87. 間欠性外斜視の基本型および輻湊不全型の患者において,斜視手術前の最大斜視角を明らかにするためには,30分間のPATは単眼遮閉よりも効果的である

Efficacies of preoperative prism adaptation test and monocular occlusion for detecting the maximum angle of deviation in intermittent exotropia

Takada R, Matsumoto F, Wakayama A, Numata T, Tanabe F, Abe K, Kusaka S. BMC Ophthalmol. 2021 Aug 21;21(1):304. doi: 10.1186/s12886-021-02060-9. PMID: 34418996; PMCID: PMC8379893.


背景:間欠性外斜視(IXT)における近・遠見の最大斜視角検出のためのプリズム順応試験(prism adaptation test:PAT)と単眼遮閉(monocular occlusion:MO)の有効性とその最適検査時間を評価・比較検討した。

方法:IXT患者72名のカルテを後ろ向きに検討した。すべての患者は,2015年4月から2018年10月の間に最初の斜視手術を受け,術前に,異なる日に30分と60分実施されたPATとMOの両方で検査を受けた。PATとMOの30分後と60分後のAPCTによる近・遠見斜視角をプリズム装着直後と遮閉前に得られたベースライン測定値と比較した。また,近・遠見測定値および最大斜視角を明らかにするために必要な試験時間も,PATとMOの間で比較した。

結果:ベースラインと比較して,PATによる近見斜視角は30分後(P < 0.05)および60分後(P < 0.01)に有意に増加したが,遠見斜視角は増加しなかった。しかし,30分間(30分から60分の間)の増加は有意ではなかった。MOでは,30分後と60分後に,近・遠見斜視角ともにベースラインと比較して有意な差は認められなかった。PATでは,30分後と60分後にMOよりも近見斜視角が有意に大きくなったが,PATによる遠見斜視角の増大は30分後のみに観察された。

結論:IXTの基本型および輻湊不全型の患者において,斜視手術前の最大斜視角を明らかにするためには,30分間のPATはMOよりも効果的であると考えられる。

※コメント
最大斜視角検出には片眼遮閉よりもPATの方が良いという報告です。そしてそれは30分でOKとのことです。

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