158. 成人弱視の回復:A Meta-Analysis

Recovery from Amblyopia in Adulthood: A Meta-Analysis

Echavarri-Leet MP, Resnick HH, Bowen DA, Goss D, Bear MF, Gaier ED. medRxiv [Preprint]. 2023 May 28:2023.05.23.23290409. doi: 10.1101/2023.05.23.23290409. PMID: 37293080; PMCID: PMC10246138.


目的:従来の弱視治療法の有効性は、そのほとんどが小児期に限定されている。しかし、健眼の視覚が疾患によって制限もしくは阻害された後、成人期に回復する可能性がある。この現象に関する研究は、現在、単独の症例報告や少数のケースシリーズに限られており、その発生率は19~77%であると報告されている。我々は、2つの明確な目標を達成することを目指した:
(1) 臨床的に意味のある回復の発生率を明らかにすること
(2) 弱視眼の利得の増加に関連する臨床的特徴を明らかにすること。

方法:3つの文献データベースのシステマティックレビューにより、片側弱視と健眼に視覚制限のある眼病変を持つ18歳以上の患者109例を含む23件の報告が得られた。

結果:研究1では、成人患者の25/42(59.5%)で、健眼視力低下後に弱視眼が2 logMAR line以上を獲得した。全体の改善度は臨床的に意味のあるものであった(中央値2.6logMAR line)。研究2では、弱視眼の視力が改善した症例では、最初に健眼の視力が低下してから12か月以内に回復することが示された。回帰分析により、年齢が若いこと、弱視眼のベースライン視力が悪いこと、健眼の視力が悪いことは、それぞれ独立に弱視眼視力の回復を大きくすることがわかった。弱視の種類や健眼の病態にかかわらず回復は見られるが、健眼の網膜神経節細胞に影響を与える病態では、回復までの時間が短いことがわかった。

結論:健眼損傷後の弱視の回復は、成人の脳が臨床的に意味のある回復をもたらす神経可塑性能力を保持していることを示しており、この能力は成人の弱視を治療するための新しいアプローチによって潜在的に利用できる可能性がある。

※コメント
・年齢が若いこと、弱視眼のベースライン視力が悪いこと、健眼の視力が悪いことが、それぞれ独立に弱視眼視力の回復を大きくする。
・弱視の種類や健眼の病態にかかわらず回復は見られるが、健眼の網膜神経節細胞に影響を与える病態では、回復までの時間が短い。

非常におもしろく、網膜神経節細胞に関してはなぜなのか。興味深いです。

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