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一般質問「命と経済を守る脱炭素政策」

最近選挙をテーマに記事を投稿していたのですが、今はちょっと議会だよりの原稿をまとめていて、ちょうど昨日今日の夏の電力需給ひっ迫問題にもかかわる内容なので、要約文をこちらに掲載することにしました。

議会だよりのほうは制限の600字に縮めないといけないのですが、とても大切な内容なので、いったいどこを削るべきものか・・全文読んでいただきたいのですが、議会ホームページの議事録読むのもどこになにがあるやらで分かりにくいんですよね。

永平寺町議会ホームページ https://www.eiheiji-gikai.jp/

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一般質問とは



まず一般質問とはなんなのかですが、議員になると首長と行政に質問することができるようになります。
主に議案質疑と一般質問で、議案については行政から提出された条例や予算案についての質疑を行いますが、一般質問は自由に聞きたいテーマを質問することができます。

基本、テーマに対する取り組み内容、事業の進捗や行政の考え方を示していただく質問なのですが、私の場合は質問の形をしつつ提案してる?みたいな質問が7:3か6:4の割合の多いほうであまり良い例ではありません。1:9で1が提案的質問のほうがバランスはよいものと思いますのでご注意ください。

永平寺町議会の変なところ



通常は聞くところによると
町議会で一般質問する議員さんは少なく
市議会では会派の代表が質問されているということなのですが
永平寺町議会は毎回ほぼ全員が質問するのが慣例となっていますので、こちらもご注意ください。議会によってはなかなか質問できなくて苦労されてしまうかも。
新人議員でも質問出して当たり前という雰囲気はありがたいのですが
他市町に比べたら行政負担は大きいのだろうなと思っていました。

特に私はめっちゃ細かい質問を出すので
新聞記者さんにも細かいと指摘され
県議会の質問の中継を見ても
確かに細かいや・・・と思いましたが
議会のほうからも行政からも細かすぎやと言われたことはなかったために
いいわいいわで最後まで長文癖は抜けませんでした。


最後の一般質問は「コロナ下でやってみた報告」


令和2年5月新型コロナウィルス感染症拡大による緊急事態宣言後にガソリン代が上昇しはじめた記憶がありますが、7月には熊本県球磨川流域に線状降水帯が発生する豪雨災害があり、10月には臨時国会にて日本政府が2050年カーボンニュートラルを宣言、積極的に温暖化対策を行い産業構造や経済社会の変革し成長につなげる方針が示されました。

コロナにより集会型の議員活動にかなりの制限がかかった中で、議員としてなにか取り組めることはないかという思いもあり、これらの社会状況から、物価もこのまま上がっていき、災害も起こりつづけていくだろう課題に対し、地方でEV車、太陽光パネルを導入することは現実可能なのか、手頃な価格帯のZEHシステムはありうるのか、災害時の補給電源としてどれだけ能力があるかを検証し、その内容を質問に反映させることにしました。

令和3年1月に中古EV車を購入、充電設備、太陽光発電設備の発注を行いましたが、コロナ下ですべての進捗が遅々として進まず、2月にEV車の納品、太陽光発電設備の工事は12月、稼働は1月から。当初予算の定例会で質問してもよかったのですが、予算案でもある程度質疑できたため、6月定例会でしっかり質問させていただきました。

では以下本文です。

「命と経済を守る脱炭素政策」質問要約


問 環境省は環境問題を明確に自然災害の問題であると示し、脱炭素事業を災害時対策と脱炭素化を両立し自立・分散型再生可能エネルギー設備の導入を進める内容のものとしている。
まず永平寺町におけるゼロカーボンシティ宣言は。4月28日時点で、全国市町村37%、県内では9市町が表明行っている。



総合政策課長 本年度第2次環境基本計画を改定。終了後または来年4月以降の宣言に向け進めている。


問 環境基本計画の「低炭素社会の推進」について、充電インフラ箇所数の2027年までの目標値は3か所。現在のところ上志比地区の禅の里道の駅と永平寺口駅。もう1か所の導入計画は。

住民税務課長 公共での増設は今のところ必要性を感じていない。



問 松岡地区に急速充電設備がない。EV車を購入して自宅に充電設備を設置するまでの間の利用が大きく、住宅地に設備があるとEV車の導入のしやすさが高まる。交流人口拡大の面からも来町しやすくなる。検討を継続していただきたい。また永平寺ロ駅には太陽光発電と鉄道の回生電力を使っているという珍しい急速充電機がある。町の特色あるSDGsの取組として、もっと大きくPRするべきでは。


