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コスモテックという、ある箔押し屋の話

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十数年をコスモテックの営業として過ごした僕(青木)の思い、お客様・職人・コスモテックへの感謝を言葉にしたい。今だからこそ伝えられることがあるのではないだろうかと思い立ち、僕なりの… もっと読む
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#アート

「箔押しのコスモテックを見つける」

コスモテックの青木です。 この記事でご紹介するのは、箔押し印刷会社 コスモテックが取材していただいたり、加工のお手伝いをさせていただいたり、制作過程で何かしらの接点があった書籍、新聞、テレビ番組などです。 今から約20年前、僕は町工場の雰囲気漂うコスモテックの門を叩きました。その頃は取材を含めメディア掲載、書籍のクレジットとして載ることもゼロでした。 20年かけて少しずつ今のコスモテックへと変化し、振り返ればこんなにも沢山の出会いに恵まれ、まるで夢のようです。 個人出版

「コスモテックサンプル直売所 という お店を始めて10年目を迎えました」

コスモテックの青木です。 2014年4月21日、今からちょうど10年前、箔押し印刷会社 コスモテックの ECサイトとして 「 コスモテックサンプル直売所 」 という看板を掲げ、インターネット上のお店を始めました。そしてこの度、 2024年4月21日におかげさまで10周年を迎えることができました。 2014年の4月オープンに携わった身として感慨深いものが込み上げてきております。10年間応援し、一緒に走り抜けてくださった皆さま、本当にありがとうございました。 飾り気のない、

「 コスモテック、 『 デザインのひきだし 』 表紙加工 全10回成す 」

コスモテックの青木です。 2024年2月発売の 『 デザインのひきだし51 』( グラフィック社編集部 )では、コスモテックは通算10回目の表紙製作・加工のお手伝いをさせていただきました。 書籍の顔である表紙へ10回も押させていただいたという出来事は私にとって特別な思いがあります。 ◉ 6回目を超えた時の意識コスモテックがはじめて 『 デザインのひきだし 』 の表紙加工に携わらせていただいたのは、今から遡ること13年前。2011年 『 デザインのひきだし13 』 で青焼き

「 立花文穂さん 『 印象 』 図録、箔押し加工立ち会い(2023年2月27日) 」

コスモテックの青木です。 今回、アーティスト 立花文穂(たちばなふみお)さんの図録 『 印象 』 の表紙への箔押し加工でお手伝いさせていただきました。 ◉ それは突然の出来事立花文穂さんは、前田が女子美術大学に在籍していた時の恩師です。 前田は普段、大学時代の時の話をしてくれることがよくあり、その時必ず立花文穂さんの製作物や作品について、私も詳しくなってしまうくらい、前田がひときわ熱く語ってくれるのです。 それは突然の出来事でした。 なんと立花文穂さんから今回の図録 『

「香港のデザイン誌 BranD Magazine に掲載されました」

コスモテックの青木です。 今回、香港から刊行されている、世界中のブランドデザインとブランディングコンテンツを探求するデザイン雑誌 『 BranD Magazine 』 にコスモテックがお声がけいただき、掲載されております。 テーマは毎号ごとに異なり、コスモテックは今回 「 デジタル時代の印刷の力 」 を特集する号で、大変光栄なことに 『 BranD Magazine 』 よりお声掛けいただきました。 ご紹介していただいた記事は、コスモテックの現場リーダー 前田瑠璃が大き

「箔押しを愛する、すべての者たちへ」

おそらく過去に前例がなく、この先も二度と出会うことができない、そんな予感がするお仕事。それが、2022年6月発売『 デザインのひきだし46 』の表紙への箔押し加工です。 これはもう、『 伝説となること間違いなし 』でしょう! ・ 前代未聞!! 表紙が全1000パターン 紙が10種類、箔色は20色、腐食版と彫刻版の2つの版で繰り出す、今回の表紙のパターン数は、なんと1000パターン! 1パターンにつき14冊程度しか加工しないので、1冊1冊の希少価値が高く、どのパターンを手

「表裏一体」

コスモテックの青木です。 ちょっと不思議で、とてもうれしい体験をしたので、今回文章を書いています。 数年前よりコスモテックサンプル直売所( WEB STORE )の梱包・発送の際、今は亡き箔押しの匠 佐藤勇の木版画を描いた少し大きめの、目の引く活版印刷ラベルを貼り付けています。 ありがたいことに SNS で到着した製品の写真を公開して下さるお客様も多く見受けられ、中には匠ラベルをスクラップブックに収集して下さっている方、ご愛用のノートにペタっと貼って下さる方など、大切にし

