213. 台湾における学生の眼鏡処方に関する意思決定行動と影響因子

Decision Behavior and Influential Factors of Spectacle Prescription for Schoolchildren in Taiwan

Huang CY, Chen CM, Chang CK. Clin Optom (Auckl). 2023 Aug 2;15:159-166. doi: 10.2147/OPTO.S424678. PMID: 37551197; PMCID: PMC10404432.


目的:台湾における小児近視の有病率は世界でもトップクラスである。本研究では、台湾のオプトメトリストが小学生、中学生、高校生の視力検査を行った際に処方した眼鏡の最終処方の状況を把握し、その決定行動に影響を与える要因を評価することを目的とした。

方法:台湾のオプトメトリスト協会が主催する継続教育講座の受講者のうち、国家試験に合格したオプトメトリストを対象に、その場で無記名のアンケート調査を行った。本研究では、オプトメトリスト174名、アシスタント オプトメトリスト(以下、アシスタント)268名、合計442名のアンケート調査を得た。データはIBM SPSSのカイ二乗検定を用いて分析した。

結果:オプトメトリストとアシスタントの間で、小学生段階の近視-1.00D〜-1.50Dと-2.25D〜-2.50Dの眼鏡処方の決定には統計的に有意な差があった。また、中学生では-2.25D以上の近視で有意差があった。高校生になると、-0.75Dから-3.25D以上の近視で有意差があった。学年が上がるほど、最終的に処方される眼鏡の処方箋の差が大きくなった。最終処方の判断要素については、オプトメトリストとアシスタントの専門的判断に統計的に有意な差があるのは、小学生と中学生のみであった。高校生の判断要素には有意差はなかった。オプトメトリスト、アシスタントの教育レベルや分布地域によっても、処方判断は異なった。

結論:オプトメトリストは学童に対して完全矯正処方を好むが、アシスタントは軽度近視や低学年の処方において低矯正で処方することがほとんどである。子供たちの視覚の健康に与える影響について、さらなる調査が必要である。

※コメント
台湾における、オプトメトリストとアシスタントの眼鏡処方判断の違いについて述べられている報告です。
日本でも医師と視能訓練士間で違いがあるかもしれませし、あとは年代間でも差が出るかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?