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箔押し加工所コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃

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女子美術大学卒業。ものづくりへの熱い思いを抱いてコスモテックに入社。箔押しの匠 佐藤勇のもとで箔押しを1から学び、2019年4月コスモテックの現場リーダーに就任。 加工のお手伝… もっと読む
運営しているクリエイター

#日記

『 箔押し立ち会い 前田屋 』 開始

箔押し会社 コスモテックの現場リーダーを務める前田瑠璃。 幅広く多くの箔押し加工で、企業・デザイナー・同人作家をはじめとするお客様の制作のお手伝いをさせて頂いております。今回、前田よりコスモテックの新しいサービスのご案内をさせて頂きます。 その名も 『 箔押し立ち会い 前田屋 』 です。 ◉ サービス 『 箔押し立ち会い 前田屋 』 とは?販売するものは 『 コスモテックでの箔押し立ち会い体験 』 です。 『 箔押し立ち会い 前田屋 』 は、お客様の制作物に対して付けら

「続!箔押しの博覧会!『 大箔覧会 』」

こんにちは、現場の前田です。 1000パターンの箔押し表紙の箔押し加工でお手伝いさせていただいた『 デザインのひきだし46 』は、発売から1週間弱というすさまじいスピードで全国の書店・インターネット通販サイトなどで完売が続出。1000パターンの箔押し表紙と相まって、前代未聞の最速完売という驚愕の事態に、表紙加工を担当した私としても驚きを隠せませんでした。 本当にびっくりしました。 すごいです……。 そして今回、京都の堀川新文化ビルヂングで開催されている『 大箔覧会 』(

「Take a Note × Cosmotech のブックカバー」

こんにちは、現場の前田です。 今回はカメラマン・アートディレクターの Santin Aki さまからご依頼いただいた、台湾発の手帳 『 Take a Note 』 のブックカバーをご紹介します。 光栄なことにこちらのブックカバーは 『 Take a Note 』 とコスモテックのコラボレーション製品なのです! デザインから携わらせていただき、2種類のブックカバーを制作するお手伝いをさせていただきました。 『 Take a Note 』 に関する情報やブックカバーのデザイ

「箔押し加工の『 ムラ取り 』」

こんにちは、現場の前田です。 今回は箔押し加工に取り掛かる前の 「 ムラ取り 」 と呼ばれる作業について、ご紹介します。まずは動画をご覧ください。 日頃箔押し加工する際、動画内の銀色の土台の上に加工する紙を置いて、箔材を熱と圧力で紙に圧着させています。 動画内で、銀色の土台の上に薄い紙が幾重にも敷かれているのが動画から見ても分かるかと思います。 この時は、20層くらいでしょうか、薄紙を積み重ねています。 これが 「 ムラ取り 」 という作業です。 お客様が求めるかたち

「ななめに立ち上がるコレクションケース」

コスモテックの箔押しマスキングテープは美しいデザインと高度な箔押し技術によって現在まで様々な種類が販売され、ありがたいことに人気商品のひとつとなっています。箔押しマスキングテープをコレクションとして集めている人も多いと聞き、とてもうれしく思っています。 ◉ まるで宝石箱! 歴代のコスモテック箔押しマスキングテープを収納できるコレクションケースがついに発売! 今回発売するのは、箔押しマスキングテープを美しく収納できる紙製のコレクションケース、その名も 「 ななめに立ち上がるコ

「京極夏彦さま『 姑獲鳥の夏 ゴールド 』」

こんにちは、現場の前田です。 今回ご紹介するのは作家 京極夏彦さまの作家デビュー25周年記念を飾る、京極夏彦さまデビュー作 『 姑獲鳥(うぶめ)の夏 』(講談社) の特装本製作です。 なんと、一冊 十万円の本!!!一冊 十万円の超豪華な特装本!金箔に覆われた限定特装本で、装丁はブックデザイナーの坂野公一さまによるものです。 本革の表紙に総金箔、三方金加工も施され、さらにこの金色に輝く本には本を収めるための重厚感のある外函も付いています。 今回、コスモテックではこの外函へ

「箔押し13回押しで作る地球」

こんにちは、現場の前田です。 実は…今、コスモテックのPV( プロモーションビデオ )を作っています。 この企画が一番最初に動き出したのは、2018年5月中旬。 コスモテックの昔も現在もよく知っていてくださるアートディレクターの方に制作をお願いし、2年をかけたプロジェクトも完成まであとわずかとなりました。最高のメンバーの方々にお力添えをいただき、現在も完成に向けて邁進中です。 まだ一般公開されておりませんので、内容をくわしくお伝えすることはできないのですが、このコスモテッ

