25. 斜視手術によって,子どもの読書能力と描画課題の遂行が有意に向上する

The effect of strabismus surgery on the learning abilities of school-aged children

Feuillade V, Bourcier T, Gaucher D, Speeg C, Sauer A. Acta Ophthalmol. 2023 Jan 24. doi: 10.1111/aos.15634. Epub ahead of print. PMID: 36691981.

目的:斜視手術が学童児の学習成績(計算、読書、描画)を向上させるか評価すること。

方法:case-control研究。手術が推奨される7歳から10歳の水平斜視患者を前向きに対象とした。斜視手術前と手術後3か月に,標準化されたテストを用いて,読解力,計算力,描画力を評価した。症例は,COVIDロックダウンのために手術が延期された患者(対照群)と比較された。

結果:7歳から10歳までの水平斜視群42名と対照群42名が含まれた。平均読書速度は,術前が1分間に65.8語だったのに対し,術後は1分間に80.6語だった(p=0.0038)。平均描画得点は,術前71.1点,術後84.3点であった(p=0.012)。平均計算得点は術前3.2点,術後3.4点であった(p=0.363)。斜視手術による改善は,対照群との比較によって学習効果を回避していることが確認された。また,若年者,内斜視の患者においてより顕著な向上が観察された。

結論:本研究では,斜視手術が子どもの読書能力と描画課題の遂行を有意に向上することを明らかにした。これらの心強いデータは,斜視手術の適応を検討する際に考慮されるべきものである。

※コメント
内斜視の方がより向上が顕著であったことから,おそらく術後両眼視の状態が改善したことで,読み書きの能力が向上したということだと思います。両眼視の大切さを裏付けるデータの一つです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?