272. 自閉スペクトラム症の小児において不可逆的な視覚障害を引き起こす食事制限:症例シリーズと総説
Restricted diet causing irreversible visual impairment in children with autistic spectrum disorder: case series and review
Ghazala F, Hamilton R, Mansfield D, Millar E. BMJ Open Ophthalmol. 2023 Oct;8(Suppl 3):A2. doi: 10.1136/bmjophth-2023-BIPOSA.6. PMID: 37797988.
微量栄養素の欠乏が視覚系の機能障害を引き起こすことは認識されているが、回避性/制限性食物摂取障害(avoidant/restrictive food intake disorder:ARFID)との関連はあまり報告されていない。過去に発表された18の類似症例を検討した結果、ビタミンA欠乏が呈する特徴を占める場合でも、他の微量栄養素の欠乏を同定することの重要性が明らかになった。我々は、ARFIDによる高度な制限食の結果、永続的な視覚障害を呈し、自閉スペクトラム症(autistic spectrum disorder:ASD)を有する4人の患者を紹介する。今回報告した4症例により、ASDの男児におけるARFID様の制限食による視覚障害の報告症例は合計22例となった。ASDの重症度は22症例で大きく異なるが、すべての症例で食事が極端に制限されており、1~2品目しか許容できない場合もあった。ASDや食物選択性のある小児で最も忌避される食品群は、野菜、果物、乳製品、タンパク質であり、最も好まれる食品はパン、鶏肉、シリアル、ヨーグルトであると米国から報告されている。今回レビューまたは報告された22症例において、許容される食品は、主に炭水化物をベースとし、乾燥した、またはカリカリした食感で、ベージュまたは淡い色調のもの、すなわち、フライドポテト、ポテトワッフル、ポテトチップス(クリスピー)、米、白パン、ベーグル、ビスケットまたはクッキーである傾向がみられた。この症例シリーズと総説は、ASDに関連したARFID患者の視覚的問題に対する警戒を強め、微量栄養素の欠乏を早期に完全に評価する必要性を強調している。
※コメント
自分自身ではこのような症例に遭遇したことはありませんが、確かにこのような状態もあり得るなと思った次第です。勉強になりました。