「えっ!?表紙がティッシュ!!全面箔押し加工に挑む。」

こんにちは。現場の前田です。 今回、お手伝いせていただいたのは、「 デザインのひきだし 39 」の表紙への箔押し加工です。コスモテックが今まで「 デザインのひきだし 」の表紙加工に携わらせていただいたのは今回で6回目です。 ○ 強者、現る!「 デザインのひきだし 」の表紙といえば、青焼き、複写伝票、役割を終えたお札が漉き込まれた紙などなど… コスモテックが今まで加工した表紙はどれも 「 果たして押せるものだろうか… 」 と尻込みしてしまいそうな素材ばかり。 そんな強者素

「W( ダブル )エンボス加工」

こんにちは、現場の前田です。 今回ご紹介するのは、「 W( ダブル )エンボス加工 」です。 通常のエンボス加工よりもエンボスの盛り上がりが強く、画像でもモコモコ感の凄さがおわかりになるかと思います。 この技法は、とある工房のベテラン職人さまをお訪ねし、直接伝授していただいた技法で、紙の種類や厚みによって盛り上がり具合も変化するため、現在も技法習得のため加工実験を繰り返しております。 加工実験では、薄い紙、厚みのある紙、ダンボールやパチカなど様々な用紙を使用しています。

「刻み込むような箔押し」

こんにちは、現場の前田です。 今回は10/21(月)〜10/27(日)まで銀座の森岡書店にて開催された Takram の渡邉康太郎さまの展示、『 コンテクストデザイン 』 で予約販売された特装本の加工をお手伝いさせていただきました。 こちらの本はブックデザインと編集をデザイナー / 編集者である長田年伸さま、表紙のイラストは Takram の太田真紀さまによるもので、加工の際にはお二人がコスモテックに立ち会いにいらしてくださいました。 本の表紙には題箋貼り( 本の表紙に

『 紙と箔、完全お任せ名刺 』作成キャンペーンについて

ある時、会話の中でコスモテックの現場リーダー前田がふとつぶやいた一言。「 紙や箔をご提案してみたいですね。 」 これをそのまま 「 じゃあやってみようぜ! 」 のノリで実施したのが、コスモテックの『 紙と箔、完全お任せ名刺 』( キャンペーン )です。 企画の立案から実施まで、全て前田が中心となって行っています。 一つの図案に対して、紙選び・箔選びは、前田( リーダー )で1パターン、太田( サブリーダー )で1パターンの計2パターンをお届けするという名刺作成キャンペ

越前和紙三部:「 長田製紙所の手漉き和紙 」

こんにちは、現場の前田です。 レポート第三部、ラストを飾るのは、工場見学の二社目 長田製紙所です。 第二部では山伝製紙が得意とする機械漉きをご紹介しましたが、一方、今回ご紹介する長田製紙所は昔ながらの手漉き和紙を専門としています。 長田製紙所では、全国でも珍しい手漉きの襖( ふすま )紙をメインとして製作されており、また、薬品を使用しない天然の原料のみを使用した和紙の製作も行っています。 現在では襖紙の他に、インテリア和紙として壁紙や照明器具などの装飾和紙の製作もされる

越前和紙二部:「 山伝製紙株式会社の機械漉き和紙 」

こんにちは、現場の前田です。 第二部では、工場見学の一社目 山伝製紙株式会社 についてご紹介します。 機械で和紙を漉く 「 機械漉き 」 を得意とする山伝製紙の和紙は、主にパッケージやお酒のラベルなどに使用されています。機械漉きは短時間で大量に製紙可能なため、昔ながらの手漉き和紙と比較すると価格が安いところが特徴です。 見せて頂いた工場はとても大きく、「 でんっ! 」 と佇む抄紙機もまた非常に大きく、圧倒されてしまいました。 ○ 機械漉きで一番大変なのは「 引掛け(ひっ

越前和紙一部:「 神と紙の祭り 」

こんにちは、現場の前田です。 今回は、ゴールデンウィーク中に行なった研修のレポートを三部に分けてお届けします! 私 前田と、箔押し加工やデザインを担当している辻は、和紙の生産量一位の越前和紙の産地、福井県越前市に行ってまいりました。 コスモテックの自社製品である、辻がデザインした「夏の彩」ななめリングノートには美しい和紙が使用されています。また、普段お客様からの案件でも和紙を使用する機会がよくあります。 今回の研修の目的は、それらの和紙がどのようにつくられているのか、機