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勝手決算:電通FY2020

ビルを売るだなんだで、騒ぎになってましたが、売らざるを得ない感じなのかもしれないなーと、見ていて思いました。これは結構な問題なのかもなとも思います。ただ、部分部分で強い覚悟も感じるので、そのあたりは流石だなと思いますし、このままなし崩し的になることはないと信じています。

さて、ハイライトから

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「調整後営業利益」では1200億ちかい高収益だった感じがありますが、いろんなものが「調整」されている怖さがあり・・・その内訳を探したところ、以下になってました。

※多分ですが、イレギュラー要因のマイナス要素だから、恒常的にないから、一旦外して決算は見てみるよ!ということなんでしょうけど、まあよくある話なので、それはそれです。

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減損と構造改革費用で2300億円もマイナスなんですが、そこは調整して、調整後営業利益として1200億円の+です。という。それも19年比でいうと、すこし低下してしまっているという。結構厳しい現実はありそうで、構造改革が終わって、MAの暖簾とかが落ち着けば、そしてアフターコロナで世が盛り上がれば、という感じでしょうか。


エリア別でもMAの結果で海外に羽をのばしたのがたしか4-5年前?からですが、

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APAC(アジア太平洋)エリアは兎に角調子悪く、大型買収したイギリス含む欧州はまだ少しマシなのかもですが、これが電通単体の実力ではないので、すこし参考程度で。

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これなんかも結構厳しい数字で、オーガニックの成長率はマイナス10%台。FY2019→で1000億近い減少です。

あと、やはり図体が本当に大きい会社だなと思うのは、構造改革に伴うコスト削減効果が年500億円もあるようで、、これは20年の営業CFと同じレベルという…。

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安倍政権よろしく?心配している株主様に対して見放さないで!と言わんばかりに配当増を予定しているようで、3000億円ともいわれた本社売却のお金は株主様に消えていくのかもしれません。↓

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あと普通に気になるのが、600億円のキャッシュを営業活動で稼ぎだしているわけですが、配当に300億円くらいあてているのと、有利子負債が1500億円増えている件です。コロナの初期に借り入れによってお金を集めていたわけですが、体が大きいので運転資本も大きくなるということでしょうね。それは個人事業主の制度もやるし、本店も売却しないといけなくなるわけだなと思いました。


肝心の競争力(今後)ですが、

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この辺りがコロナでさらに求められるようになったということで、電通自体のDXを加速させないといけないわけですが、構造改革をがんばることで実施していこうとしています。(経費とかでわんさか接待する時代はもう自腹でもきついわけです涙)


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余計なものを売り、余計な組織をつぶし、株主に返すので、見捨てないで!という悲痛な叫びにも聞こえます。simplificationというコトバがどこかさみしいです。でもこれも時代です。それにキチンと向き合って、変わろうとする意志は感じます。偉い。

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もう、ほとんどこの話なわけで、如何に事業を変革するか。です。マジです。

コロナだから業績悪いっす。ではなく、求められるものが変わって、大きな体でどう変わるか。これです。

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顧客のトップラインを拡大させるためなら、広告をビヨンドしていくよ。と。コンサルと競合しながら事業戦略の部分を攻めたり、電通国際情報サービス?(よく知らない)とSI領域攻めたりするよ、と記載ありました。

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2020→??に事業構造を変革させるために人材再配置を行うよとありますが、既存の人材で対応できないと思うので、MAしたり、アライアンス組んだりするんだろうなという感じです。明確に「いつまで」がないあたりは、迷いながらも前進させようとしている表れなのでしょうか。株主許すのかな。

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OPENHOUSEは異常なまでに明確だったビジョンもまさかの2023以降未定という荒業…。離れ業。それだけ不透明な社内外環境なわけですね。


最後にサイバーに抜かれただ、なんだありましたが、電通のデジタル比率は53%…え?そんなあるかな・・・と思ったけれど、

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国内ベースだと13%ほどで、実感値と合致。おそらくグローバルのMAしまくったエリアの数値をいれての50%越えという感じですかね。

・より鮮明なデジタルシフト。

・領域拡大(より事業に近い方へ)※MAも質を求めるはず

・(多分)大きな体を少し小さ目に。

あたりが行われていくのかなと。


仕事は作るもんだ、みたいな社是が昔ありましたが、あれは大変好きで、巻き込まれるやつより巻き込んでいく能力が高い集団だと思うので、期待してみてみます。

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