338. 韓国の小児1155人の大規模縦断コホートにおける全国集団ベースの近視成長グラフの検証
Verification of a nationwide population-based myopia growth chart in a large longitudinal cohort of 1155 Korean children
Kim MC, Kim DH. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2023 Dec 6. doi: 10.1007/s00417-023-06328-2. Epub ahead of print. PMID: 38054997.
目的:縦断的コホートを用いて、集団ベースの健康調査データに基づく近視成長チャートの予測価値を評価すること。
方法:5歳から18歳で、少なくとも1年の間隔をおいて2回以上の調節麻痺屈折(cycloplegic refraction:CR)検査を受けた患者を対象とした。パーセンタイル偏差は、カルテに基づき、初回検査時のパーセンタイルから最終検査時のパーセンタイルを差し引いて算出した。等価球面(Spherical equivalent:SE)偏差は、チャートを用いて初回CRに基づく予測SEから最終CRでのSEを差し引いて算出した。
結果:1155人の被験者から2310眼が組み入れられた。1344眼(58.2%)が外れ値に分類され、初期CRと最終CRの両方が2~99パーセンタイルの範囲内であった。平均パーセンタイルは+11.0±22.9パーセンタイル、SE偏差は-0.60±1.33Dであった。外れ値(内側以外の値)は966眼(41.8%)であった。ほとんどの外れ値(709眼、73.4%)は、初回検査と最終検査の両方でチャート外にあった。残りの外れ値(257眼、26.2%)は、初診時または最終検査時に、少なくとも一度はチャート上の2~99パーセンタイルの範囲内にあったが、そのほとんど(202眼、78.6%)は、予測よりも近視が進行していた。
結論:我々の大規模コホートでは、内値と外れ値の両方が、グラフから予測されたよりも近視に進む傾向があった。これは、このグラフが小児近視をかなり保守的に予測していることを示唆している。近視成長グラフは、強度近視を発症するリスクが高い子供を検出するためのスクリーニングツールとして役立つ可能性がある。
※コメント
韓国からの報告です。日本でもこのような基盤となるデータを作成し、今回の報告のような外れ値がスクリーニングに役立つという見解を得られれば、臨床上非常に役立つなと愚考いたしました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?