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カウンセリングの効果と、継続して受けるメリット

心理カウンセリングは1回だけ受けるよりも、複数回受たほうが効果を感じやすいと考えられています。もちろん1回受けた段階で、不安が軽減されたり、次の行動が決まったりする方もいらっしゃいますが、基本的には複数回受けることを前提としたものなのです。

そこで今回は、複数回受けることが推奨される理由と、カウンセリングの段階についてご紹介します。カウンセリングを受ける時に、ご参考になれば幸いです。

▼カウンセラーの選び方や事前準備等、カウンセリングを予約するまでの流れはこちら。

▼cotreeのカウンセリングを初めて受ける時の進め方はこちらで扱っています。

カウンセリングは、複数回受けることが前提

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カウンセリングでは、いわゆる「アドバイス」はあまりされません。自分で気づき、自発的に変化することが目的だからです。

課題や今感じていることについて話し、カウンセラーに受け止めてもらい、フィードバック等を聞くことで、少しずつ自分のことを深掘り、理解します。

だから1回のカウンセリングで解決策まで全て話しきることは珍しく、複数回のカウンセリングの中で徐々に自身の課題を捉えていき、カウンセラーと話をする中で、課題の解消へ向けての方針や方法を見つけることができるのです。

なぜ「複数回の利用」が推奨されるのか

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カウンセリングは複数回受けることで効果を感じやすくなると考えられています。実際、カウンセリングを受けて考え方や行動に変化があった方の多くは、ある程度の回数を受けていらっしゃる方が多いというデータもあります。

では、複数回受けると具体的にどんなメリットがあるのでしょう。人によって異なる部分はありますが、今回は4つのメリットをご紹介します。

■カウンセラーとの信頼関係が築ける

カウンセリングを継続して受けることで、カウンセラーとの信頼関係を築きやすくなります。「この人になら、自分の深い部分の話をしても大丈夫だな」と思えたら、話をしやすくなるし、目の前の課題に対して取り組みやすくなりますよね。

■自分の考え方や経験を、詳しく共有できる

自分の話をじっくりでき、カウンセラーに細かく共有できることも、カウンセリングを継続するメリットの一つです。

カウンセリングという場では、根本にはどんな感情や体験があるのか等、今抱えている課題について丁寧に解きほぐしていきます。何を大切にしたいのか、何に困っているのか、自分の考え方や経験について詳しく話すことで、より自分に合った解決策を考えやすくなります

■行動を起こした結果を一緒に振り返れる

カウンセリングでは、課題を整理して行動を計画するだけでなく、行動をとった結果を一緒に振り返ることもできます。

一人だと行動を取ることが億劫になったり、いざやってみたら望ましい結果が得られなかったりするかもしれません。カウンセラーと相談しながら取り組むことで、より行動を起こしやすくなり、課題の解決策を継続的に考えられます

■少しずつ段階を重ねて改善を目指せる

重大な課題がある時や苦しい状況にある時、目指すゴールが遠く感じる方も多いのではないでしょうか。カウンセリングでは、大きな目標を小さな目標に分解し、小さな行動を積み重ねることができるので、大きな目標も達成しやすくなります

カウンセリングの効果

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カウンセリングには具体的にどんな効果があるのでしょうか。人によって異なりますが、ここでは3つをご紹介します。

■自己理解が進み、気づきを得ることができる

過去の経験や自分の感情に向き合うことで、自己理解を深めることができます。また、心理の専門家からの客観的な分析により違う角度から自分を見ることができ、これまでは知らなかった自分の性質に気づけるかもしれません。

■理解者がいることで安心感を得られる

カウンセラーは心理の専門家であり、あなたの理解者でもあります。

また、誰にも言えなかった悩みや深い悲しみを言葉にして、受容してもらうことで、気持ちが楽になったり、安心できたりするのではないでしょうか。

■行動の変容につながる

精神的な支えを得て課題を整理することで、問題への解決行動を取りやすくなります。継続的にカウンセリングを受けることで、対症療法的に対策を考えるだけではなく、自分の性質に合ったやり方を考えられます

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カウンセリングの4つの段階

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カウンセリングを複数回受けると、だんだんと感情や話す内容に変化がうまれてくると思います。

最初はカウンセラーとの相性を確かめ、「カウンセリングがどういうものなのか」を感じていくのに対し、3回目くらいからは自分のペースがつかめてくる。そして5回目以降にはだんだん新しい気付きが得られ、考え方や行動に変化が起きるようになってきます。

カウンセリングはどういう段階を踏むものなのか、4つのステップに分けてご紹介します。

1.相談について整理しながら信頼関係を築く(目安:初回~2回目)

カウンセリングを初めて受ける方の中には、悩みを話すことに抵抗感がある方や、そもそも何を相談したいのかがまとめられない方もいらっしゃるかと思います。まずはカウンセラーと一緒に、困っていることやカウンセリングを受ける目的について整理し、相談する準備を整えましょう

カウンセラー:
初めまして。カウンセラーの〇〇です。
今お悩みのことについて、お話を伺い一緒に考えながらサポートしていきたいと思っています。よろしくお願いしますね。

クライアント(あなた):
よろしくお願いします。
職場での人間関係について悩んでいます。チームの中で意見がまったく言えず、特に最近新しい部署に配属されたんですが……。

話がまとまらなくても大丈夫です。何に困っているのか、どうしたいのか、少しずつ整頓していきましょう。

また、守秘義務などカウンセリングの約束事について説明されることもあります。「カウンセリングの受け方に迷っている」「何から話せばいいか分からない」等、何か疑問点がある場合には、カウンセラーに確認をしながら進めることも可能です。

