152. 不同視弱視の治療における立体視の改善と抑制の関連性について

The Association Between Improvement of Stereoacuity and Suppression in the Treatment of Anisometropic Amblyopia

Shiraishi Y, Wakayama A, Matsumoto F, Tanabe F, Kusaka S. Clin Ophthalmol. 2023 Jun 1;17:1545-1553. doi: 10.2147/OPTH.S412194. PMID: 37284056; PMCID: PMC10241209.


目的:不同視弱視患者に対する遮閉療法時の立体視と抑制の関連性を検討すること。

デザイン:後ろ向き研究

患者と方法:本研究では、遮閉療法を受けた遠視性不同視弱視患者19名を対象とした。患者の平均年齢は5.5±1.4歳であった。遮閉療法開始前、弱視視力最高値達成時、漸減時、遮閉療法終了時、最終診察時に、立体視と抑制の改善について評価した。立体視は、TNOテストまたはJACOステレオテストにより評価した。抑制の有無は、ステレオフライテストのサークルNo.1またはJACOの結果を視標として評価した。

結果:19名の患者のうち、13名(68.4%)が遮閉前に抑制を認め、8名(42.1%)が最高VA達成時に、5名(26.3%)が漸減中に、そして最終診察時には誰も抑制を認めなかった。遮閉前に抑制があった13名のうち、10名(76.9%)は抑制が消失した時点で立体視のさらなる改善を示し、9名は60秒の中心窩立体視を獲得した。最高VA達成時および漸減期間中の中心窩立体視と抑制の間に有意な関連が確認された(P<0.05、Fisherの正確検定)。

結論:弱視眼のVAが最高値に達した場合でも抑制が認められた。遮閉時間を徐々に短くすることで、抑制がなくなり、中心窩立体視の獲得につながった。

※コメント
不同視弱視において、抑制が立体視と関連しており、抑制の消失と立体視向上に関連があるようです。stereo Fly testのcircle No.1とJACOの抑制プレートが抑制の評価に役立つようです。

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