41. 男性の写真は斜視の種類や斜視角が同じであるにもかかわらず女性よりも斜視への介入の必要性が高いと認識され,外斜視は内斜視よりも小さい角度でより重篤と思われる

Is There Gender Bias in Perceptions of Strabismus Among Adults?

Thuma TBT, Gunton M, Zhang QE, Sharpe J, Gunton KB. J Pediatr Ophthalmol Strabismus. 2022 Dec 22:1-6. doi: 10.3928/01913913-20221025-01. Epub ahead of print. PMID: 36546780.

目的:一般成人の斜視に対する重症度や介入の必要性の認識に,性別,水平偏位の種類,偏位の大きさが及ぼす影響を調査する。

方法:25~35歳の個人を撮影した8枚の写真をデジタル処理し,男女ともに30Δの外斜視,30Δの内斜視,50Δの外斜視,50Δの内斜視を作成した。性別,斜視のタイプ,偏差の大きさによる無意識のバイアスを評価するために,これらの写真を重症度または介入の必要性によって1(最も必要)~8(最も必要ない)にランク付けするよう回答者に依頼した。

結果:合計203名の成人がアンケートに回答した。参加者は大きな内斜視と大きな外斜視の男性(順位中央値=1.5,四分位範囲[IQR]=1.5~1.5)を,同様の女性(順位中央値=3.5,IQR=3.5~4)よりも緊急に矯正する必要があるとした(P<0.0001)。ランクの中央値は,男性全体では4(IQR = 3.75~4.25 ),女性全体では5(IQR = 4.75~5.25 )であった(P < 0.0001)。外斜視の写真(中央値4,IQR=3.75~4.5)は内斜視の写真(中央値5,IQR=4.5~5.25)より介入が必要と感じられた(P < 0.0001)。回答者の性別,年齢,斜視の既往は順位に有意な影響を与えなかった。

結論:男性の写真は斜視の種類や大きさが同じであるにもかかわらず,女性よりも斜視への介入の必要性が高いと認識された。また,外斜視は内斜視よりも小さい偏位で,より重篤と認識されていた。無意識の偏見が患者ケアに影響するかどうかを理解するために,斜視の認識に関するより多くの研究が必要である。

※コメント
米国からの報告です。
genderに関するこういう論文がpublishされるんだなという目線で読んでみました。
外斜視の方が目立つというのには納得です。この報告では30Δ以上の斜視角を対象としていますが,20Δを超えると見た目に影響するという他の報告もありますので,整容的な観点だと20Δがborder lineの一つの指標かなと個人的には思っています。

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