自慢の弟は一番最後 17話
色々あった1軍デビュー戦を終え...
和:○○~♪
ギュ
○○:和~、暑っついって笑
和:だって久々に一緒に居れるんだもん...
○○が支配下登録され、1軍に召集されて以降...
ずっと福岡に居ないこともあるため、寮を退寮し久しぶりの和と2人暮らしが始まっていた
ちょうどオリンピック期間が被っていたこともあり、公式戦が行われない中断期間があったことで引っ越しはスムーズに進み...
○○:これってどこに仕舞えばいい?
和:えぇーと...
ここ...あっ!
○○:ほんとにここ?笑
そこには散乱している和の洋服やら、アクセサリーやら...
和:うぅ///
○○:...片付け苦手だったっけ?笑
和:ち、違うもん!
服が勝手にこうなっただけだもん!
○○:そんなわけないでしょうよ笑
和:...お、お昼ご飯作ってくる!
○○:あっ、逃げた笑
久しぶりの和との生活
寮に居ればいろんな選手たちと会えるし話せるけど...
心のどこかで落ち着かないというか....
その危機感を持てるのが寮の強みではあるだろうけど、いろいろなことがあった中でその危機感が負担になってしまっていた
チームにも家族の事情を説明し、今回こうして退寮して和と暮らすことになったんだ
○○との久しぶりの生活
すっっっっっごい嬉しかった
血が繋がっていないって言われたときの寂しさ
あれはほんとにショックだったんだけど...
ロッテ戦で○○が打ったホームラン
打った直後に私に向けてくれたガッツポーズ
そして、試合後のあの時間
つらい経験だったけど、あのすべての時間が私たちの絆をより一層強めたと思う
自分で言うのもなんだけどね笑
あの試合の後にチームに事情を話して、うちに来ることを選んでくれた○○
これまで以上に支えていかなきゃって思うけど...
それでも嬉しかった
私が○○の負担にならないように、心の支えになれるようにしていかないと...
和:できたよ~
○○:うぃ....
わぁ!おいしそう
和:ふふっ
じゃあ...
『いただきます!』
〇〇:うんまっ!
和:良かった...
あっ!○○
○○:ん?
和:あれ、行くんでしょ?
○○:あ、うん....
和:すごいなぁ...
3月はまだ育成だったのに、上がってすぐにだもんね...
○○:俺が一番びっくりしてるよ笑
和:フレッシュオールスター....
この一覧、何度見てもすごいと思うよね...
あのロッテ戦後....
二塁手のスタメンで出ることもしばしばあったりして...
今までの○○の頑張りを評価してくれての選出だろうし!
すごいよね...ほんとに
和:今回どこでやるんだっけ?
○○:えぇっと...
富山だったはず
和:そっか...
○○:今回は行けないんだっけ?
和:うん、ごめん...
どうしてもバイト休めなくて...
○○:いいよいいよ笑
和:ほんとごめん!
配信でちゃんと見るから!
○○:ふふっ、ありがと
ピリリリ
和:...○○、食事中だよ?
○○:ごめんごめん笑
ちょっと広報の人から電話来ちゃった
和:...
○○:お疲れ様です...はい...はい...はい...
えっ!?マジっすか!?
なんかすごい驚いてる...
どうしたんだろう....
○○:はい...はい...
ありがとうございますっ!
はい!失礼します!
和:なんだって?
○○:オールスターゲームの方に選ばれたって
ガタッ
和:えっ!?マジ!?
ガンッ
和:痛てっ...
○○:うん笑
和:すごいじゃん!おめでと!
○○:だからフレッシュオールスターの方には行けないよって電話だった
和:そっかそっか!
ねぇ!ほかの出場選手は?
○○:まだこれから発表だから笑
和:そっか...それはしょうがない
でもどうして出れることになったの?
○○:あの試合の後のインタビューの内容覚えてる?
和:うんっ!あんな嬉しいインタビュー忘れるわけないって!
○○:あれさ...
他のチームのファンの人も見てくれたらしくて、反響すごかったらしいのよ笑
和:そうなのっ!?
○○:うん笑
それで...ファン投票の結果だって
和:すご...
あのインタビュー内容....
それは、あの○○が初ホームランを打ったロッテ戦の後の球団HP用のインタビュー...
~~~~~~~
広報:初の1軍の試合でホームラン、どうでしたか?
○○:そうですね...
実は...今日ホームランを狙ってたんです...笑
広報:狙ってたんですか!?
○○:はい...笑
生意気ですよね、初めての1軍の試合なのに...
広報:そうですね笑
でも狙ってホームラン、すごいですね
○○:いつもはそんなに強気なこと言わないんですけど...
今日は打たなきゃ、自分がプロになった意味がなくて...
実は、直近のことなんすけど、家族の事でいろいろあったんです
あまり嬉しくないことで...
でも、それでも、今まで支えてくれていたことに変わりはなくて...
その人は今日、この試合を見に来てくれないと思ってたんです
色々考えちゃう人だから....
それでも心のどこかで、来ててくれないかなと...
ずっと観客席を見て探してたんです
そしたら、2球目ですね
後ろにファールを打った時、その人を見つけたんです
あぁ、来てくれてたんだと...
そう思ったら不思議となんでもできる気がして...
ここでホームランを打って恩返しをしたい
今まで、支えてくれてありがとうの意味を込めて感謝を伝えたい
その一心でバッターボックスに立ってたので、打った瞬間、行ったとわかって嬉しかったですね
~~~~~~~
このインタビューの様子は、動画配信サイトでも配信されて、今に至る
和:すごいなぁ...
○○:ねっ!ほんとに
和:○○がオールスターか....
○○:そうね...
去年の自分に言ったら、信じてくれないだろうね
和:うん、絶対信じてくれないよ笑
○○:だよね笑
和:オールスターって....
