150. 急性後天性共同性内斜視の患者数と特徴の経年変化:8年間の後ろ向き研究

Changes in the number and characteristics of patients with acute acquired concomitant esotropia over time: An 8-year retrospective study

Lim CW, Lee J, Kim WJ. Medicine (Baltimore). 2023 Jun 2;102(22):e33986. doi: 10.1097/MD.0000000000033986. PMID: 37266605; PMCID: PMC10238017.


本研究は、急性後天性共同性内斜視(acute acquired concomitant esotropia:AACE)患者の8年間における患者数と臨床的特徴の変化を評価することを目的とした。2014年7月から2022年6月までに当院を受診したAACEの患者を対象とした後ろ向き研究。全研究期間を時系列で4つの期間に分けた。最初にクリニックを訪れ、手術を受けた患者さんの数を、期間を8分割(四半期、2年)して経時的に比較した。手術を受けた患者と受けていない患者の間で、臨床的な要因を分析した。97人の患者が登録された(平均年齢29.5歳、女性43人)。このうち、手術を受けたのは65人(67.0%)であった。AACEの患者数は、研究期間中、着実に増加した。手術を受けた患者数は、2020年Q3から2022年Q2にかけて最も多かった。外科的治療を受けたAACE患者において、経時的に大きな眼球偏位(30Δ以上)を有する患者が増加する傾向が見られた(P = .037)。初診時の平均眼球偏位は、手術を受けた患者の方が手術を受けなかった患者よりも大きかった(P < .001)。手術を受けた患者の平均年齢は、手術を受けなかった患者の平均年齢よりも低かった(P = .005)。AACEの患者数は時間の経過とともに増加している。外科的治療を受けた患者は、初診時に眼球偏位が大きく、年齢が低かった。

※コメント
後天性内斜視の割合が着実に増えていっています。若年で増えているのは由々しき問題であると思います。
スマホ内斜視という呼称もありますが、デジタルデバイス含め、近見視の時間の増加が影響している事は否めないと思います。

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