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年の初めに、歩く目的を考えながら歩く

明らかに体が重くなった。歩き始めた途端、その事実を思い知る。体が重くなると、つまり太ると、運動する気が失せるという悪循環に陥る。何とかここらで食い止めねばならない。

今年の正月は、とにかく食べ過ぎた。三が日の主食の半分は餅を食べ、おせち料理をつまみつつ、お屠蘇と称して昼間から日本酒を飲んでいた。
言うまでもないが、餅はご飯の2倍くらいの密度がある。一見ヘルシーな「おせち料理」も、砂糖が多く含まれていて実は高カロリーだ。まして日本酒などは、糖分の塊を飲むようなもの。しかも、お屠蘇のレベルを超えて朝から杯を重ね、時に昼寝をしながら夜まで酔っていた。そりゃ太るな。

私はフリーランスなので、正月はダラける必然性がない期間だ。つまり、「正月くらい」という決まり文句が言えない。ただ、そうはいってもダラダラ過ごしてしまうのが正月の魔力。長時間にわたりTVの前から離脱できない駅伝中継が、それに拍車をかける(TVから離れた途端に順位が変わるのが駅伝の不思議なところ。結局見続けねばならない困った番組だ)。わかっちゃいるけど、やめられない。

…と前置きが長くなったが、三が日が瞬く間に終わり、ついでに4日もダラダラと過ごしてしまった。やっと年明け5日目の今日になって重くなり過ぎた腰をあげ、今年初のウォーキングを小一時間ほど実施した。時間は既に午後。日が陰りつつある谷間の道を歩きながら、こう考えた。

晴れた日も、日が陰ると一気に寒くなる。

ウォーキングを習慣にするには?

新陳代謝が低下した中高年の私にとって、運動は必須科目だ。意識して体を動かさないと、体内にカロリーが溜まり、体が重くなり、健康診断の数値が悪化する。困ったことに運動は、食事や睡眠と違い、やらなくても一日を過ごせてしまう代物だ。従って、意志の力に頼るのは禁物。一日(もしくは一週間)のルーティンに運動を組み込み、入浴や歯磨きのように習慣化するしかない。
ただし、ハードな運動だと敷居が高い。田舎暮らしの身にはジムも使えない。手軽にできる運動となると、高齢者でもできるウォーキングしかない。では、ウォーキングを習慣にするには、どうするか。

この命題を昨年から考え続けた結果、私はウォーキングに別の目的を持たせるのが良いという結論に達した。具体的には、何らかのテーマを考えながら、歩くことにした。思考の時間が減っていることへの危機感に、ウォーキングのニーズが合致したのだ。実際にこの文も、歩きながら言葉を紡いでいる。

アプリを活用したモチベーションアップ

しかし昨年、実際に歩けたのは月に10日くらい。思考しながらの歩行に効果は感じるが、歩く動機づけには弱かった。いくら仕事が立て込んでも、どれだけやる気がなくても、「歩かずにいられない」くらい強制力がある動機がほしい。食事や飲酒のように。(夜になると飲まずにいられないのは、逆に何とかしたい)

そこで今年は、歩く目的を増やすことにした。
まずは、ウォーキングアプリをスマホに複数入れ、使いこなすことにした。これまでも入れてはいたが、あまり使っていなかったのだ。入れたのは、「トリマ」、「Coke on」、「Strava」の3本。

「トリマ」は、歩数や移動距離に応じてマイルがたまり、ポイントと交換できるアプリ。もちろん還元率は小さいが、多少なりともポイントが貯まることはモチベーションにつながる。

「Coke on」は、コカ・コーラ社が出している自販機で飲料が買えるアプリ。ウォークチャレンジ機能が付いていて、1週間の歩数目標を達成すればスタンプがたまり、15個集まると自販機で飲料1本がもらえる。これも大した報酬ではないが、励みにはなる。

「Strava」は、オンラインサロンを通じて最近知ったアプリ。歩いたコースが地図上にマッピングされ、距離やタイム、平均速度と共に記録される。知人からも評価されるので、運動した感が半端ない。まだ一部の機能しか使えていないが、もっと使いこなしたいアプリだ。

歩く姿勢へのこだわりと、旅との融合

これらのアプリ以外にも、歩く目的を幾つか考えた。まず、歩きながら柔軟体操をすること。背筋をピンと伸ばし、肘を後ろに振り切って肩甲骨を伸ばしながら歩くと、背中の筋肉が伸びて心地よいことに気づいた。普段の私はデスクワークがメインなので、背筋を伸ばすことは身体にも良さそうだ。ただし、ふんぞり返ったように歩くので偉そうに思われたり、誰かとすれ違う時に恥ずかしいのがネック。
次に、歩くことを目的にした旅をすること。これについては説明が長くなるので別で書くが、観光にウォーキングを組み入れるのは効果的だと思う。そもそも会社員だった頃は、通勤という名のウォーキングを日々行っていた。地方に移住すると車が移動手段になり、日常生活において一気に歩かなくなるのだ。なので、せめて旅行は自分の足で歩くことを心がけたい。
そして、歩くコース中にチェックポイントを埋め込むこと。石仏、神社、記念碑や、そこでしか見えない風景など、自分が見たいと思える場所を地図で見つけておき、それを見に行くという目的を加えれば、歩く動機づけになりそうだ。

南北朝時代に作られた五輪の塔。こうした道端の文化財を探すのも楽しみ。


これで歩く目的の数は8つ。あと2つくらい目的を足して10個に達したら、どんなに忙しかったり、やる気がなくても、「歩かずにいられない」状態を作れる予感がする。果たして、今年は何日くらい歩けるだろう?



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