よしっ!バイトのシフト被ってない!
チケット買わなきゃ!
○○:チケットもう完売だってよ笑
和:えぇ....
○○:だから...
家族席に来なよ
和:えっ!?そんなのあるの?
○○:これは選手の家族の内緒だよ?笑
和:えっ!うん!内緒!
○○:楽しみだなぁ...
和:うん!
そして迎えた当日...
バスから降りてロッカールームに向かう面々を見て思う
WBCの日本代表や、オリンピックの代表、最強助っ人...
凄い人達の中にいる自分
夢なのかと何度も思う
栗原:○○~、緊張してんの?笑
ソフトバンクで一緒にプレイしている栗さんが話しかけてくれた
○○:栗さん...俺、吐きそうっす
栗原:そんなに?笑
○○:はい...笑
栗原:まぁ初めてはそうなるだろうな笑
広報:栗~、○○の面倒みてあげな笑
栗原:うぃっす!
○○:すみません...
栗原:いいのいいの~笑
あっ!長岡選手じゃないすか!
長岡:栗、うるさいうるさい笑
栗原:いい身体してんな~
長岡:栗だってそうじゃん笑
栗原:あっ!うちの売り出し中の...
○○:いのう...
長岡:○○君でしょ?
○○:えっ?知っててくれてるんですか!?
ヤクルトの長岡選手
自分と同じ内野手なんだけど...
ゴールデンクラブを受賞するくらいの守備の名手
長岡:そりゃそうよ
こいつがずっと褒めてんだもん
栗原:だって、ねぇ?笑
長岡:○○君、こいつうるさい時はマジ言っていいからね
マジでうるさいっすって
○○:ふふっ、そうっすね笑
栗原:あ~、お前そんなこと言っていいんかな~?
○○:あっ!栗さん、すみません!
長岡:嫌な先輩だわ~笑
栗原:あっ!つい笑
長岡:○○君、またご飯でも行こ?
○○:はい!ぜひ!
栗原:やったー!
長岡:あっ!言い忘れてたけど、栗抜きでね!
栗原:おい!
長岡:うそうそ笑
じゃあバッティング練習だから行くわ
栗原:うぃ!
○○:あざす!
栗原:こうやっていろんな選手たちと話しておくんだよ
そうするといろんな情報が知れたり、交友関係が広がったりするから
○○:はい!
栗原:今宮さんとか全然話さんから笑
○○:えっ?そうなんすか?
栗原:うん笑
『栗~』
栗原:あっ!ちょっと行ってくるわ
いろんな人と話しておきな
○○:はい!
と言われても、一人になってしまった
準備はもう終わってるし...なんて思っていると...
『○○!』
自分の名前を呼ぶ声が...
和の声でもなかったし...
そう思って振り返ると...
あやめ:やっほー
○○:えっ?マジ?笑
そこには乃木坂46として活躍してるあやめの姿と乃木坂のメンバー数人が...
今回のオールスターのアンバサダーを乃木坂46が務めているらしく、始球式もメンバーがやることになっているらしい
ファンに見られて変に思われても嫌なので、中へ行って話をすることに
あやめ:久しぶり!
○○:おう!久しぶり!
連絡も毎回ありがとな
あやめ:いいえ~
でも、すごいじゃん、育成から支配下だもんね
○○:いやいや笑
あなたの方がすごいでしょうよ笑
期別曲でセンターでしょ?
あやめ:ふふっ、ありがと
登場曲にしてくれてるんだもんね
○○:そりゃするでしょうよ笑
幼馴染が頑張ってんだもん笑
敦は?元気?
あやめ:うん、たぶん
○○:連絡とってないの?笑
あやめ:だって忙しいんだも~ん
それより!ほら!
??:あっ...えっと...
○○:えぇっと...
??:え、遠藤さくらです
○○:あっ!あやめの幼馴染の井上○○です!
あやめ:今日さくちゃんが始球式やるんだ
ここさくちゃんの地元だから
○○:そうなんすか?
さくら:コクッ
あやめ:だからいつも以上に緊張しちゃって笑
○○:そうだったんだ
あやめ:そしてグラウンド見にきたら○○が暇そうに歩いてるから
さくちゃんとキャッチボールしてくれないかなって
○○:そういうことね笑
じゃあさくらさん、やりますか
さくら:じゃ、じゃあお願いします...
○○:じゃあ自分受けるんで、投げてみてください!
さくら:い、いきます...
フワッ
トンッ パシッ
○○:おー!ナイスです!
さくら:えへへ
○○:今度少し上目に投げてみてください!
さくら:はいっ!
行きます!
フワッ
パシッ
○○:おー!ノーバン!
すごいじゃないですか!
さくら:えへへ//
ありがとうございます
○○:この調子なら大丈夫ですよ
本番も上手くいきます!
さくら:やった♪
マネ:さくら~、始球式前のインタビュー行くよ~
さくら:はーい!
○○さん!ありがとうございました!
○○:いえいえ!本番頑張ってください!
さくら:はいっ!
そういって走っていった
○○:...あやめは行かないの?
あやめ:うん、○○と話したいことあったから
○○:ん?何よ
あやめ:...和との関係
○○:ん?あぁ...
あやめ:お母さんから少し聞いたけど...
○○:まぁな...
びっくりしたよ...
あやめ:そうだよね...
今まで姉弟って思ってた人と血が繋がってないってね...
○○:まぁでも、血が繋がってないってだけだし
姉が和じゃないっていうのは、なんかしっくりこないしさ...
あやめ:...ねぇ...
○○:何よ笑
あやめ:和のこと、どう思ってるの?
○○:だからさっきいっ...
あやめ:そうじゃなくて!
"異性として意識しないの?"
To Be continued...
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