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【コスモ女子勉強会】NASAの火星コンテストで優勝!火星の氷の家〜宇宙建築と今とこれから〜

こんにちは!コスモ女子のセナです。
先日、コスモ女子のオンラインイベントに参加してきました♪

今回のテーマは「宇宙建築」

講師を勤めていただいた曽野さんより、宇宙建築の今とこれからについてたくさん質問もさせていただきながら学ぶことができました。
これからの宇宙建築の未来を想像するだけでもワクワクする時間になりました♪


宇宙建築とは?宇宙建築の今とこれから

曽野さんは現在、Clouds Architecture Office(クラウズ・アーキテクチャー・オフィス)のアソシエイトとしてご活躍されております。
NYを拠点に、数多くの住宅・公共施設から宇宙建築に至る幅広い設計に携わっておられます。
Clouds AOの代表的なプロジェクトとして、『スタテンアイランド9/11メモリアル(慰霊碑)』(事務所代表曽野正之単独作品)や『イッセイ ミヤケ ニューヨーク SOHO(ブティック)』などがあり、アメリカ建築家協会やNY市などから高く評価され様々な賞を受賞しています。

▲ スタテンアイランド9/11メモリアル(左上)、イッセイ ミヤケ ニューヨーク SOHO(右上)など (コスモ女子撮影)

幅広い建築物の設計に携わってこられた曽野さんたちですが、宇宙建築に携わるきっかけは
『災害から逃れられる空中建築』というコンセプトのもと、災害時に逃れられる建築として空中や低軌道に人が住む空間を提案していたことだったそうです。

▲ Clouds AOの空中建築と宇宙建築

実際に空中建築を設計していく中で、「宇宙建築」という分野を知り、その歴史や奥深さに興味を持ったとお話しされていました。
宇宙建築の魅力に触れていったことで、設計するフィールドが大気圏外、宇宙空間、太陽系の惑星とどんどん幅が広がっていったそうです。

▲ 空中建築の提案の一つ、アナレンマタワー

災害対策や場所を選ばない建築として小惑星を利用して空中から吊り下ろした高層建築等が提案されています。


火星住宅コンテスト優勝!!火星の氷の家 Mars Ice House

様々な仮想建築のプロジェクト提案をしていく中で、「宇宙建築」の魅力に惹かれ、曽野さんたちは大きな転機を迎えます。
2015年に開催されたNASAの火星住宅コンテストのコンペに参加され、優勝という輝かしい功績を残されました!!

このコンペに出す居住空間には設定があり
・定員4名
・面積93㎡
・1年間の長期滞在
・建築材料は現地素材と3Dプリンターを使って宇宙飛行士が到着する前に建築する
というものでした。

曽野さんたちが試行錯誤を繰り返す中で誕生した建築物が『Mars Ice House』です。

今まで提案されてきた火星での建築は、コンクリートシェルターのような地下やレゴリスに建てられたものが多く窓がないものがほとんどで、室内が暗くて狭いために長期滞在が難しいという欠点がありました。
そこで曽野さんたちは火星にある「水」を材料として着目し、これまでの建築ノウハウを活かした採光と居住性を考えた提案を行いました。

材料となる「水」はロボットが地底の氷を採掘して溶かし、強度を高める添加物を加えて再び地上で凍結させる方法をとりました。
この氷を3Dプリンターで造形し、氷の壁をつくるという画期的なアイデアで、壁の透過性をあげ採光しやすくなったことで、植物を育てることも可能になります。
また、外の眺めを見ることもでき、暗くて狭いという課題をクリアすることができました。

▲ Clouds AO提案のMars Ice House

そしてこのコンペでの優勝をきっかけに、NASAの研究所のグループと共同で氷を用いた火星住居『Mars Ice Home』の設計を行うことになりました。
現在は外造材サンプルを国際宇宙ステーションから宇宙に出して行う、曝露(ばくろ)実験を行ったところです。
少しずつ形になっていくのが実感できますね。


仮想提案の具体化プロジェクト

曽野さんたちはできたらいいな、ではなく、実際に実現化に向けてさまざまなプロジェクトに取り組まれております。

①アバターXプロジェクト
ANAとJAXAのプロジェクト、アバターXでは将来的にアバターロボを月面に着陸させ調査するための研究を行っています。
曽野さんたちは大分にこのアバターXの研究所を設計する際に、元の敷地を生かして月面をリアルに再現した環境をつくり、ロボットのテストフィールドとなるクレーター上に浮くラボを設計しました。
『断熱性を持つ素材や超軽量の建材を使って建物をつくり、それをケーブルで浮かす』という構成により、敷地から独立して安定した空間を実現したり、小さな建物容量で高いパフォーマンスを実現できるそうです。

▲ アバターXプロジェクトでの建築(コスモ女子撮影)

また、こうした宇宙建築の設計をすすめる中で開発した技術は、地球上で応用することができるため、地球環境や私たちの生活にも役に立てることができるそうです。

②スフィアプロジェクト
このプロジェクトでは宇宙建築のアイデアを逆輸入して考案された建築物になります。
スフィアは火星住宅コンテストのコンセプトをヒントにつくられた建物で、3D自動建築と3Dプリントを利用してつくられたものです。

▲ SPHERE(スフィア)プロジェクト(コスモ女子撮影)

実用化に向けて、すでに量産販売されることが決まっており、まずはグランピングなどに使われる予定だそうです。
見る角度によって見え方が異なる、無限のバリエーションを持ったとてもユニークな建築物です。

▲ 実際に3Dプリンターで建築されたスフィア(コスモ女子撮影)


今後の宇宙建築

▲ 最後は恒例の「C」マークで記念撮影(コスモ女子撮影)

民間企業が宇宙事業に参入してから宇宙技術は飛躍的に発達しており、月や火星への到達目標時期が段々と短くなっているそうです。
宇宙技術の進歩と共に、今後の宇宙建築のさらなる進化と成長が楽しみですね。
勉強会後のコスモ女子限定交流会では、曽野さんからより深いお話をたくさん聞かせていただきとても貴重な時間を過ごすことができました!

今後のコスモ女子の活動に目が離せませんね!
次回もお楽しみに♪


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