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【コスモ女子勉強会】スペースX社から学ぶ宇宙ビジネスと宇宙事業の展望に期待

第5回コスモ女子勉強会「スペースXの宇宙飛行が拓く宇宙ビジネス」

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2020年6月23日に第4回となるコスモ女子のオンライン勉強会が開催されました。

私たちコスモ女子は、株式会社KanattaがSDGs5番目の目標である「ジェンダー平等の実現」をミッションに掲げ、世界初の女性のみで構成されたチームです。
そして、女性だけで人工衛星を打ち上げる【コスモ女子プロジェクト】を発足しました。
最前線にいる講師の方から学び、宇宙関連で女性が活躍できる場が増えることを目指しています。

前回は、"世界各国に語り継がれる宇宙について"をテーマに開催しました。

第3回イベントの様子はこちら

第4回となる今回は、宇宙ビジネスコンサルタントとして活躍中の大貫美鈴(おおぬき みすず)さんをお招きし、「スペースXの宇宙飛行が拓く地球低軌道(LEO)の宇宙ビジネス」をテーマにお話しいたいただきました。


宇宙ビジネスの最前線、COTS(商業軌道輸送サービス)とは

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宇宙ビジネスがより身近になったきっかけのひとつが、2005年から始まった、COTS(商業軌道輸送サービス)です。
COTSとは、民間がおこなっている飛行サービス・宇宙事業を政府が購入するというサービスのこと。
これまではNASAが政府の予算内で宇宙開発を行っていましたが、これからはNASAが民間企業の顧客になるという、新しいビジネスモデルについてお話しいただきました。

これまでの国際宇宙ステーションは、日本を含む15ヵ国の政府が建設、政府選出の宇宙飛行士が滞在するのが基本。
しかし、ISSに宇宙飛行士が滞在開始してからわずか半年後の2001年4月には、一般の人が宇宙旅行として滞在する宇宙観光が始まり、いわゆる「商業利用」が開始されました。

さらに、世界での宇宙ベンチャー企業が約1500社以上増えるのと比例して、国際宇宙ステーションも商業利用が増えてきました。
小型衛星の放出や3Dプリントなど、商業ビジネスの拠点となっているようですが、今後は宇宙ホテルの開発に取り組むなど、さまざまな事業が実現されていくそうです。


スペースX社の有人宇宙飛行は宇宙服もスタイリッシュ!

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とりわけ大貫さんが注目されていたものは、宇宙服!
今回は、スペースX社のクルードラゴンとボーイング社のスターライナーで採用されたものをご紹介いただきました。

写真から見てもわかるように、スペースXの宇宙服はとてもスタイリッシュで、見慣れたスペースシャトルのオレンジ色の宇宙服より、とてもスマートです。宇宙船での操作がスイッチやレバーからタッチパネルに変わりましたが、細かな操作ができるグローブで対応できるようになっています。

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大貫さんいわく、宇宙服は、宇宙船の設計や環境に合うように設計をされていて、宇宙船と宇宙服は一緒にデビューするということです。

また、イーロン・マスク氏が率いるスペースX社では、宇宙服の開発にハリウッド映画の衣装を手掛ける人が携わっているんだとか!
政府主導の宇宙開発から、民間企業の活躍を示す証として、”宇宙服”の変化はとてもわかりやすいものでした。
これから飛び立つ各国の宇宙飛行士の宇宙服、大注目です!


民間企業もはじめから一緒に月を目指す!

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最後に大貫さんがお話してくださった「月面着陸」の話には、参加者一同心おどりました。
今、世界の全宇宙機関が、一緒に月を目指す計画が進んでいます。
2024年には、人類(宇宙飛行士)が月にもういちど着陸することを目指していく。その皮切りとして、2021年から民間企業がつくった月面探査機や物資を運ぶ輸送プログラムが始まる予定です。

政府だけではなく、民間の宇宙ベンチャー企業や、これから宇宙事業に参入する企業などが一丸となって、月での持続的な活動、さらには火星居住を目指していきます。

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宇宙開発が進み、宇宙産業も発展し、国際宇宙ステーションや軌道の中で1万人が宇宙を行き来するだろうと言われている現代。
夢のように語っていた月面着陸や火星居住、職場が宇宙に、なんて未来も、もう目の前に来ているようですね。


さいごに

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専門的なお話の間に、コスモ女子向けにこんな女子トークも。
大貫さんが実際見に行かれたスペースシャトルの打ち上げでは、誰もが知る宇宙飛行士・山崎直子さんが飛び立ちました。
その2010年4月のフライトは、過去最多となる4名の女性宇宙飛行士が搭乗していたんだそう!

政府や世界から注目されるほど大規模な宇宙開発や宇宙事業に、世界各国の女性が活躍されていることは、とても嬉しいかぎりです。

今回の大貫さんのご経験と豊富な知識から、宇宙ビジネスについてわかりやすくお話していただき、これからの展望について理解を深めることができました。
また、宇宙に詳しくない方でも、そう遠くない未来、月や火星が生活圏に入るイメージに、ワクワクしたのではないでしょうか。


コスモ女子では、宇宙が大好きな方から、宇宙に少し興味が出てきた方まで、多くの方に宇宙の魅力をお届けできるよう、今後も幅広く宇宙にまつわるイベントを開催・発信していきます。

次回は、7/7(火)に「室内で星空を楽しむ」をテーマに、リピーターが続出のプラネタリウムイベントを主催されている岩﨑 聡(いわさき さとし)さんをお招きします。「夏の大三角である織姫・彦星にまつわる神話をベースに、そこに関わるブラックホールとの関係」について、お話しいただく予定です。

女性だけのチームで人工衛星を打ち上げる

宇宙に興味のある女性の皆さん、コスモ女子として一緒に盛り上げていきましょう!


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講師プロフィール

*米スペースフロンティアファンデーション/大貫美鈴さん

米国の宇宙企業100社以上が所属する米スペースフロンティアファンデーションに所属し、革新的商業宇宙開発を推進するニュースペースの活動に取り組む。清水建設宇宙開発室に勤務後、ボストン滞在中に米国各地の宇宙ベンチャー企業の躍動感に衝撃を受ける。
JAXA(宇宙航空開発研究機構)での勤務を経て独立。現在は宇宙ビジネスコンサルタントとして、事業開発、市場開拓、調査、アウトリーチなどで一年の半分以上は世界中を飛び回っている。また、宇宙起業家養成講座の講師や、宇宙での衣食住遊、宇宙ファッション、宇宙ウェディングなどを通して身近な宇宙を広めるためのプロジェクトに参画。清水建設の宇宙ホテル構想提案以降、宇宙旅行はライフワークになっている。著書に「宇宙ビジネスの衝撃」(ダイヤモンド社・2018年)、「宇宙旅行入門」(東京大学出版会・2018年・共著)、「来週、宇宙に行ってきます」(春日出版・2009年)、「宇宙で暮らす道具学」(雲母書房・2009年・共著)などがある。雑誌や新聞での取材も多数。

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