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Cafe おままごと⑨


あれから忙しい日々だったが...



あやめちゃんがここに働いてくれるようになった

だから、子供たちの負担も自分たちの負担もかなり抑えられるようになってきた




あやめ:○○さん!

○○:おっ!おつかれ!

あやめ:お疲れ様ですっ!

○○:どう?慣れた?

あやめ:もう毎日が楽しいです!

○○:そう?ならよかった...



この日は関東では珍しく、
大雪となったことで雪で遊ぶ子供たちを見ながら準備を進める



最近は○○さんにコーヒーの淹れ方を教えてもらったり、
瑛紗ちゃんに食事系のものを教えてもらったり
あとは、アルノちゃんと姫奈ちゃんに勉強を教えたり...


すごく充実した日々を過ごしている




そして...



カランカラン


レイ:ヤッホー!あやめん!

あやめ:あっ!レイちゃん!

遥香:みんな行きたいって言うから連れてきちゃった...笑

真佑:ごめんね、押しかけて...

あやめ:ううん...
ありがと、かっきー、まゆたん



みんなが来てくれるようになった



咲月:あやめちゃんのおともだち?

あやめ:そうだよ~
じゃあ咲月ちゃん、ご案内お願いします!

咲月:は~い!
こちらどうぞ~!


レイ:すごい...ほんとだったんだ...

遥香:うん、すごく素敵でしょ?

真佑:うんっ!


咲月:ごちゅうもんきまったらおしえてくださいっ!

真佑:は~い!
ありがと!咲月ちゃん!

咲月:えへへへ///





○○:あやめちゃんのお友達かい?

あやめ:はい
私がアルバイトしていること伝えたら、来てくれました

○○:ふふっ、それは嬉しいね
じゃあ今日はあやめちゃんが、メニュー作ってみようか

あやめ:いいんですか!?

○○:もちろん、練習の成果を見せてあげな

あやめ:はいっ!



それから今日の当番の咲月ちゃんと茉央ちゃんが聞きに行ってくれて...



あやめ:瑛紗ちゃ~ん、オムライスってこんな感じでいい?

瑛紗:うんっ!大丈夫です!

あやめ:よかった...

瑛紗:もう、私は言うことないですよ!
完璧です!

あやめ:瑛紗ちゃんが教えてくれたからだよ~!


茉央:おいしそう...

瑛紗:これはあやめちゃんのお友達のだから、ね?

茉央:うん...

あやめ:後で茉央ちゃんの分も作ってあげるね!


茉央:ほんとっ!?

あやめ:うんっ!

茉央:やったぁ~

咲月:さっちゃんも!!

あやめ:わかったって笑
よしっ、じゃあ持っていこうか

茉咲:はぁ~い!




あやめ:みんな~お待たせ~


真佑:あっ!来たっ!

あやめ:えっと...
まゆたんがオムライスで...

咲月:よいしょっと...

真佑:えっ!すごい美味しそう...
ありがとっ!


咲月:うんっ!

あやめ:レイちゃんがチーズケーキで...

レイ:あっ!ありがとう~

茉央:ペコッ

あやめ:かっきーがクリームソーダでよかった?

遥香:うんっ!ありがと、あやめん!

レイ:ねぇ!食べよ!

遥香:そうだね!じゃあ...


『いただきますっ!』


レイ:ん~~!!んまっ!

真佑:めっちゃ美味しい!パクパク

遥香:ん~!美味しい!

あやめ:ふふっ、ならよかった...



チョンチョン


あやめ:ん?

茉央:茉央もたべたい...

咲月:さっちゃんも...

あやめ:あっ、すぐに...


コトッ


○○:はい、お待たせ

茉央:あっ!カップケーキだ...

○○:これ、良かったらみんなで食べてね

真佑:えっ!いいんですか!?

○○:うんっ!

咲月:ねぇー!さっちゃんたちのは!?

○○:もちろん、咲月ちゃんと茉央ちゃんも一緒に食べてね

咲月:いいの!?

○○:ちゃんとお手伝いしてくれたお礼、ね

咲月:やったぁー!

茉央:○○せんせ、ありがと!

