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勝手決算:ブシロード/兎に角木谷会長の舵取りが天才的。

ちょっとサボってましたが、面白そうな決算が出始めたので、またIRを見ていこうと思っています。

直近のIRの前に以下のニュースもすげぇなーと思いました。

SBI相手に50億円の資金調達をしたようで、そのほとんどをIP開発に突っ込むというものです。IP開発とかちょっと不動産開発のようでカッコいいですが、要はアニメ制作です。バンダイGも同じですが、如何に優秀なIPを抱えるかが課題の事業なので、コロナ禍ではありますが先行して資金調達したという感じですかね。IP事業特に制作のほうは兎に角キャッシュが先にドンドン出ていくので、これからガンガン潰れる制作会社を取得するのかもなーとも思いました。(アニメ作り始めてから放送始まるまで1円も入ってこないという地獄ビジネスであります)直近でも劇団飛行船(舞台化?)、マンガドア(電子漫画)、サンジゲン(制作)などなどドンドンMA/業務提携しています。コロナなのに攻めまくり。資金調達の方法も①新株予約権②公募増資③普通の社債、銀行借り入れとは違う、聞いたことのない「新株予約権付社債」というものでした。調達コストと調達したいキャッシュの量などから判断したようです。2クールアニメの制作が●億円(秘密)くらいなので、50億円が如何に大きな調達かわかります。


さて、決算です。

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まず1月末にすでに運転資金の確保で借入始めているのめちゃくちゃ早くないですか?初めて日本で感染確認されたのが1月16日なので、「ただの風邪論」とかビュービューだった頃です。そこからテレワークへの移行、80億の借り入れ、IPの無料開放、カードゲーム専門店へのキャッシュバック支援まではっきり言って「天才的」な対応なんじゃないかなと思います。リーマン社長にはできないスピード感。


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当たり前ですが、ライブ関連はすべてNG。でもデジタルシフトしている配信は好調。ファンがついている証拠ですね。

新日はイベント開催中止。興行は野球もそうですが、「現金商売」の為、壊滅的なCFなんじゃないかと思います。タカラトミーから行った社長も大丈夫かな。SNSでの発信具合を見ると対応は早そうです。


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IPを如何に多角的に展開できるかのスライドです。

TCGという当たられば日銀(お金をするように儲かる)のようなビジネスと、MD部門、MOG(アプリゲー)、メディア(配信系)までIP業界のサイバーAGくらい多角的です。どれもコロナでそれなりに影響あります。


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そして6月に代表権のあるポジションに木谷さんがカムバックし、戦時下に備えるという感じです。


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IPビジネスで一番恐れることである「ファンとの距離」を少しでもキープしようとTCG事業のオンライン化、主力IP(バンドリ)などを中心にオンラインでの接点強化、継続維持を行っています。兎に角、自分が好きなIPは死んでいない(オンライン上でもアクティブ)という感覚がファンマーケには大切なんですね。

詳しくはこの本がおすすめです。ちょうど、ブシロードの執行役員の方が書いてます。ちょっと読み応えあるけど、最近ではナンバーワン。


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数字のサマリーは上記です。さすがにコロナ影響免れない感じですが、顧客に価値を認めてもらっている証である「売り上げ」(カード1枚、デジタル課金の総和)は▲5%くらいで着地しているのは圧巻です。


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PLのサマリーです。宣伝費をコントロールすれば黒字にすることもできたよ、という感じでしょうか。単年度の黒字化よりも、ファンマーケティングにおける「ファンとの距離感」を大切にしたのかなと思いました。


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過去推移です。

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稼ぎ出す利益ではなく、売上の推移ですが、ブシロードのイメージであるTCGはすでに1/3くらいなんですね。モバイルゲームがバンダイGのように中核になってきているのがわかります。(ピンク)直接の収益源じゃないと覆いますが、メディア部門のYTチャンネルとかはファンが過去映像にも触るので、今後安定的な数字を稼ぎ出す幹になっていくような気もします。やりようによっては。


ブシロードに注目したのは、木谷会長のTwitterが始まりです。

こんな対応できる企業のトップいますか?

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ユーザーからの改善要求もTW上で即レスして「対応します/検討します」。これはファンが着々と育っていくわけです。

今後の決算もしっかり見ていこうと思います。

最後までありがとうございます。

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