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日本語教育能力検定試験応援月間!記述式問題のコツ

日本語教育能力検定試験の試験Ⅲの最後に出題される記述式問題はいわゆる小論文です。

問いに対する解答を原稿用紙に400字程度、手書きで書きます。試験Ⅲの100点満点のうち、20点の配点です。なかなか大きいですね、でも採点基準はよくわかりません。よくわからないものに立ち向かうって嫌ですよね〜。

問題集にある記述式問題の解答を見ると「こんなの書けないっす!」と戸惑います。問題集の解答はあくまで模範解答。問題集を作成した専門家がたっぷり時間をかけて書いたものです。そんなものをサクッと書けるわけがありません。

記述問題にかけられる時間はせいぜい20分。この時間、無駄なく有効に使いたいですね。これまでインプットした知識を最大限にアウトプットする方法を再確認していきましょう。(これ、留学生の小論文指導にも使えますよ〜!)

1. 「型」にそって書く!

論理的に素早く文章を書くにはどうすればいいか。答えはズバリ「型」に沿って書くことです。

『基礎がしっかり出来ていて、そのうえで型やしがらみを打ち破ることが型破り、基礎も何にもできていないのに、あれこれとやることを形無しと言うんだよ』かつて歌舞伎役者・18代中村勘三郎さんがラジオで話していたのは有名なお話。

この「型」は小論文においても同じです。「形無し」だと採点対象にならないし、「型破り」は難易度が高すぎる!

記述問題にあてる時間について記載はありませんが、他にも問題があるので20分程度で仕上げたいです。時間が短いなかで書くのなら、書くことに慣れていないのなら、まずは「型」にバッチリあてはめて書くことをお勧めします。

それから、、、いきなり原稿用紙に向かったら、ほぼ失敗します。ということで、「型」にあてはめて書く前にしておきたい準備が内容メモの作成です。

400字の中でどう議論を展開するか、内容(全体の流れ)をメモしてからでないと論理的一貫性のある文章を書くのはまず無理です。王道の型は、「主張→根拠(具体例を入れながら)→反対意見の根拠→主張」です。あれこれ考えず、王道で行きましょう!

パソコンで入力するのと手書きは全然違います。消したり書いたりしていたら、あっという間に時間がたってしまいます。「型」のどこに何を書くを考えが固まってから、一気にペンを進めましょう。

2. 問いに応える!

当たり前のことかもしれませんが、記述式問題を解く上でもっとも重要なことは、「問いに応える」こと。この当たり前のことが意外とできないんですね〜。留学生はもちろん、日本の高校生にも小論文を教えていた時代がありますが、あるあるです。

「問いに応える」ときの簡単なテクニックは「問いの言葉をなるべく使う」ことです。試験ですから、個性やオリジナリティを出す必要はまったくありません。そんなところを採点者は見ていません。

何度も繰り返しますが時間は20分、短いですね。限られた時間の中でまずしたいことは「問いに使える言葉はないか」を問題文から探し出すこと。それは、「何を問われているのかをしっかり把握すること」でもあります。「何を問われているのかをしっかり把握すること」は「出題者の意図を理解すること」です。ここは絶対におろそかにしてはいけないところ。

そして、その言葉を見つけたら、どストレートに問いの言葉を使ってください。これは「出題者/採点者の質問の意図をちゃんと理解していますよ〜!」というアピールにもなります。

また、「問いに応える」が皆さんの「着地点」でもあります。まずは着地点をどこにするか決め、次に、そこにスムーズにランディングするにはどうすればいいか作戦を練ります。着地点をはじめに決めておくことで論点がズレるのを防げます。着地点を決めたら、自分の意見、根拠、具体例、反対意見とその根拠などを「型」にどんどん落とし込んでいきます。(反対意見とその根拠を示すことで異なった視点から自説を補強するすることができます。それも「型」の一部!)

はい、ようやく原稿用紙に向かう時間です。考える時間10分、書く時間10分。書き始めたら一気に!止まらずに!!これは練習が必要ですね〜。
もうそろそろ1ヶ月前ですから、知識は自分の頭に入っているはず。せっかく知識をインプットしたのだから、それを最大限にアウトプットしたい、してほしい!皆さん、頑張ってくださいね。


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