよりを各世帯に配布したり、議会と語ろう会を開催したりしています。

(前文)

永平寺町議会は、住民から直接選ばれた議員で構成される議事機関として、永平寺町の政策について審議し、議決する役割を担っている。また、地方分権が進む中、自治体の自主的な決定と責任の範囲が拡大した今日、議会は政策立案・行政監視・論点の開示等の役割や責任も大きくなってきている。

議会は、このような役割、責任を果たすために、二元代表制の趣旨を踏まえ、首長と相互に競い合い、かつ協力し合いながら、自治体の自立に対応できる議会へと自らを改革しなければならない。

すなわち、議会の絶えざる自己変革である。同時に議員一人ひとりが鮮明なる自覚を持って行動する議会を目指すものである。

議会はその実現のために、これまで以上に公平・公正・透明な開かれた議会づくりに努め、町民への情報提供と共有化を図り、まちづくりへ積極的な町民参加を求めていくことが必要である。

同時に議会は、町民と活発な意見交換を行い、広く得られた意見を基に、自由な論議を交わし、意見を整理・集約していくことで、町民本位の政策提言を積極的に行う提案する議会を目指すものである。

永平寺町議会は、町民の多様な意見を反映するため、個人を尊重し合う民主的な議会活動を通じて、町民の負託に応えていくことを決意し、ここに「永平寺町議会基本条例」を制定する。

永平寺町議会基本条例
https://www1.g-reiki.net/eiheiji/reiki_honbun/r368RG00000503.html

議員個人も政治活動として活動報告を発行したり、活動報告会を開催したり、SNSやブログで情報発信します。


しかしなかなか「議員さんてこういうことができたら実力があるといえる」という虚像に勝つことはできません。


昔だとよく分かんないところに道路ができたり、特定の支援者に利益享受ができること・・?
今だと魔法のようにぱぱっと社会変革ができることでしょうか。
あと大雪のときに議員さんに言ったらあっという間に除雪車が来てくれた・・・とか。困りごとの解決ですね。

独裁者的カリスマ性を発揮し、行政職員が低頭し、職権を超えて課長のように命令ができるとか、そういうイメージでしょうか?


あるいは
誰も思いつかなかった政策提案できる議員がよいとか、
住民から湧き上がる誰も思いつかなかったような画期的アイデアの声を拾い上げるのが上手な議員がよいとか

色んな方からの声をまとめると、みなさん議員に対してそういうイメージ持たれてるのかなと思われるのですが



上記引用を見てご理解いただけるとおり、地方議会議員はまず第一義として条例予算決算等の議決を行い、またそのための調査を行うお仕事です。

調査の中で皆さんにご意見をいただいて
それを審議の際の参考にしたり、質疑をしたり、提案をしていたりはします。
各議員からそんな意見が出てきます。
その中で少し機能不全になっていた住民サービスが息を吹き返すこともあるかもしれませんし、みんなが待ち焦がれていた住民サービスを行政が新規事業として取り入れようかなと出してくることもあるかもしれません。


議案は行政から提出されるものであり、議決は議会の合議で決まるものであり、議会運営は議長や副議長、委員長の司会進行力も問われます。多くの承認を経て成り立つ性格からして、個人の議員の活躍により何事かが成し遂げられるというものではなく、「この事業は自分があってこそ成立した」ような話を聞いた場合にはまず眉につばをつけて、支援者へのポイント稼ぎだな・・?と思ったほうが無難であると思います。


「議員として何をしたんや?」という言い方をよくされるのを聞きますが
議会に出席して上記のような務めを果たしていたら、議員のお仕事はちゃんとやっているのです。
その中で、よりよい化学変化を起こしてよい結果が導きだされることが良いのだと、私は考えています。



何事かを決めることができる権力をもっていること=実力と思われるということは、そういった権力者像が求められつづけているのかなあと思うのですが、

やはり強大な力をもったスター議員が出現し、首長になり、国政に出るようなストーリーがあるとワクワクするものでしょうか?



民主主義は無力の人の集合体であり、代表を任される権限を得た公務員や首長や議員がゆるやかに動かしていくものだとイメージしたほうが、政治参加や投票行動を難しく考えずに済むのではないかと思うのですがいかがでしょうか。



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