「コスモテック出版 『 ぎぶ・みぃ・うぃすきぃ 』」

2019年11月に天国へと旅立った、 コスモテックの箔押し職人 佐藤勇。 確かな技術とどんな難題にも立ち向かうチャレンジ精神、そしてお茶目で親しみやすい人柄でたくさんの人達から愛された 「 箔押しの匠 」 でした。 その生前のつぶやき( ツイッター )をまとめ、文庫本化し、コスモテックサンプル直売所( WEB STORE )にて販売します。 書籍名は匠の大好きったお酒、ウイスキーにちなんで 『 ぎぶ・みぃ・うぃすきぃ 』 です。 本の内容は匠のつぶやきが時系列で綴られ、

THE COSMOTECH FILM "BIRTH of the EARTH"

コスモテックブログ15周年( 2005-2020年 )記念の一環で、有限会社コスモテックのプロモーションビデオ( PV ) "BIRTH of the EARTH" が完成しました。まずは、早速ですが、ご覧ください! ◉ 前田瑠璃(コスモテック)よりメッセージ 刮目せよ! 我ら箔押しのコスモテックなり! この地球という惑星で我らコスモテックの面々は黒子となり、 日々、人々の想いを箔に込め表現せし者である。 此度、名だたる表現者の力を借りて 創造せしコスモテックのPVを世

「コスモテックのブログ開設15周年記念特別セット」

2005年に開設したコスモテックのブログ 「ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ」 は、今年2020年で15年目を迎えます。コツコツと地道に更新を続け、記事数はいつの間にか1800を超えました。 今までこうしてずっと続けてくることが出来たのは 「 コスモテックという箔押し屋を頼ってきて下さるお客様がいるから 」 その一言に尽きます。 2019年の年末、長年コスモテックの箔押し加工を支えてきた箔押しの匠 佐藤勇が天国へと旅立ちました。そして、佐藤が貫き通した箔押し道の

「(もと)コズフィッシュとコスモテック」

2020年2月21日。 都内某所のタイ料理屋にて。 祖父江慎さん率いるコズフィッシュから独立した4名のデザイナー、吉岡秀典さん( セプテンバーカウボーイ )・佐藤亜沙美さん( サトウサンカイ )・鯉沼恵一さん( ピュープ )・福島よし恵さん、そしてコスモテックの青木と前田瑠璃の計6名でお食事会を行いました。 目的は、鯉沼さん・福島さんのコズフィッシュからの独立祝い! おめでとうございます。 ・セプテンバーカウボーイ | https://twitter.com/SEP_C

「2019年12月の青木前田」

2019年を振り返れば、本当に色々ありました。 11月には僕( 青木 )が入社以来、ずっと苦楽を共に二人三脚で歩んできた箔押しの匠 佐藤勇が天国に旅立ってしまい、翌12月にはその佐藤が掲載されている 「 印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像 」 の書籍が出版されました。 箔押し職人 佐藤勇 として掲載 書籍「 印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像 」 2019年4月に現場のリーダーに就任した前田と、年末最後に話した際、ぴったり同じ意見だったのが、「 色々

「名工の肖像」

令和元年( 2019年 )は、色々な出来事があった年でした。 大きな出来事としては、2019年4月にコスモテックの現場が箔押しの匠 佐藤勇から現場リーダー 前田瑠璃に引き継がれたということ。 11月には匠 佐藤勇が天国へと旅立ってしまったということ。 そして、来たる12月。 僕が楽しみにしていた書籍 『 印刷・紙づくりを支えてきた 34人の名工の肖像 』( 著者 雪朱里さん、写真 池田晶紀さん・川瀬一絵さん )が発売します。この書籍は、『 デザインのひきだし 』に長年連

「阿吽の呼吸」

コスモテックでは、僕が入社した2005年よりずっと前から一貫して、職人が一枚一枚の素材(紙)を手作業で機械に通して箔押ししております( 手差しの手動箔押し機「 アップダウン 」を用いて ) 便利な自動の箔押し機が導入されてからも、「 アップダウン 」は変わらず活躍し続けています。 紙の寸法や印刷物自体が大きい場合は、素材を機械にセットして箔押しする人、その隣で箔押しされた素材を機械から引っ張り出す人の二人組で箔押しすることが昔の主流でした。 二人の呼吸を合わせて一つの箔