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わたしのユーザーインタビューTips

この記事はUX Research Advent Calendar 2021 の13日目の記事です。

はじめまして、 『AD EBiS』 製品企画PMの藤川です。
弊社では今年の9月からUX Researchの取り組みがスタートしました。

まさに試行錯誤を繰り返しているところなのですが、学ぶ過程で「BtoB領域におけるユーザーインタビューの実践ノウハウがぜんぜん流通してない!」ことに気づきまして、謎の使命感から今回は私が普段実践しているインタビューTipsをご紹介します。

すべて普段からガッツリ活用している実践知ですので、自分の手の内を晒すようで恥ずかしくもありつつ、、

これからインタビューに挑戦される方、今ヒントを求めている方にとって
少しでも参考になればという想いで綴りますので、ぜひご一読ください

※『AD EBiS』についてはこちら

はじめに(インタビュー対象について)

私が担当している『AD EBiS』はWebマーケター/広告代理店の方のような、広告業界人向けの月額課金サービスです。

そのため、インタビュー対象者は基本的に社会人(かつとてもお忙しい方々)になりますので、それに特化したラポール形成のアプローチをとっています。

また、現在は探索的なリサーチをメインで行っているため、その点も念頭に置いて読み進めていただければ幸いです。

※インタビューの前段となるリクルーティングに関しては、10日目の松田さんがまとめてくださっているので、今回は割愛します。

1.入室は開始時刻の10分前

最近はWeb会議でインタビューをされている方も多いのではないでしょうか。うちもZoomをメイン利用しているのですが、その入室タイミングについてです。

みなさんはインタビュー開始時刻の何分前から入室していますか?

私は近頃「10分前、最低でも5分前」には入室するよう心がけています。

その理由は、はじめに相手をお迎えするか、逆にお待たせするかでインタビュー場の「雰囲気のつくりやすさが大きく変わる」からです。

「あ、お待たせいたしました。すみません、、」から始まってしまうと、開口謝罪から入り、その後のラポール形成も進めにくくなります。

逆に相手をお出迎えできると、その後のやりとりがスムーズになるため、ホストとして、場をオーガナイズする(主導権を得る)ために、早めに入室して相手をお招きするよう意識しています。

2.ラポールは共通の敵をやんわりつくる

共通の敵をつくることで、相手との距離が縮まることがあります。
心理学では「類似性の法則」なんて言いますよね。

私の場合は、社会人の方々へのインタビュー機会が多いので、最近ではテレワーク見直しの動きなどの話題を持ち出して、共通の敵をつくったりします(性格悪いですね、)

業界柄か、リモートワークを既にされていて、
かつそれを肯定的に捉えている方が多いと感じるので、
少し前の記事ですが、こんな記事を取り上げて、
「出社嫌ですよねー」なんて話をしたり。

トピックを選ぶ必要はありますが、いきなり相手のことをお伺いする前に、こういった類の世間話をはさむと打ち解けやすいので、おすすめです。

3.緊張をとく魔法のことば

社会人の方とのインタビューだと、少し会話を交わした後も、妙な緊張感が場を漂い続けていることがままあります。

緊張した状態ですと、なかなか深い、正直なお話を聞くことが難しくなるので、そんな時には以下のようなお声がけをしています。

「普段からお忙しい中かと思いますので、ぜひこの時間は肩の力を抜いて、〇〇さんご自身のことについて、ざっくばらんにお伺いさせてください。」(にこにこ)

「肩の力を抜いて~」のところでは、私自身も肩を揺らしながらお伝えするなど工夫を加えて、自分自身の緊張もときつつ、

「この時間は、お互い会社員としての仮面を外してお話させてください」
「この時間は休憩時間のような心持ちで、ゆるりとご参加ください」
(にこにこ)

