24. 間欠性外斜視に対するパートタイムパッチ(2h/日)は,輻湊不全型の外斜視,遠見時の外斜偏位が大きい,遠見立体視が不良な症例で良く反応する

Factors associated with the effectiveness of part-time patching for intermittent exotropia in children

Choi H, Kim SJ, Jung J, Lee JE, Kim SY, Lee SU. Eur J Ophthalmol. 2022 Jul;32(4):2026-2033. doi: 10.1177/11206721211037826. Epub 2021 Aug 10. PMID: 34374312.

目的:間欠性外斜視(IXT)の小児における低用量パートタイムパッチの有効性に関連する因子を評価すること。

方法:この前向き観察研究では,IXTと診断された186名の患者を登録した。パッチを毎日2時間行った後,オフィスベースのコントロールスケール,外斜位の大きさ,近見と遠見の立体視を評価した。

結果:152名の患者を対象に,1年間連続した追跡調査を行った。Partial Patchingを行った結果,外斜偏位の減少,コントロールの改善,立体視の獲得が31.6%の症例に認められた。多変量解析の結果,パートタイムパッチの改善を規定する予後因子として,輻輳不全(CI)タイプ(p = 0.016),遠見立体視不良(p = 0.044),遠見での大きな外斜偏位(p = 0.025)などが示された。

結論:CIタイプの外斜視,遠見時の外斜偏位が
大きい,遠見立体視の不良はパートタイムパッチの良好な反応と関連しているようである。したがって低用量パートタイムパッチは,これらの症例において,手術を遅らせるための有用な非外科的治療の選択肢となる可能性がある。

※コメント
抑制除去として行われる遮閉法ですが,より抑制が存在していると考えられる症例(病態)に有効なようです。この報告では2時間という短い時間でも効果はあったようです。

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