147. 不同視弱視に対する今回のコホートでは、抑制の密度と弱視の関係を示す証拠は見つからなかった

Depth of suppression in anisometropic amblyopia (with or without microtropia)

Firth AY, Stevenson C. Binocul Vis Strabolog Q Simms Romano. 2012;27(3):187-94. PMID: 22989341.


背景と目的:斜視における抑制の深さと弱視の程度との関係については、相反する報告がある。不同視弱視についてはほとんど注目されていない。本研究では、微小斜視の有無にかかわらず、不同視弱視の抑制の密度(深さ)を調べ、弱視の程度と関係があるかどうかを検討する。

方法:不同視(1Dまたは0.5D cylの差と定義)、両眼単一視、両眼間の矯正視力差が少なくとも0.1logMAR以上ある患者を対象とした。弱視の程度は、Bailey-Lovie logMARチャートを用いて、左右眼の差で表した。立体視(Titmus)、binocular alignment、固視を記録した。抑制の深さは、4.5m(0.5度の角度で差し引く)のWorth 4 dot testと一緒にneutral density filter barを使って測定された。不同視を表すために、最良等価球面値(Best spherical equivalent:BSE)を算出した。

結果:8.3歳~12.1歳(平均9.7歳)の13名が研究を完了した。抑制の深さと弱視の程度の間に有意な相関は認められなかった(r=0.10、p=0.74)。しかし、抑制の深さと立体視レベルの間には相関があった(r=0.59, p=0.03)。6名の参加者は微小斜視であり、純粋な不同視児よりも強い抑制(p=0.03)と悪い立体視(p=0.001)を示していた。

結論:この不同視弱視に対するコホートでは、抑制の密度(深さ)と弱視の関係を示す証拠は見つからなかった。

※コメント
今回の視力は形態覚(おそらく高コントラスト)を評価しているわけなので、抑制の深さと関連がないというのも納得ができないわけではありませんでした。抑制の深さと立体視レベルには関連があるようです。ただし、titmusでなくrandom dot での結果も気になるところです。

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