など、とにかく、ありのままリラックスしていただけるようお声がけするようにしています。

言葉やしぐさでお伝えすることで、
魔法がかかった(とけた)ように緊張が和らぐシーンもありますので、
なんか空気が固いな・・と感じたら、ぜひ実践してみてください。

4.ガイダンスで不安を取り除く

インタビューに限らず、これから何を聞かれるのか、いつまで質問が続くのか、何を答えたら良いのかがわからないと、質問を受ける側はとても不安になりますよね。

そのため、冒頭では必ず以下の流れでガイダンスを行います。

「改めまして、お忙しい中、貴重なお時間を頂きありがとうございます。
 ここから、インタビューに移らせていただきます。」
「まず冒頭、録画可否の確認と、3点ほど事前ガイダンスをさせてください。」
「今後の参考のため、今回のインタビューを録画させていただいてもよろしいでしょうか?内部利用を目的とし、社外への公開はいたしません。」
▼ガイダンス
①「終了時刻は◇時55分を目安に進めますが、この後のご予定は問題なさそうでしょうか?」

②「担当から〇〇様やご契約中のアカウントについて事前に共有を受けておりますが、改めて〇〇様のお言葉でお伺いしたい事柄もあり、基本的なことからご質問させていただきます。ご容赦ください。」

③「質問の中には、抽象度の高い質問も含まれます。
 例えば『それはなんでですか?』『どう感じましたか?』などです。
 正解はないものですので、率直に、〇〇様が思ったままご回答ください」

空気を読みつつ、少しフランクな言い方に崩したりしますが、上記の内容をお伝えして、いつまでを目安に、何にどう答えたらいいか、相手に事前に理解していただけるように努めています。

5.最初の質問は「何時?」がおすすめ

ガイダンスが完了したら、いよいよ質問が始まります。
一番はじめの質問として、私は「何時」を絡めた問いをよくします。

その理由としては、回答がほどよくオープンになり、かつ回答者がほぼ悩むことなく答えることができる質問だからでして、口火を切る質問としては、現状ベストだと感じています。

例えば、普段発している質問は、以下など。

「まず、〇〇様の普段の業務についてお伺いしたいのですが、普段は何時に出勤されますか?」「退勤は何時ですか?」

いきなりクローズドな質問をすると、尋問のようになってしまいますし、逆にオープンな質問をいきなりもっていくと、最初にしては回答負荷の高い質問になってしまいます。

「何時に?」という質問は、ほぼ悩むことのない最大24択からセミオープンな回答を頂けるので、ウォームアップに丁度良く、重宝しています。

6.リフレクションと5W1Hで深堀り

「普段は何時に出勤されますか?」という個人的キラー質問を口火に、そこからは5W1Hを基本として、深ぼって聞いていきます。

「出勤されてからまず何をされますか?」
「それはどれくらいの頻度でされますか?」
「関係者の方にも共有されますか?」
「関係者はどんな方がいらっしゃいますか?」

はじめの質問をスムーズに答えていただけると、
その後の問答も綺麗に進んでいくので、5W1H+時々の心情をお伺いする質問を絡めてインタビューを進めていきます。

また、頂いた回答に対して「リフレクション」を用いて反応することで、さらに深い回答を引き出せます。

回答者「私の業務範囲がわりと広くて、全般的に関わってやってますね」
わたし「へー、全般的に関わってらっしゃるんですね」
回答者「そうなんです。人手不足でほんとは任せたいんですけど難しくて」

リフレクションについては関連記事がたくさんあると思うので割愛しますが
個人的にこちらの講座でコーチングを学んだ経験が活きているので、参考までに掲載します。

おわりに

少しでも皆様の参考になればと願いますが、いかがでしたでしょうか。

今回はインタビュー導入部分のTipsが多く、本題の話があまりできなかったので、もし好評いただけるようであれば、また続編も綴ろうかと思います。

本記事に関する感想や、フィードバック、勉強会やロープレのお誘いなどなど、なんでも大歓迎ですので、

お声がけいただける場合には、こちらのTwitterアカウントまでDMでご連絡いただけると嬉しいです。

以上、UX Research Advent Calendar 2021 の13日目でした!

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