雨と傘と2歳児

梅雨に入りましたね。雨が降ると、いつも思い出します。娘が2歳の頃の思い出です。

2歳の発達と合わせて見ていきますね。


1.   2歳児との雨の日の思い出
2.   2歳児の発達「象徴機能」
3.   イヤイヤに困ったら

1.   2歳児との雨の日の思い出

その日はとても良いお天気でした。娘は靴箱の前で何か言いたげに佇んでいました。そしてちょっとイライラしたみたいな様子で靴箱をあけようとします。

私は靴箱を開けてみました。すると長靴を出してきたのです。「あれ?雨降ってないのになぁ。」

ふと大人の「常識」で考えてしまいます。しかしここは面白そうだから、長靴、履かせてみよう!と思いそのままにしていると、今度は傘を取ると言い出しました。

「はっはーん。雨の日スタイルで行くんだな」

そう思い、傘を持たせました。「ママ!お外」と言って娘はご機嫌に傘を指して歩き出しました。とてもよく晴れた日の出来事でした。

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2歳位のお子さんには「あるある」の風景だと思います。たまたま心に余裕のある日だった私は、特にそれをやめさせる事もなく、娘の行動を面白く眺めていました。それから何度となく、娘は雨の日スタイルを好んでするようになりました。こんな風に、[今は晴れているけど傘をさして歩きたい]と子どもがちょっとしたこだわりを発揮する時、大人はこう思ってしまいます。

「それ、今じゃないでしょー!」

こう思った時に、どうぞ拍手喝采をあげましょう。私たち親子に拍手喝采です!!成長に拍手ーー!パチパチパチパチ!

2.   2歳児の発達

今ここにないものを想像して遊ぶ「みたて」「つもり」遊びが盛んになる頃です。発達心理学では[表象機能.象徴機能]と言います。

目の前にないものを他のもので代用して遊ぶ。

積み木を電車に[みたてて]遊ぶようになる、あの行為です。目の前にあるのは積み木だけど、これは電車ってことでヨロシク!と、こどもたちは納得して遊びます。この象徴機能が育つには「マネする力」がとても大切になります。

マネっこには2種類あります

○目の前のものを真似する→直接マネする→直接模倣


○見たものや経験した事を少し時間が経ってから、マネっ子する→タイムラグのある模倣→延滞模倣(えんたいもほう)

この2つのマネっこをしながら子供はイメージする力を育むのです。娘が傘を取り出して長靴を履いて歩き出した時「もしや、これはあの日の雨の日のお散歩が楽しかったのかな?」とふとよみがえりました。つまり、物は直接的な傘と長靴だけど、これは[延滞模倣][再現]の一種だな。と直感しました。

こうして真似をして、記憶を頭の中に置きながらイメージを膨らませる遊びを繰り返し、想像力を豊かに育んで行きます。

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雨の音

雨の匂い

雨の装い

生まれてたった2年の子どもにとって、雨という現象は、何度出会えた場面なのでしょうか。そしてその雨の中で不思議な感触の長靴。地面をふみしめるとピシャピシャとしぶきが上がり、それはまるでメロディーのよう。

傘に当たる雨音と重なり合って心地よくリズミカルにハーモニーを奏でるのです。お母さんが隣で歌っています。

アメアメフレフレカアサンガ♪ピチピチチャプチャプランランラン。

心地良い雨の日のお散歩。この心地よい思い出のワンシーン。その体験こそが子ども達を成長に導くのですね。

雨の日の思い出はありますか??

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2歳児の発達を

私はよくこの詩にして紹介しています

きいろちゃんのかさ


「ママおそと」

かさをさしたらお外にでよう

ママのかさは、わたしのより大きい

たのしいね

うれしいね

きいろいお花はなんて名前?

お水のかたまりなんて名前?

雨がぽつぽつ つめたいな

お顔に、足に、手に、目に、耳に、髪の毛に。

もっと、もっと、遊びたい

次の日晴れても

きっときいろちゃんは

かさをさす。

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この詩についての詳しい話はまた今度。

3.  イヤイヤに困ったら

とは言え、2歳と言えばイヤイヤ期。かわいい反面、保護者は疲れてしまいます。特に時間のない時はうんざりしますね。私も2人の育児で激しいイヤイヤを経験したのでとても良く理解できます。「ママがイヤやわーー!」と何度心で叫んだか。

この頃のこどもたちは[選び取る世界]を知ります。今までは提供された一方向の世界の中で生きていたのが、[自分で見比べて選ぶ]という世界に気がついたのです。

お母さんの選ぶモノは素敵だけど、ボクはコッチが良いんだ!まるでお母さんと反対を「あえての選択」にしているかのように親の意向とは逆をいくのですよね。

ボクの望みはきっと[お母さん。ボクのイヤイヤもイイよと言ってね]なのかな?

二語文でお話しする2歳さん。まだまだ[イヤ]の内容をうまく表現できません。そんなボクのかわりに、お母さんがそのココロを想像して言葉にしてみてください。

「靴は履きたくなかったよね。長靴がよかったよね」

そしてまたそっと選択肢を提示して「どっちにする?」と声をかけて[自分で選び取る]行動をさせてあげるのも良いですね。

そしてひとつ先の楽しみを伝えてあげてください。「お靴履いたらブランコだね」

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雨の日に思い出す2歳の思い出話でした。

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