12. RLRL療法後の脈絡膜の肥厚のみで眼軸長の短縮を完全に説明するのは不十分である。前眼部には変化なく,脈絡膜の血流が改善されていることから,AL短縮は主に後眼部の変化に関連しているかもしれない

Axial Length Shortening and Choroid Thickening in Myopic Adults Treated with Repeated Low-Level Red Light

Liu G, Li B, Rong H, Du B, Wang B, Hu J, Zhang B, Wei R. J Clin Med. 2022 Dec 17;11(24):7498. doi: 10.3390/jcm11247498. PMID: 36556114; PMCID: PMC9780890.

本研究は,近視成人に対する低レベル赤色光(RLRL)療法が,眼軸長(AL),脈絡膜血流、および前眼部に及ぼす影響を調査することを目的とした。98人の近視成人が無作為にRLRL群(n = 52)と対照群(n = 46)に分けられた。RLRL群では,3分間のRLRL治療を1日2回,4時間以上の間隔をおいて行う4週間の治療が行われ,治療前と治療後7,14,21,28日目に診察が行われた。AL,中心窩下脈絡膜厚(SchT),脈絡膜血管指数(CVI),および前眼部パラメータが各診察時に測定された。線形混合効果モデルにより,RLRL の被験者の AL は 24.63 ± 1.04 mm から 24.57 ± 1.04 mm に減少し、SChT は 18.34 μm 厚くなった。CVIは0-6ゾーンでわずかだが有意に増加した。しかし,すべての前眼部パラメータは,RLRL治療後に変化しなかった。我々の研究では,脈絡膜の肥厚のみで眼軸長の短縮を説明するには不十分であることを示す。前眼部には変化がなく,脈絡膜の血流が改善されていることから,本研究におけるAL短縮は主に後眼部の変化に関連していることが示唆された。

※コメント
RLRL 群(平均26.08±2.13 歳)対照群(平均22 歳)。1ヶ月という短い観察期間ですが,小児の眼軸長短縮(1ヶ月目)と同等の効果でした。脈絡膜循環が改善されたことは,新陳代謝の加速,強膜低酸素症の改善,および枯渇したコラーゲンレベルの回復などの仮説を支持するかもしれないとのことです。


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