2.悩みの背景や根本的な要因について掘り下げる(目安:3~5回目)

目的が整理できて「このカウンセラーなら話して大丈夫かな」と感じられたら、相談内容について深掘りしていきます。

カウンセラー:
環境の変化もあって、自分が本来やりたいと思っていることができず、焦りを感じていらっしゃるのですね。
職場での関わり方において、どんな状態になったら理想だと思いますか?
その状態に近づくためにはどんなことができそうか、一緒に考えられればと思っております。

クライアント:
そうですね、多少妥協する部分はあっても、やっぱり仕事なので、伝えるべき部分は伝えられるようになりたいなと思っています。例えば同僚とのやりとりだと……。

・具体的にはどんなシーンで困るのか?
・理想的な状態はどんな状態?
・いつ頃から課題を意識しはじめた?

モヤモヤを吐き出したり、カウンセラーとのやりとりをしたりする中で、少しずつ気づきを得られるかと思います。複数の課題がある場合には、優先順位をつけながら、一つずつ話を進めていきましょう。

3.具体的な目標を立てて行動してみる(目安:5~10回目)

悩みの深掘りができたら、少しずつ改善に向けて動き始めます。実際に行動をしてみて、振り返りをおこないながら、好ましい状況へと向かっていきます。

カウンセラー:
大変なご経験をなさっていることをお伝えくださって、ありがとうございます。
お話しいただいたことに対して、どういうふうに向き合っていきたいと考えていらっしゃいますか?

クライエント:
いきなり積極的に発言するのは難しいけど、まずは上司との定期面談があるので、その場でアドバイスを求めようかなと思っています。あとはテキストだと落ち着いて考えられるので、メモ書き程度でもしてから話すと、話し始めてから焦りすぎちゃうことは減らせるのかなと。

カウンセラー:
いいですね。少しずつ取り組んでみて、もし振り返り等ご要望でしたらまたいつでもお声がけくださいね。

4.悩みが十分に解決できたら終結へ

十分に課題が解決できたと思った時や、カウンセリングの中で雑談をする機会が増えた時には、一度カウンセリングを終了することも可能です。カウンセラーと相談しながら、終結に向かいます

クライアント:
ありがとうございました。職場でもだいぶ自分の考えたことを発言し、実行できるようになってきました。

カウンセラー:
お話いただいたことでよい進展があったようで、よかったです。
職場でのお話しを中心に進めてまいりましたが、ご家族等、他の場所、関係で焦りを感じられることはあるでしょうか。
またお困りの際には、いつでもお待ちしております。

定期的なカウンセリングを終わりにしてからも、何か相談したいことがあればまた受けることが可能です。三ヶ月から半年に1回くらいのペースで、定期健診のようにカウンセリングを受ける方もいらっしゃいます。

特に長くカウンセリングを受けていた方や、心の調子に波のある方は、ストレスを抱え込みすぎないよう、カウンセラーと話しながら進められるとよいでしょう。

■カウンセリングの進め方は人それぞれ

今回は4つのステップに分けてご紹介しました。あくまで目安なので、はやい段階で行動に移す方もいれば、丁寧に自らの心と向き合う方もいらっしゃいます。

カウンセリングで扱いたいテーマが変わることもあるでしょう。認識にズレがあると感じたり、進め方に疑問をもったりしたら、その都度カウンセラーと話し合い、修正しながら進めていけるとよいですね。

日々のケアの一つとして、カウンセリングを

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今回は、カウンセリングを複数回受けるメリットと効果、4つの段階についてご紹介しました。カウンセリングが、悩みの解消や生活しやすさの向上につながれば幸いです。

cotreeでは、1回あたりの料金が割引される複数回プランもご用意しています。複数回受ける方には最適なプランとなっていますので、ぜひご利用ください。

パック24

カウンセリングを予約するページで購入するポイント数を選択できますので、パックをご希望の方は「2回分」「4回分」をお選びください。

定期的に利用する方、必要になったタイミングで都度予約する方、もしもの時のお守りとして覚えておく方など、カウンセリングの受け方は人によってさまざまです。予約は1回からできますので、ご自身に合った方法で、カウンセリングを検討していただければ幸いです

▼予約はこちら

監修:cotree研究所

■参考文献
諸富祥彦(2014)『新しいカウンセリングの技法:カウンセリングのプロセスと具体的な進め方』誠信書房
ミック・クーパー(2012)『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究:クライアントにとって何が最も役に立つのか 』岩崎学術出版社
Timulak, Ladislav.(2007)”Identifying core categories of client-identified impact of helpful events in psychotherapy: A qualitative meta-analysis” Psychotherapy Research,17(3), 310 - 320.
De Smet, M. M., Meganck, R., Truijens, F., De Geest, R., Cornelis, S., Norman, U. A., & Desmet, M. (2020) "Change processes underlying "good outcome": A qualitative study on recovered and improved patients' experiences in psychotherapy for major depression" Psychotherapy Research,30,948–964.
Evans-Jones, C., Peters, E., & Barker, C. (2009) "The therapeutic relationship in CBT forpsychosis: Client, therapist and therapy factors" Behavioral and Cognitive Psychotherapy, 37(05), 527–540.
Lambert, M. J., Hansen, N. B., & Finch, A. E. (2001) "Patient-focused research: Using patient outcome data to enhance treatment effects" Journal of Consulting and Clinical Psychology, 69(2), 159–172.



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