346. 間欠性外斜視の小児における両眼外直筋後転術後の再発予防におけるパートタイムパッチングの有効性

Efficacy of part-time patching in preventing recurrence after bilateral lateral rectus recession in children with intermittent exotropia

Han JY, Han J, Han SH. BMC Ophthalmol. 2023 Dec 14;23(1):510. doi: 10.1186/s12886-023-03259-8. PMID: 38098018; PMCID: PMC10722733.


背景:この研究では、間欠性外斜視(intermittent exotropia:IXT)患者における両眼外直筋後転術(bilateral lateral rectus recession:BLR)後の再発予防におけるパートタイムパッチングの有効性を評価した。

方法:IXTに対するBLR後に再発を経験し、パートタイムパッチングを受けた3~13歳の小児190例をレトロスペクティブに検討した。パッチングは1日2時間、6か月以上行った。18Δ以上の再発を認めた患者は再手術を受けた。パートタイムパッチング後の外斜偏位と再手術率の変化を解析した。

結果:合計34例(17.9%)がパートタイムパッチング後に再手術を受け、Kaplan-Meier生存解析によると2年後の再手術率は20.3%であった。再発が7~10Δの患者は10Δ以上の患者に比べて有意に良好な効果を示し(p < 0.001)、生存解析においても再手術率は低かった(p = 0.004)。パートタイムパッチングを受けた患者における再手術と関連する因子は、手術からパートタイムパッチング開始までの期間であった(ハザード比[HR]=1.006、p=0.002)。

結論:パートタイムパッチは、手術の効果を維持し、BLR後の再手術の必要性を遅らせるのに効果的であった。この効果は再発率が10Δ以下の患者でより優れていた。


※コメント
再手術の定義は、18Δ以上の偏位を示しコントロールがpoor。
パッチは優位眼に貼っているようです。
どのような機序で偏位が増大しないのか、また、斜視角が小さい方がなぜ、よりパッチの恩恵を受けるかは不明ですが、パッチ自体に悪い影響というのはあまり聞きませんね。マイナスポイントとすれば費用的なものでしょうか。

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