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キモノ・浴衣 仕立てるお店を探す

自分はサイズ的に仕立て上りを買えないので仕立てたい、でもどの呉服屋に行ったらいいのかわからない。
と言うお客さんがいました。これは本当に困ったことです。

今は何か仕立てたいと思ったら、リサーチが必要です。まずネットショップで色々見て、ほしいものの大体の値段とお仕立て代を知り、それで予算を考えて、最初に予算を伝えて見せてもらうのが確実です。盆踊りに着る浴衣を仕立てたいそうですが、ネットショップで好みのものを多く扱っている店があったら、その実店舗に行くといいのではないでしょうか。竺仙の本店もすごく楽しそうです。
そのお客さんは「近所のモールにチェーンの呉服屋があるけど、のぞいたら店員さんがみんなスーツで、着物に詳しい人がいないのではと思えてやめた」とおっしゃってましたが、その感覚は正しいと思います。

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昭和の中ごろまでなら親が買ってる呉服屋があって、何か欲しい時はそこに頼めばよかったのです。そこそこの家なら付き合いのある呉服店があり、そこが客の家族構成や経済レベル、以前に購入したものや好みまで把握していて、無理なく実用的なものをセレクトして持って来てくれました。あとはたまに百貨店(元呉服屋が多い)に出かけて好みの反物を買ったり、そこの丁稚が持ってくる反物を買ったりしていたのです。
そういった付き合いが途切れ、店も廃業したりで繋がりがない。だから新たに信用できる良い店を一から探さなくてはならなくなりました。しかしこれは難しい。街中の静かな呉服屋はどんなところかわからないし、チェーン店は悪い噂が飛び交って怖い。着物雑誌を見れば超高級店が載っていますが、いきなりそんなとこには行けないですよね。

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気軽に行けそう、信用できるな、と思うお店。
自分がそう思う基準がいくつかあります。

●値付がはっきりしていて、いきなり値引きしない
高いと言ったらいきなり半額になるキモノ。そんなことされたらアウトです。元の値段はなんなの??二重価格じゃないの??

●浴衣・木綿・小紋など、比較的安価な価格帯のものの反物をたくさん扱っている
デザイナーズブランドのキモノ屋さんは仕立て上りが基本のことがありますが、そうでないのに仕立て上り品中心の店は、店員に仕立ての知識がない場合があります。もし仕立てを注文されたら外部に丸投げなのでそのぶん無責任になりますし価格も上乗せされます。袖丈を好みの長さにしてもらおうと思ったら外国仕立てなので画一サイズ以外できないと断る店があったそうで、そんなことでは仕立て代の価値がありません。どこ仕立てでも袖の長さは変えられます。多分その店は自分で縫製工場を持ってなくて、どこかに投げてるので細かいことができないのでしょう。

●ポリの洗えるキモノを仕立てから頼める
高級ポリは絹物と見た目や着心地が遜色ないものも多くなってきました。ポリの白生地にプリントではなくちゃんとした染めをするものもあります。
ポリキモノは実用品が多く、価格も廉価なので、メイン商品にそれがある店は庶民的と言えます。

●店主がキモノ好き、好みがはっきりある
店主がキモノ好きでなくてどうするの!と思いますが、愛がなかったら金額しか見ません。
ブログなどで好きなキモノを語ったり、自分の好きな織物を探してきて紹介するような店主がいるところはいいですね。

●客の目的外のものを勧めたりしない 
腰紐を買いに行ったらほしいとも言わないのに袋帯を押し売りされそうになった、なんて話がネットにはたくさん流れています。そんなことされるんなら行きたくないわと私も思います。
逆に言えば、どんな店か見極めるために、腰紐を買いに行くのはいい方法かもしれません。

浴衣はネットショップで仕立て代込みということも多いです。仕立ては必ず見積もりを取ります。ちゃんとした店なら、客が見積もりにOK出さないうちは仕立て始めたりしません。
浴衣は梅雨の頃には仕立てが混んで、すぐできないことも多いので、新作の出揃う春先か、秋のセールを来年向けに狙うなど、余裕を見て買いましょう。

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