214. 斜視に特化した心理社会的質問票を日常臨床に導入する:斜視手術におけるメンタルヘルスとQOL

Implementing strabismus-specific psychosocial questionnaires in everyday clinical practice: mental health and quality of life in the context of strabismus surgery

Ehlers M, Mauschitz MM, Wabbels B. BMJ Open Ophthalmol. 2023 Aug;8(1):e001334. doi: 10.1136/bmjophth-2023-001334. PMID: 37558407.


背景:斜視は、患者のQOLや幸福感に大きな悪影響を及ぼす。過去において、これらの側面は軽視されがちであり、身体機能に比べれば後景に置かれていた。本研究の目的は、斜視手術の満足度、QOL、手術への期待に影響する因子を引き出し、誰が最も恩恵を受け、誰がさらなる支援を必要とするかをより的確に予測することである。

方法:斜視の心理社会的側面を評価するのに適した質問票の選択を行い、Adult Strabismus 20 Questionnaire、Amblyopia and Strabismus Questionnaire、Diplopia Questionnaire、Expectations of Strabismus Surgery Questionnaire、Hospital Anxiety and Depression Scale(不安・抑うつ尺度)に決定した。次に、これらの尺度を翻訳した(ドイツ語で入手できない場合)。患者は、術前の外科的および眼科的評価の一部として、また斜視手術の約3か月後にこれらのフォームに記入した。

結果:この研究には59人の患者を登録した。術後の斜視に関連したQOLは高く、不安や抑うつレベルは低かった。手術に対する満足度は、術後の角度と複視が高いほど低かった。後者はまた、術後のQOLを低下させる決定因子でもあった。斜視手術に対する期待が高いほど、抑うつレベルが高く、術前の斜視角度が高かった。

結論:我々のデータは、斜視手術がいくつかの心理社会的領域において有意な改善をもたらす可能性があることを示している。心理社会的因子が手術への期待に大きな影響を与えうるという証拠がある。したがって、患者を最善の方法で治療するためには、この疾患の精神衛生的側面を考慮することが重要である。

※コメント
斜視手術によってQOLが上がるよ、という報告です。公で公表するときに使用できる内容の一つかなと思いました。

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