総合政策課長 環境基本計画改定時に環境性能に優れた車の普及を計画に反映していく。道の駅充電インフラと併せてPRしたい。


問 EV車の購入補助を行っている市町もあるが当町では。また今年は軽EV車の発売も始まっているが、実際は半導体不足の問題で新車購入が難しい。新車購入のみに限定する補助金が多いが中古EV車に対し補助を考えられると普及が進みやすいように思うが。


総合政策課長 現状ではEV車両への町の補助は検討していない。


問 太陽光パネルについて福井県嶺北地域は最近の豪雪傾向により耐荷重の大きい太陽光パネルの設置が求められるようになり、より設置が困難になっている。北海道など積雪量の多い地域では太陽光を壁面に垂直設置できる架台も扱われているが、福井県の一般家庭では導入できない状況。壁面設置できる事業者の誘致や耐荷重量の大きいパネルの生産増強について県と協議する必要があると思うが、何か話し合われているところはあるのか。


総合政策課長 国と県の政策の問題であり現状協議はない。状況に応じ必要があるときについては、しっかり県とも協議したい。


問 災害対策としての再生可能工ネルギー導入について、防災拠点、避難所には発電設備が整えられているが、この中で再生可能エネルギー利用発電設備を導入しているものはどれくらいあるか。


防災安全課長 現在のところ、防災拠点等に太陽光発電等を活用した発電設備は導入していない。環境基本計画改定の中で、災害時における太陽光発電等の再生可能エネルギーを活用した発電設備の導入を検討したい。


問 バイオマスボイラーなどは該当しないのか。


防災安全課長 そこまでの発電はないと聞いている。


問 小中学校の太陽光パネルは。


防災安全課長 各小学校設置の太陽光パネルは教育的に太陽光パネルの仕組みなどの内容を行うもの。災害時の発電や電力の提供ではない。


問 永平寺口駅の急速充電設備は、停電が起きた場合にも充電が行える状態になっているものか。


防災安全課長 太陽光で蓄電しているため、残量があれば災害時でも充電することは可能であると聞いている。鍵の使用はえちぜん鉄道が管理。


問 大野市はニチコン、日産と協定を結び、電気自動車からの停電時の電力確保、蓄電池による停電時の電力確保、アウトドア活動を通じて避難所生活体験の事業を行われている。電気自動車から電気を取り出し、交流100ボルトに変換できる可搬型給電器など災害時の備えとして用意されておくと便利と思うが。


防災安全課長 町では、吉野堺のトヨタモビリティ株式会社福井支社と、避難所等における外部給電可能な車両からの電力供給ということで協定の締結を進めているところ。協定により、同社が保有する燃料電池自動車MIRAIとハイブリット車が、災害時に町が車両の提供を要請することで、避難所においても安定した電力の供給が可能となる。
可搬型の外部給電機の購入については、この災害協定及び町の電気自動車を購入することに併せ購入を検討していきたい。


町長 協定を結んだ時点で、また電気自動車を貸していただけるとか、インターチェンジから近い施設であるため、駐車場を応援に来た人の車両基地にするとか、いろいろ詰めている段階。しっかりと協定を結んだときには町民の皆さんに啓発をしたい。


問 電気自動車と住宅をつなぎ、給電放電を可能にするV2H充放電器は、経産省、環境省の補助金があり、また地方自治体でも独自で補助を行っている場合もある。地方自治体での補助金上限額は5万円から10万円のことが多い。EV車購入の補助要件には、災害時の給電協力が条件として盛り込まれている。このような補助要件参考にしながら、災害に強いまちづくりのために検討はいかがか。


住民税務課長 V2H充送電器については停電時の電力確保の手段の一つとして、また、電力の有効活用という観点も踏まえ、防災安全課、総合政策課と、必要性も含めて協議を行っていきたい。


問 ウイズコロナ時代では避難所の面積確保も難しい部分があり、自宅避難可能な方が増えれば、それだけ避難所運営もスムーズになっていくかと思う。自助努力していただける町民の皆さんにも少し支援を行うなどして、こういった形で検討を進めていっていただけるとありがたい。
日本と同様、地震国であるイタリアでは、避難所は大型のテントを使われていると聞く。隔離状態を保つことができ、プライベートも確保でき、テントに電気も通っていて、エアコンも使えるようなもの。
 コロナ下では、永平寺町の避難所も人数に対して面積が不足してくることと思う。大型のテントを備え、緑の村などにグランピング施設を設け、大野市のような電気自動車と充放電設備と組み合わせた災害体験など、活用できるような事業を行ってはどうか。


