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民泊日記 5

接客業をはじめるにあたって、考えることはたくさんあったけど
一番迷ったのは、私の接客態度。
私たちが生活している家に人を泊める…
どうしたって時間や空間を共有することになります。
いろいろ思い悩んで、結局たどり着いたのは
「家に友人や知り合いが来て泊まっていく」時のもてなし方が
一番近いんだろうという、基本というかシンプルな考え方でしたが
そう思えるまでには結構な時間が必要でした。
なかなかここに行きつけなかった原因はまたまたダンナ。
親族も多く、隣近所に固まって暮らしていたにもかかわらず
ダンナはそういう経験がほぼ全くなかったらしいのです。
お隣に住んでる親戚が、一度も家に来たことがない…。
人なんて誰でもどこか変わっているんだろうけれど
そんなことあるのかと私にはすごく不思議でした。
思い当たるのは、義母は片付けがものすごく苦手な人だったこと。
結婚して初めて行ったとき、家の中は足の踏み場がなく
天井からは年代物のホコリの房が下がっていましたが
内心ビックリしている私の横で
「家の中きれいだね」「そうだろ、片付けたもの」と
ダンナと義母がニコニコして話していたのです。
これで?
でも確かに、あの部屋じゃ人様を中に入れようとか思えないよね。
観られたくない。プライドがひっくり返った劣等感。
とまあそんな環境育ちのダンナの主張は、
仕切りを作る、戸を立てる、家族の姿が外から見えないように、などなど
とにかく徹底した分離主義。しかも教師にありがちな強行主張。
イメージは民宿らしいのですが、民宿は民泊とは違って
家主とお客の生活スペースは基本的に別の空間です。
ダンナの主張は、同じ一件の家の中にいるのに
そんなの絶対に無理だということばかり。感覚的にわからないんですね。
それはもう仕方がないから、一切合切全部却下して
おばあちゃんや従姉妹達の家にしょっちゅう泊まりに行っていた
自分の経験を元にすることにしました。
私の家に人が来る。そしてもてなすのは誰でもない私。
どこのマニュアルにも載ってない、私のやり方を探していこうと思います。

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