○○:こちらこそ、ありがと
あやめちゃんも、みんなと一緒に食べてな

あやめ:えっ...でも...

○○:いいのいいの

あやめ:あ、ありがとうございます...



こうして私の練習の成果をみんなにも見てもらえた

私もこの店に、『少しでも貢献しているんだ』
というところを見せれている感じがしてすごく嬉しかった





ただ、懸念点もある




みんなが帰って締め作業をしている時に聞いてみた


あやめ:○○さん...

○○:ん?

あやめ:もうすぐ3月ですけど...

○○:そうだね~

あやめ:この子たちも卒園、ですよね?


そう、みんなの卒園
店名でおままごとと謳っている以上、子供たちが接客するのがここのスタイル

ってことは、みんな卒園してしまったら...


○○:うん、そうだね

あやめ:じゃあ...

○○:営業できない、って話かい?

あやめ:は、はい...

○○:ふふっ...心配してくれたんだ

あやめ:コクッ


○○:大丈夫、このお店は続けるよ

あやめ:へっ?

○○:あそこの託児所は、卒園した子はいつでも来れるから

あやめ:そうなんですか!?


○○:ん~...
子育てってさ、区切りはあっても続いていくわけじゃん
大変なことも、つらいことも、楽しいことも、悲しいことも

あやめ:...はい

○○:親も一生懸命だからさ...
愛があるが故にきついことを求めたりもするんだよ

あやめ:...

○○:だからさ...
嫌になることも逃げたくなることも、最悪死にたくなることも...
ないわけじゃないんだと思うんだよ

あやめ:...

○○:そんな時に戻ってこれるような場所があるといいなと思ってるんだよね

あやめ:戻ってこれる、場所...

○○:あやめちゃんがこのカフェを大事な場所って言ってくれるように
この子達にとっても、この場所がそういう場所になってくれたらいいなって

あやめ:...

○○:それに、前にも話したけど...
ここで会えた縁をさらに繋いでいけたら素敵だなって思うから

あやめ:そう...ですね



あぁ...

だから、ここが好きになったんだ
なんていうか..こう...人としても暖かくなる雰囲気を持つこの場所が



○○:まっ、あの事件のおかげもあってか
来年度の入園児の希望殺到しているから...笑

あやめ:そうなんですか?

○○:うん笑
倍率は...20倍だっけ?笑

あやめ:そんなに...

○○:その子たちにも教えつつやってはいくけど...
最初が大変なんだけど、協力してくれるかい?

あやめ:はいっ!もちろんっ!

○○:ふふっ、ありがと




そして迎えた3月...



○○:瑛紗、受験番号は?

瑛紗:えぇっと...0512

○○:アルノちゃんと姫奈ちゃんは?

アルノ:私は0317で...

姫奈:私は1217です

あやめ:お願い、みんな受かってて...


中学3年組は、みんな私の高校を受験した
私も、受験勉強で教えられるところは教えたから...


あやめ:お願い...
姫奈ちゃんが受かってますように...


姫奈:わ、私ですかっ!?
う、嬉しいですっ!

あやめ:一番心配だから...

姫奈:あれ?
そっちだった...




そして、掲示板に合格者が張り出されると...


瑛紗:...

○○:どうだった?






瑛紗:...私、受かってた
しかも...一番上にあったから、多分主席...


○○:マジで!?おめでと!ギュ

瑛紗:グスッ
頑張ってよかった...

○○:うん!よく頑張った!

瑛紗:うぅ...ありがと、○兄!


大変な思いをしながらも、ここまで成長してくれたこと
色んな思いが重なって、少しだけ涙がこぼれた



アルノ:0317...あった!
ありました!あやめさん!

あやめ:ほんと!よかったぁ...

アルノ:あやめさんのおかげです!
ありがとうございます!

あやめ:ううん、アルノちゃんの頑張りだよ!
おめでと!


姫奈:1217...1217...

あやめ:あった?

姫奈:フリフリ

あやめ:えっ?

姫奈:姫奈...落ちた...

あやめ:1217だっけ?

姫奈:コクッ

あやめ:1217...1217...
っ!?


姫奈:やっぱ...ない...ですよね...

