182. 近視コントロール:0.01%アトロピンの短期的効果とDIMSレンズによるデフォーカスの比較-ヨーロッパの小児を対象とした後方視的研究

Myopia control: short-term effect of 0.01% atropine vs. defocus incorporated multiple segment lenses-a retrospective study in European children

Guimarães S, Barros da Silva P, Oliveiros B, Silva E. Int Ophthalmol. 2023 Jul 7. doi: 10.1007/s10792-023-02788-x. Epub ahead of print. PMID: 37420123.


目的:ヨーロッパの小児における近視進行予防において、0.01%アトロピンとDIMSレンズを比較すること。

方法:ヨーロッパの小児近視患者のデータを含む後方視的研究である。2021年11月から2022年3月までは、ポルトガルではまだDIMSレンズが入手できなかったため、0.01%アトロピンのみが処方された。2022年3月から10月までは、患者の両親の希望によりDIMSレンズのみが処方された。近視進行のエンドポイントは、治療前と治療後6か月間の眼軸長(axial length:AL)と等価球面(spherical equivalent:SE)の差とした。ALとSEの変化は、反復測定による一般線形モデルを用いて比較した。

結果:50人の患者の98眼を対象とした:アトロピン群47眼、DIMS群51眼であった。初期AL、初期SE、性別、年齢において群間に統計学的有意差はなかった。6か月後の平均AL伸長は、アトロピン群で0.057mm(SD=0.118)、DIMS群で0.002mm(SD=0.077)であった。SEの進行は、アトロピン群で-0.098(SD=0.232)D、DIMS群で-0.039(SD=0.105)Dであった。AL伸長はDIMSレンズ群で有意に低かった(p = 0.038, partial Eta2 = 0.045)。SEの進行には群間で差はなかった(p = 0.302、部分Eta2 = 0.011)。

結論:近視の進行を遅らせるための0.01%アトロピン点眼薬とDIMSレンズの比較では、短期間の追跡調査においてAL伸長の点でDIMSレンズが有利であった。SEの点では群間に差はなかった。

※コメント
効果的にはやはりDIMSレンズの方がありそうです。特に眼軸伸長の抑制に効果的なのが魅力的だと思います。

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