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【人工衛星が開発されるまで】帝京大学の宇宙機研究開発センターを見学!
はじめまして。
コスモ女子の榊原です。
今回はコスモ女子が大変お世話になっている柴田さんにお招きいただき、
帝京大学理工学部宇都宮キャンパスの宇宙機研究開発センター・河村研究室・鶴田研究室の見学にうかがいました!
キャンパスに到着!
宇都宮駅からバスで20分ほど移動し、キャンパスに到着しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1649373480127-EKdtbAUqYO.png)
宇宙関連の研究をするには広い土地が必要と考えていましたが、想像以上の広さのキャンパスで圧倒されてしまいました。
また、キャンパスの近くには教授の方々がお住いのマンションや学生寮などがあり、生活圏と一体となっている学術都市のような雰囲気の街並みでした。
キャンパスの入り口付近に「模型飛行機用 飛行場」の看板を発見しました!
![](https://assets.st-note.com/img/1649373513140-TW276wK4uE.png)
キャンパス内に飛行場があるなんて、すごくワクワクしますし、さすが航空宇宙工学科と感じました!思わず見学したくなりますね。
キャンパス入り口から5分ほど歩くと、今回見学させていただく研究室が所属している航空宇宙工学科入り口に。
![](https://assets.st-note.com/img/1649373541266-RNOOQU6kDt.png)
校舎内に入り、まずは取材の控室となる部屋へ案内していただきました。控室に入ったところ、壁に飾られているものがすぐに目に入りました。
それが、以下の写真になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1649373577522-DT8FyFnH8C.png)
これらはスペースシャトルのミッションワッペンで、JAXAに所属した経験のある教授から寄贈していただいたものだとご説明いただきました。
このミッションワッペンは、宇宙飛行ミッションに関わった宇宙飛行士やスタッフが身に着けるミッションエンブレムをかたどったワッペンで、非常に貴重なものを拝見させていただきました。
人工衛星の開発に必要なものとは?
校舎内の見学の前に、まず工学系クラブ「宇宙システム研究会」が人工衛星の開発に取り組んだ「TeikyoSat-4」プロジェクトについての説明を、宇宙機研究開発センターの河村政昭先生にしていただきました。
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河村先生の説明の中では、「とちぎ子どもの未来創造大学」の交流学習で使われたスライドも使ってお話しいただきました。
この交流学習は、「宇宙をより身近に感じよう!」というテーマで日常生活であまり触れることのない宇宙について、もっと興味を持ってほしいとの思いから開催されたイベントだったと語られていました。
参加したコスモ女子の皆さんも熱心に耳を傾け、積極的に質問するなどとても盛り上がった時間となりました。
個人的に特に興味深かったのは人工衛星のお話しでした。
まず人工衛星「おおるり」の話です。
「おおるり」は帝京大学で開発された人工衛星で、最大の特長は低コストで微生物などを使った生物系の実験を宇宙で実現することができるということだそうです。
宇宙で生物系の実験をするには、宇宙空間に微生物などを持ち込む際、搭乗する人間への感染リスクがあり、安全確保のためにお金や時間がかかります。
しかし、超小型人工衛星を使用することで無人空間をつくることで感染のリスクなどを考慮せずに宇宙空間に運び出して実験できるので、安全審査も通りやすく、手軽にできるという理由でJAXAに採択されたそうです。
そして、人工衛星を家に例えた話も興味深いものでした。
「おおるり」は微生物が搭載されている人工衛星のため、疑似的に「ひと」(今回の場合は、微生物)が住む「家」(今回の場合は、人工衛星)を宇宙空間に送り出している形になります。
そのため、下記の注意が必要になります。
壊れない家づくり(機体システム)
快適な温度、湿度(熱制御システム)
電気が欲しい (電源システム)
外の情報が欲しい (通信システム)
日当たり、景色 (姿勢制御)
逆に、違いとしては「大きさが違う(家は大きいがおおるりは小さい)」「空気の有り無し(家のまわりは空気があるがおおるりのまわりにはない)」等があげられるそうです。
いよいよ見学へ!