あやめ:...姫奈ちゃん、一番最後よく見てみ

姫奈:一番最後?....
あっ!!あった!!

アルノ:ちょっと、姫奈
びっくりさせないでよ...

姫奈:うぅ...良かった...
もう姫奈、だめかと思った...

あやめ:よく頑張ったよ、姫奈ちゃん!

姫奈:うぅ...グスッ
あやめさーん!ギュ

あやめ:ふふっ、頑張った頑張ったヨシヨシ


アルノ:...

あやめ:ほら、アルノちゃんもおいで?

アルノ:...ギュ

あやめ:2人ともよく頑張った!





ただ...



将来の道が決まることもあれば、
別れを経験するのもこの季節


桃子:ついにみんな卒園か...

○○:なんか、感慨深いね...

瑛紗:うん...いろいろあったからね...

桃子:みんな~集まって~!


姉ちゃんが呼びかけるとみんな集まってくる


咲月:うぅ...ヒック
うぅ...

奈央:グスンッ...

桜:もう...みんななきすぎだよぉ...グスッ

茉央:みんなとわかれたくないっ!グスンッ

和:まお...ギュ


茉央:みんなとはなれたくないんだもん...

和:うんうん...みんなそうおもってるよ

奈央:うぅ...



桃子:みんな、卒園おめでと!


みんな、泣いている

桃子さんが一人一人と言葉を交わしながら、みんなとハグしていく




そしてそれはこっちでも...


咲月母:○○先生、ほんとにお世話になりました!

奈央母:先生たちのおかげでどれだけ助かったか...

○○:いえいえ...
私たちは環境を用意したまでですので...

和母:それにどれだけ助けられたか、ねぇ?
土日に子供を預かってくれるとこなんて、どこも満杯なのに

茉央母:ほんとです!
それに、あの子もここに来た日はほんとに嬉しそうに帰ってくるんです

○○:そうですか!

桜母:うちの子もそうなんです
「今日、ここほめてもらったんだ!」って嬉しそうに報告してくれて

奈央母:そうそう!
みんなここに来ると笑顔になっていくんですよねぇ

○○:それは嬉しいですね




和母:だから...少し寂しいです

○○:...

茉央母:そうね...
この日常が消えてしまうのは、寂しいです

奈央母:みんなもそれぞれ別々の小学校ですし...

○○:...大丈夫ですよ
ここはいつでもあけていますから

和母:えっ?

○○:う~ん...自分は子供はおろか結婚すらしてないのであれですが...
保育園の卒業って、子育ての一つの区切りだと思うんです

茉央母:そうね

○○:でも、それはゴールではない
人生だから続いていくわけで...

桜母:そうですね
今ほど手はかからないけど、それでも大変ですからね...

○○:そうですね、そういった話はよく聞いてるので...
ここはいつでもあけておいて、そんな親子の拠り所になればなと思っているんです

だから、いつでもいらしてください

咲月母:...いいんですか?

○○:もちろんです!
子供たちの成長していくところも、こちらも楽しみですし...
後輩たちの様子も見てほしいなと思ってますし

和母:なら...あの子たちにとっても嬉しいですね!

奈央母:○○先生はもちろんいらっしゃってくれるんですよね!?

○○:もちろんです!笑

奈央母:じゃあ、○○先生目当てに行こっと!

○○:まぁ…それでもいいですけど...笑

茉央母:えっ!じゃあ私も!

和母:私も!笑

○○:じゃあ...楽しみにお待ちしてますね!



親御さんたちとの関係もすごくよかった

信頼関係がないと成り立たないこの関係




子供に接客業をやらせる保育所

文字だけ書いてしまえば、悪いように聞こえるだろう

でも、接客を通して成長していく子供たち
そして、そこに携わる人たちの暖かさ


私が客として来ていた時に気付いたこと
それは文字に載らない、ここの魅力


幸せってこんなに日常で感じられるんだと、気づかせてくれた




....Season 1 End














○○:あやめちゃん、瑛紗、アルノちゃん、姫奈ちゃん
今日から、新しい子たちが入ってくるから、よろしくね


『はいっ!』





Next Season Coming Soon...




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