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【宇宙食の条件とは?】意外と知らない宇宙食の豆知識と歴史

コスモ女子が立ち上げた宇宙食部は、食を通じて宇宙の魅力を発信しています。
今回は宇宙食の歴史から宇宙食に必要な条件など、宇宙食のマメ知識をまとめます。



宇宙食の始まりとは??

宇宙食の始まりは、1961年にソビエト連邦が開発したものでした。

初めは宇宙空間で食事をすると、無重力のためうまく喉を通過せずに「喉に詰まるのではないか?」との懸念から、チューブやペースト状でした。当時の宇宙飛行士が食べた感想として、「離乳食のようだ」と言われるほど不満が多いものでした。 

10年後の1970年代では、乾燥食品や干し柿、レーズンなどの中間水分食品と呼ばれる食事に変わりました。
そこからさらに、乾燥食品に水を加えられるウォーターガン※が機内に積み込まれ、徐々に固形の食事をとることができるようになりました。

※乾燥食品の袋にはアダプターがつけられており、その部分からウォーターガンと接続して水を入れることができ、食品を加水できるものになっています。

この頃には宇宙飛行も4ヶ月と長期になっており、食事の時間も大切になってきたのだと思いました。

1980年代には、地上の食事に近いものがでてきました。
例えば、レトルト食品、自然形態食品(ナッツやクッキーなど)、生鮮食品(新鮮な野菜や果物など)が食べられ始めました。また水やお湯で元に戻すインスタント食品やオーブンでレトルト食品やご飯、料理を温めることができます。

2008年からはISS(国際宇宙ステーション)で長期滞在するため、5日間のローテーションが組まれた食事になりました。宇宙食を加工する技術はどんどん向上し、宇宙飛行士が特別に食べたいものもJAXAの宇宙日本食事務局の審査にクリアしたら、持ち込んで食べることができるようになりました。※1

宇宙でも地球と同じ食品や同じ状態で、当たり前に食べている今の食事のありがたみを感じました。


「宇宙食」の必要な条件とは?他の食品とどう違う?

私は、宇宙食が上記で上げたような乾燥食品や冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品など、地球とさほど変わらないものばかりだと思っていました。

しかし、単純に地球と同じような食品を持ち込めるわけではありません。
ここからは、「宇宙食の条件」について5つに分けて書きます。

・できるだけ軽量であること
宇宙への積載量に限界があること、そしてコストがかかるので軽量であることが大事です。
1キログラムを宇宙に送るのに、100万円ほどかかるとのことで経費削減も含めて考えているのだと感じました。

・宇宙船内で長期保存ができること
宇宙に物資を送るのも簡単にできず、日数もかかるため長期の保存を行えるものとなります。冷蔵庫もないため、常温の船内でそのまま管理できることも必須と言えます。

・強い臭気をともわないこと
宇宙船内では窓を開けて換気ができないため、香りが強い食品の制限もありました。

・飛散しない
宇宙船内には大事な機器がたくさん使用されているため、食事の欠片が機器トラブルにつながるので、リスクを避けるためとろみをつけて加工しています。
特に水分は容器に入っており、ストローで飲むように工夫しています。

・栄養価が優れていること
宇宙食のみで栄養摂取することになるので、大事な要素です。
1日3回の食事でストレスも軽減していくため、甘味やデザートなどの娯楽要素も考えられています。

他にも、搬送する時の温度変化に強いことや衝撃に耐えるもの、特殊な調理器具を使わないことも大事でした。

冷凍食品とは保存方法から違ったので、宇宙食のイメージと似ていないと思いました。
ただ乾燥食品やレトルト食品、インスタント食品は、長期保存できることや調理次第で栄養価が高いところが似ているなと感じました。※2


「日本食」も宇宙食として開発されている!

ISSでの滞在は長期だと半年にもなり、日本食が恋しくなると宇宙飛行士の要望があったことから、2004年に「宇宙日本食」と呼ばれるプロジェクトがスタートしています。※3

JAXAが定めた「宇宙日本食認証基準」を通った食品が「宇宙日本食」として認証され、2023年現在で30食品が選ばれています。

この中には、白飯や赤飯、サバの味噌煮、サバ醤油付け缶詰、きんぴらごぼうなど、馴染みの深い日本食が作られています。

宇宙で白飯とサバの味噌煮をセットで食べられるのは、実家を思い出すので面白いなと思いました。

ちなみに、サバ醤油味付け缶詰は福井県若狭高等学校の高校生が作りました。※4
先輩から後輩へと引き継ぎ、12年の歳月をかけて完成した食品とのことで会社以外でも研究開発できるものだと驚きでした。

身近なもので、日清のカップヌードルやUFOのカップ焼きそばもあります。
宇宙船の環境に合わせて、70度のお湯で麺の湯戻しができ、一本一本の麺は一口大の塊にし、スープやソースも粘度を高めて飛び散らないようにしています。

日常で食べているものが、宇宙でも食べられると地球にいる感覚で安心できそうだなと感じました。


まとめ

宇宙食は自分たちが地球上で食べているものに近づいてました。
徐々に身近な食べ物も宇宙食に変化して、食べられそうだなと思い、宇宙の旅行も身近になってくるのかなと感じました。

宇宙食はネットやドンキホーテ、スーパーなど変える場所が多いので、まずは自分も買って食べてみようと思いました。

今回の記事を見て宇宙食に興味が出た方は、ぜひ一度食べてみてください。


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【参考文献】

※1、※2
JAXA公式HP「宇宙日本食の申請について」
JAXA公式HP「宇宙食の条件」

※3
JAXA公式HP「宇宙日本食」

※4
科学技術振興機構「鯖街道から宇宙へ! ~高校生がつくったサバ缶がJAXA認証の宇宙日本食に~」


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