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研究室の学生さんの居室の前を通りつつ、まずは管制室(地上局)の見学から。
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地上局の設備と「おおるり」の運用方法についてご説明いただきました。
宇宙機研究開発センター/宇宙システム研究会の地上局の設備は平均的なものよりこだわっている方だそうです。
ただ、本音をいえばディスプレイを増やすなど、もっとこだわりたいというお話を伺い、研究に対することだわりの深さを感じました。
コスモ女子会員のメンバーも間近で覗き込むなど興味津々な様子で研究室の方へ質問をしていました。
運用の流れは宇宙システム研究会に所属している1年生の方からご説明いただきました。
まずは、「おおるり」と通信できるタイミングについてお話しいただきました。
通信するために、朝2回、夜2回でシフトを組んで運用しており、「おおるり」は衛星と太陽の位置関係が常に同じになるような軌道(太陽同期軌道)なので、規則的な時間に通信時間がくるそうです。
どのタイミングで衛星が来るかは「CALSAT32」という衛星の軌道計算ソフトで事前に一週間分取得するそうです。
1回の通信時間はわずか10分ほどで、その間に衛星の識別コードやテレメトリデータの受信(モールス符号)、コマンド送信、コマンド応答データの受信を行っているそうです。
続いては、屋上に移動しアンテナの見学をしました。
こちらでは八木アンテナとパラボラアンテナの2つで運用しているとのことです。
![](https://assets.st-note.com/img/1649373827480-hYbwT0KxWy.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1649373831213-5MJJ7ZUOb7.png)
現在「おおるり」との通信で使用しているのは八木アンテナで、帝京大学ではクロス八木アンテナを使用しているそうです。
パラボラアンテナは「おおるり」の後期運用で使用する予定で、現在別の衛星の送(削除)受信に使用していて、クロス八木アンテナは低い周波数、パラボラアンテナは高い周波数を受信するのに向いているという特長があることを教えていただきました。
また、アンテナの設置時や運用時の苦労されているお話も伺いました。
アンテナを設置するためには避雷針の圏内に設置しないといけなかったり、土台の設置が必要なため、設置場所がかなりの重さに耐えることができる場所でないといけなかったり等の制約があります。
また、運用開始後もアンテナを向ける方角によっては衛星のデータが受信出来ない事象が発生したりと気をつけないといけないことが発生したりしたそうです。
最後はクリーンルームの見学をしました。
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クリーンルームは空中にほこりが飛ばないようにフィルターを通した、きれいな空気が循環している部屋のことです。
クリーンルームに入る際には「クリーンルームダスター」と呼ばれるエアシャワーの部屋を必ず通り、人体についているゴミ、ホコリ、毛髪、害虫などを安全かつ効果的に取りのぞきます。
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こちらは「スペースチャンバー」と呼ばれる試験設備です。
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![](https://assets.st-note.com/img/1649373895923-bPluvTZrX4.png)
スペースチャンバーは中で擬似的に宇宙空間をつくり、人工衛星の試験をすることができます。温度もマイナス180度から100度まで変えることができるそうです。帝京大学のスペースチャンバーは特注品で、人が2、3人入れるほどの大きさがありました。
このレベルの大きさのスペースチャンバーを持っている大学は非常に珍しいため、一般企業が利用をするために来ることもあるそうです。
人工衛星の打ち上げにますます期待!
参加したコスモ女子会員の皆さんも「普段目にすることがないものを沢山見ることができて楽しかった」「自分たちがやっていることの完成系をイメージしやすくなった」と充実した様子でした。
私も見学する中で、帝京大学の「おおるり」打ち上げから現在の運用に至るまで、栃木県の県民や企業の協力、そして学生の方の諦めない心があったからこそ成功したのだと感じました。
今後のコスモ女子での活動がますます楽しみになってきました!
貴重な機会をありがとうございました。
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