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振り返って。2年生が1人1台(Windows)を手にした5か月の記録⑨(最終)

 R2年度、前任校での2年生23人との1人1台端末黎明期を振り返りますと、「やってみる大切さ」、その一言に尽きると感じます。

1 背中で見せる。大人も子どもも学ぶ仲間

 前回書きましたように、「スケール」でどの程度賛成かを表明する同時編集で失敗したこともありました。しかし、それがあったから、今年度、Excelでの改善版を作ることで改善できました。それを、教職員数十人で試してみてから児童と授業で使うという手順を踏んでいたら、何日も、いえ、何週間も先延ばしになっていたのです。ある担任が試し、その結果を他の教員、本校本市はもちろんですが全国の教員に共有する方が、大局的に見れば効率的だと思うのです。

 そして何より、児童に「大人が、失敗しながらもチャレンジする姿」を見せることができます。「失敗していいのだ。」「試行錯誤して、子どもと大人が一緒になって作っていくって楽しい!」と感じてもらう良い機会、まさにヒドゥンカリキュラムだと思います。

2 自治的、自発的なルール・モラル形成

 また、一緒にルールを作る、また、モラルを形成する良い機会だとも思いました。例えばクラスのTeamで、「投稿」や「返信」に学習とは関係のない書き込みをしてしまった児童がいました。しかし、それを機会に、みんなが「こういうのはよくないと思う。」「こういう書き込みはしないことにしよう。」と話し合うことができました。教師が一方的に言うより心に響いたと思います。広い社会に出る前に(オンラインゲーム等でもう出ている子も多数いるが)、小さなクラスのSNSで経験するのは、情報モラル教室を受けるだけよりも価値があることだと感じました。

3 できなかったこと、したいこと

 隣のクラスでは、算数科で「身の周りで見つけた三角形を写真に撮り、投稿して共有する」という活動をしていました。私の学級では「投稿」をさせることはしていなかったので、今年度はぜひしたいと思います。例えば生活科の探検で発見したものの共有であれば1年生でもできます。文字入力が難しい低学年、文字を読むことすら難しい1年生、だからこそ文字以外の共有を活用したいと思います。
 教科や単元で「チャネル」を作ってそこに投稿するようにすれば、「一般」と区別できていいですね。

 また、体育の縄跳びや輪・棒遊びの単元で、端末で自分を撮影して改善点を見つける活動を、しようと思いながらしていなかったので、今年度は活用したいです。

 また、パワーポイントは、少し使ってみさせただけで子どもは飲み込んでいたので、低学年でも慣れ次第だと感じました。実際に隣のクラスはパワポで学習発表会の資料を共同編集し、発表しました。社会見学と町探検のクイズです。

 「手書き」でも「キーボード入力」でもどちらでもできる点や、共有もできるし非共有もできる点で、可能性はかなり大きいと感じています。下の実践が2年生でのものです。刺激を受けています。

 端末に保存すると、教師の端末からは見られないので、Teamの「ファイル」にファイルを作って共同編集させることや、

 クラスノートブックの個人のページに、調べ学習のポートフォリオとして記録させ、教師が教師の端末で進捗を確認したりコメントしたりしたいと思っています。1年生でもできるのでは?と感じています。

 さらには6年分の探究のポートフォリオとして蓄積して卒業時にデータを卒業アルバムと共に持ち帰る…そんな妄想もしています。

 先日、クラブ活動で「ビスケット」を使用した際に、ある子が最後に、自分の作品のある場所の名前と番号を「紙」にメモをしていたのです。無くなりそうな小さな紙の切れ端に。
 それを見て思いました。「端末を持ち帰るのが当たり前になれば、このまま持って帰って続きができる…。」「または、スクショを撮ってOneNoteか付箋アプリに貼り付けておけば、昼休みに続きができる。紙をなくす心配はない。」

 R2年度、前任校では「端末持ち帰り」は、5年生を除いて行われていませんでした。5年生は、コロナの影響で実施できなかった調理実習の代わりに、家で作った料理を写真に撮って提出する課題を行うために持ち帰りをしたのです。5年生以外でも持ち帰るという話は出ていたのですが、年度末の忙しさもあり、流してしまいました。
 R3年度、現在の勤務校では、冬休み、春休みに持ち帰りをしていたらしいので、その点では一歩先を行っています。今後は、長期休み以外でも持ち帰って活用することが普通になるようにしたいと思います。いろいろな問題を一つずつ乗り越えながら・・・

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