防災安全課長 日本では、誰もが知っていて、耐震化などが整っている近くの公共施設を活用した避難所開設が一般的。町でも、このような施設に蓄電池や発電機、パーティション、室内テント、簡易ベット等の災害用備品を計画的に整備し、衛生面を向上させるなどしながら避難所施設の充実を図っているところ。
 そのほか、昨年度は、はぁもにぃ永平寺、日本商運株式会社、株式会社ケアふくいと避難所としての協定を結ぶなど、民間施設を利用し避難所の数も増やしている。
 また、現在、町が推進している個別避難計画の作成により、避難所が指定されることで人との接触を抑えることができることもあると思う。


問 実際に緑の村のふれあいセンターも一応避難所ということで、車なども水害時など、上のグラウンドなどにも町民の皆さんの車を誘導したり、そういった場合には電気自動車の電気利用などもスムーズに動線を考えてやっていっていかれたりするといいのかなという意味では、グラウンド部分の災害時活用も想定に含まれることは、テントはないとしても大切かと思う。今後の検証もお願いしたい。
 また同じく、イタリアの避難所ではキッチンカーを使って調理を行っているとも聞く。コロナ支援として最近、飲食事業者に対しキッチンカー補助を行っている市町村が多い。災害時にも使用できるように、コロナの臨時交付金を活用して永平寺町でもキッチンカーを増やしておくといったような取組も災害時の備えになるのではないか。


防災安全課長 今のところ考えていない。避難所においては日赤奉仕団による炊き出しでの対応となっている。各自主防災組織連絡協議会ごとに災害時にスムーズな炊き出しが行われるよう、日赤奉仕団の方が炊き出し訓練を実施しているところ。
 ただ今後は、地元の飲食店の協力を依頼し、日赤奉仕団と一緒に避難所の設備を利用しながら避難所での食の提供を行っていただけるよう働きかけていきたい。


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通告していた質問は以上で、要約するとすげない回答が多いなあとふりかえりになります(笑)話しているときは余裕がなくてほぼ何言われているのか分かっていません。

EV車への町単独補助制度については検討されないというのは安価なEV車発売が見こされるためかなと思いますが(残念)、災害対応としてのV2Hの補助については検討を行うなど、やはりさすが防災に力を入れている町として、良い回答をしていただけたなと思います。また、具体的に町内における災害時の再生可能エネルギーの活用のイメージが持っていただけて共有できたのなら嬉しいなと思っています。

普段はもうちょっと深くお話もできたのですが、最近は1時間質問するのも体力的にしんどく、用意した原稿通りのやりとりに終始しました。

私としては手頃に入手できる中古EV車への補助が実質的に自立・分散型再生可能エネルギー設備の導入を進める鍵になると思ってるのですが(新車の購入は高額であったり、半導体不足で困難のため)、中古車購入に対するEV車への補助および中古車を使用しての充放電設備導入への補助はありません。このままではしばらく前に進まないだろうという思いもあるのでもう少しこだわりたいところでもあるのですが、こういう変わった提案が受け入れられることはおおむねないことはなんとなく分かっています(諦めなのかな)


