3. 村の歴史にふれたこと
コーガ石(抗火石)
村の歴史にふれる上で必ず通るのがコーガ石についてです。別名「黒雲母流紋岩」。これは世界的に見ても新島村とイタリアでしか採れないといわれているらしく、強くて丈夫なのに加工しやすいという特徴をもっています。渋谷駅にある「モヤイ像」、あれは新島で造られたものなんですって。
コーガ石の石彫体験をさせてくださる「スタジオなかにわ」にてどれだけ加工しやすいのかも体験させていただいてきました。彫刻家の桐島甲宇さんが楽しく丁寧に教えてくださいます。本当にのこぎりでさくさく切れて石どうしで擦り合わせて表面を削ることもできました。
コーガ石がつくる景色
村内を歩いていると点在している現存するコーガ石の家屋。ブロック塀とは違う、やさしい色合いというかあたたかさを感じます。
今の建築法では新しくコーガ石で建てることはできないのでこのままこの景色が残っていってほしいと願います。
モヤイの精神
新島村にはモヤイ像があちこちに置かれています。どうやら昭和40年代の離島ブームをきっかけにコーガ石を使った村おこしの一環として大後友市氏による「強烈なシンボルを作ろう」という提案のもと生まれたもののようです。そして「モヤイ」という言葉には「力を合わせる」という意味合いもありそこから「モヤイ像」と名付けられたとのこと。プロの彫刻家だけでなく観光客らにも造られたようです。
新島ガラス
コーガ石が採れる土地だからこそできた産物が新島ガラスです。コーガ石の砕石はガラスの原料にもなり、それを使って新島ガラスが作られています。緑色の輝きがとてもきれいです。ガラスアートミュージアムでは新島ガラスの作品を鑑賞でき、隣接のガラスアートセンターでは予約をすると制作体験もできます。私が行ったときは休館していて入ることはできませんでしたが村内のお土産屋さんで作品を買うことができました。
くさや
新島の特産品の一つに「くさや」もあります。テレビでの罰ゲームなどでしか見たことないし実物も見たことなかったですが買って食べてみました。部屋で焼くと匂いが充満すると聞いたのでそのまま食べられるタイプのものを。
「あーこういう臭さか」みたいな感じです。「うわっ!」っていう感じではない。噛むほどに味が染み出てくるというようなおいしさがあります。お酒が飲みたくなるような、ほどよい塩気と魚の旨味をもっている食べ物です。
博物館で学んできたものですが、くさやにも歴史があります。
塩が貴重なものとされていた江戸時代に塩作りが盛んな新島は幕府に塩を厳しく管理されていたそうで、塩漬けにすることで魚を日持ちさせて出荷していたことができなくなってしまった。桶に海水を溜めてそこに開いたムロアジを漬けていくことにしていったなかで、その漬け汁に魚のこぼれた身や旨味が残っていったことに気づいた。それが発酵していったものが「くさや汁」。塩水を代々継ぎ足して作られています。ムロアジの漁のために棒受け網漁が盛んになっていったそうです。
歴史のことを書こうとしたら万遍なく新島村の特産紹介みたいになってしまった。
次回は農家さんとのふれあいについて書いていこうと思ってます。
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