136. マイクロサッケードの誤差の大きさと振幅が視力に及ぼす影響は,固視安定性への影響によって少なくとも部分的に説明できることが示された

Characteristics of fixational eye movements in amblyopia: Limitations on fixation stability and acuity?

Chung ST, Kumar G, Li RW, Levi DM. Vision Res. 2015 Sep;114:87-99. doi: 10.1016/j.visres.2015.01.016. Epub 2015 Feb 7. PMID: 25668775; PMCID: PMC4529398.


弱視,特に斜視は,異常な固視眼球運動を示すことが知られている。本論文では,正常対照眼(n=16),不同視弱視の健眼,患眼(n=14)および斜視弱視の弱視眼(n=14)における固視眼球運動の6つの特性を比較した。これらの特性には,停止誤差の大きさ,頻度,マイクロサッケードの振幅と速度,スロードリフトの振幅と速度が含まれた。単眼で1°の十字を固視しながら,網膜イメージングを用いて固視眼球運動を記録した。眼位データは,相互相関法を用いて復元した。その結果,固視眼球運動の特性は弱視者の健眼と対照者の間で有意な差はなく,斜視弱視は他のグループと常に異なることがわかった。次に,視力(固視安定性)または固視安定性(視力),弱視のタイプを重回帰モデルに予測因子として加えることで,その異なる眼球運動特性の相対的な重要度を調べることにより,弱視眼の固視安定性と視力を制限する主要因子を明らかにした。その結果,マイクロサッケードの誤差の大きさ,視力,マイクロサッケードの振幅と頻度が固視安定性を制限する主要因であり,誤差の大きさ,固視安定性,ドリフトの振幅,マイクロサッケードの振幅が視力制限の主要因であることが初めて示された。媒介分析により,誤差の大きさとマイクロサッケードの振幅が視力に及ぼす影響は,少なくとも部分的には,固視安定性に及ぼす影響によって説明できることが示された。

※コメント
固視の安定性がMicrosaccadeの振幅と関連し,それが視力に影響を及ぼしている。やはり固視の安定性(状態)は治療評価の項目になると思います。

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