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キモノに絵を描く

最初にお断りしておきますが、無茶をやっております。
ちゃんとした筒描きだの友禅だのというものではなく、仕立て上がってるキモノにアクリル画を描いちまおうっていう。なので、もし真似したい方いらしたらどうぞ自己責任でお願いいたします。大事なキモノには絶対やめてね。お手入れに出せなくなるから。

用意するもの
紬の羽織一枚 染料 お酢 染め物専用の大鍋 トング 菜箸 ペットシーツ1パック アクリル絵の具 ジェッソ
ペットシーツを畳1畳分ほどの広さに、お風呂場やベランダなどに広げておく。

材料の羽織はこのところはまっている、リサイクルの男物羽織です。
昭和のメンズは小さかったんですねえ。裄64とかですよ。私も小柄ですが、着るとちょうどいいのです。それで何枚も買ってコートみたいに着ています。今回のは当然リメイクコーナーです。初めての暴挙なので、その中でもちょっとヤケちゃってるようなのを買って来ました。き、君だったらいいよね?
女物でももちろんいいですが、縮緬とお召しは絶対やめてください。紬か銘仙のような平織りでないと、水が当たったとこが半分に縮んでしまいます。

ヤケてますからね。羽織を丸ごと、いきなり大鍋で煮染。自家製丸染めです。悉皆屋の社長が見たら卒倒しそう。ヤケやシミのないものならこの工程は省いて構いません。みやこ染のコールダイホット・ネイビー。絹はよく染まります。菜箸でつつきながら10分で充分、ほとんど黒のように染まりました。羽裏の柄も完全に見えなくなります。水洗いしたあと脱水はしません。重いので、これをハンガーなんかに干すと自重で破れたりしますので、先に広げておいたペットシーツの上にそーっと広げます。シワとかは気にしないでいいです。時々ひっくり返し、だんだん形を整えながら三日ほど干します。最後はハンガーで干せます。
縫い糸が少し縮んで布が寄りましたが、着用に支障があるほどではありませんでした。よかった。

さて。
仕立て上がってるまま描くので、絵の具がしみないように、羽織の中にゴミ袋を挟み、その下にダンボールか板を入れて描きやすくします。羽裏にシミちゃったら諦めましょう。今回はなんとか羽裏にはしみずに描けました。

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肩の位置などを考えて絵の位置を決め、グレー系の色鉛筆でアタリをとります。

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なるべく薄めないジェッソを布の上に乗せるイメージで下塗り。しっかり乾かします。

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盛り上がったりしないように気をつけつつ二度塗り。しっかり乾かします。

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ジェッソの上に色鉛筆で線画のアタリをとります。色鉛筆は、跡が残るようなら後で消しゴム!をかける。

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あとは好みで塗る。しっかり乾かしながら進めます。下地からはみ出さないように。

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ネイビーで染めたので、ネイビーでラインを取ることにしました。
あとは行き当たりばったりで柄付け。細かいことは気にしない。しっかり乾かします。

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完成。

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…着てみたら思ったより地味だったよ。普通に着られますよ。市販品みたいに見えると妹に言われ。
自分ではかなりラフに描いたつもりだったのになあ〜。次はもっと楽に描いてみよう。これにもう少し絵を足してもいいし。
乾かす時間入れて半日くらいでゆっくりやりました。

月兎耳庵

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