最後に

以下は最後のまとめ(フリートークみたいなもの)なのですが、町長が真摯にご回答くださったので、繰り返しになる部分もありますが、議事録ほぼそのまま掲載します。


酒井 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症拡大から各国での都市封鎖、日本における緊急事態宣言の後辺りからガソリン代が上昇し始めまして、7月に熊本県の球磨川流域で豪雨災害が発生しました。その10月には日本政府によるカーボンニュートラル宣言がありまして、脱炭素政策を積極的温暖化対策、産業構造改革、経済成長につなげるという方針が示されました。
 物価上昇、燃料資源不足、自然災害による停電、これらから身を守っていくためには、自給自足できる再生可能エネルギーシステムを個人が自助努力で持つことが有効だと思い、私自身も実際、福井県でこういったことが導入が可能であるかどうか、やってみないと分からないなというところで、現実的にどんな課題があるのかを知りたくて、EV車と太陽光パネルを購入してみました。物価上昇に対しては、現在、日本政府も必要に応じて補助が行われているんですけれども、堆肥ですとか燃料ですとか補助が行われていますが、応急措置的なもので、この補助を継続していくと財政的疲弊を招くのみというものだと思います。
 物価上昇対策の基本としては、お金の価値が下がってしまう前に、お金を物に替えること。あるいは借金や株に替えることというふうに言われております。個人で再生可能エネルギーを持つということは、ガソリンや電気というエネルギーを前倒しで蓄えておくことができるという考え方ができると思います。
 実際、太陽光発電やEV車には逆に多くのリスクもありますので、福井県という豪雪地帯で本当にどれだけ使えるものなのか、災害時の補給電源として使うことが実際できるのか、問題なく設置できるのだろうかとか、手頃な価格で設置できないのだろうかとか、こういったところを検証してきて、今日の一般質問をさせていただきました。
 高度経済成長期など、テレビとか洗濯機などの三種の神器などの需要拡大、マイホーム、マイカー、こういった需要拡大で経済が大きく成長しまして、2000年代に入るとインターネット技術、PC、携帯端末などの需要喚起で経済が維持されました。リーマンショック後、観光立国とクールジャパンのブランディング戦略で世界に市場を拡大しようとして、そこでコロナが来て停滞してしまったという状況です。
 これからの時代は、こういった再生可能エネルギーの太陽光パネルやEV車を増やしていく。そこにITソフトや通信業界、EV車というのは車のスマホというふうに言われていますので、通信業界などもひもづいていって、自動走行社会も近づいていくというような展開になっていくと思います。
 こういった環境問題は、自然災害の問題でもあり、エネルギー問題でもあり、外交問題でもあり、経済成長の問題でもあるんですけれども、コロナとロシアの戦争によって、この均衡が一気に崩れ、どの面においても今日本にとって再生可能エネルギーを増やさなければならないというゴーサインが出ている状況だと思っております。その中で、福井県では実際の導入には少しハードルがあるということが自分の中での検証で判明したところです。
 これらの知見は永平寺町の皆さんにとって役立つものではないかと思い、今回の一般質問で共有させていただきました。永平寺町の未来のために、今後の参考にしていただけるとありがたいなと思います。
町長 取り巻く環境、例えば少子・高齢化であったり、誰も思いがけないコロナ、また、平和だなと思っていたのに戦争。そういった中で、温暖化というのは物すごく、ここに生活ができるかどうかという本当に大切な問題だと思っております。
 2050年までに、このままいくと何をしても2度上がる。今取りかからなければ世紀末には地球の温度が4度上がる。そうなりますと住むことができない中で、カーボンゼロ宣言とかいろいろな計画。実はみんながするからするのではなしに、これはしっかりと次の世代につなげていくための覚悟の宣言になると思います。
 こういった取組をすることによって、いろいろな負担は町民の皆さん、また地球のみんながしていかなければいけない。そういった中で、今までの常識にとらわれない新しい発想でこれを乗り切っていくということも大事だと思っております。
 そういった中で、カーボンゼロに向けては、永平寺町としてもしっかり取り組んでいかなければいけないのと、もう一つ、2度上昇するという中で、議員ご指摘のとおりいろいろな心配事であったりそういったこともあります。そういったこともしっかり想定しながら対応することと、新しい技術、新しいサービスとか技術、こういったものをどういうふうにこの永平寺町にふさうか、落とし込めるか。それはしっかり分析をして進めていくことも大事だなというふうに思っておりますので、これからそういった大きな視点。大きな視点といいますと、どうしても後回しにしがちになりますが、それをしっかりといろんな政策に落とし込んで進めていくことも大事だと思いますので、これからもしっかりそういった町になるよう進めていきますので、またよろしくお願いします。
酒井 ありがとうございます。永平寺町の子どもたちのために、災害に強いまちづくりのために、今年度の環境基本計画の改定が充実して進まれることを祈念しております。では、これにて私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。


議員を継続できていたら、その後環境基本計画改定の内容に言われていたことが盛り込まれているかなど全員協議会の行政報告や教育民生常任委員会、環境審議会、予算審議などで質問していくことができ、経過を見守っていくことができます。

この内容が重要なテーマとして常任委員会でみなさんにお認めいただけた場合には、事務事業評価の取り組みの中で月1の追跡確認も可能です。


町会議員というのはわりとやりがいのあるお仕事ということがご理解いただけましたら嬉しいなと思います。


そしてやっぱり、昨日今日の早すぎる暑すぎる危険な猛暑日を過ごしていると、電力需給ひっ迫問題については、できるだけ積極的かつ効果的な政策の展開をお願いしたいものです・・・・。

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