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【お月見の豆知識】歴史からみるお月見にふさわしい食べ物

今年の9月29日は、十五夜と呼ばれる日です。
十五夜は、旧暦の毎月15日の夜のことですが、この日は一年で最も月が綺麗に見える日なので、お月見をする方も多いと思います。

今回は、お月見の歴史と食べ物について書いていきます。


お月見文化は平安時代から!お月見のイメージと実際の違い!

お月見は、十五夜に団子を食べながら月を見るというイメージを持っている方も多いと思いますが、実際にどんな歴史や意味があるのかを調べてみました。

まず十五夜とは、二つの意味があります。
一つは、新月から数えて15日目を表しています。この意味だと、毎月の十五夜があることになります。
もう一つは、旧暦の8月15日に行われる月見行事のことです。
一般的に知られているものはこちらの意味だと思います。

十五夜にお月見をする文化は、平安時代に中国から伝わったものです。※1
中国では、丸い満月は団欒の象徴と考えられており、家族や親しい友人と過ごしながら満月に似た「月餅」を食べていました。
その後、平安時代に中国からお月見の文化が貴族に広まりました。
初めは月を見ることを楽しむのではなく、水面や盃に映る月を楽しむもので、現代とも中国とも全く違うものであったようです。
800年経った江戸時代に庶民へと広まり、作物の収穫の時期と重なることから、収穫の喜びと感謝を表す行事へと変化し私たちの知るお月見に近い形になりました。

先ほども述べたようにお月見をする日は、旧暦の8月15日を指します。旧暦は月の満ち欠けで日付を決めるもので、普段のカレンダーで見る日付けとは違うものです。

また、もう一つの驚きだったのはお月見をする日は必ず満月でないということでした。満月になるかどうかは、太陽と月の位置関係があり、新月から満月に15日でちょうどなるわけではなく、時期によっては13.9~15.6日と変動があるそうです。※2

満月ではないですが、時期的に空気が乾燥し、水滴やチリが空気中にないため空気が澄み、一番美しい月が見れるため、お月見をする日としては最適なことには変わりなかったです。※3

お月見はなぜススキと団子?

最近は家庭で見かける機会は少ないですが、お月見で連想されるのは団子やススキではないでしょうか。

団子やススキがどうしてお月見のイメージになるかというと、もともとは収穫を祝う行事・習慣としてあったからだと言われてます。

最初は、芋の収穫を祝って里芋の新芋を供えていました。
さらに、里芋には1つの種芋からいくつも芋が増えていくので、子孫繁栄を祈願して置かれていました。日本に米食が普及する前は芋が主食でしたが、広く米が普及した後は米を練って作られた団子になり、丸い団子は里芋を模した形とも言われています。

一般的にはこれらの芋や団子を15個用意し、ピラミッド状に積み重ねます。
15個用意するのは十五夜であること、ピラミッド状に重ねるのは天高く登る月に願いが届くように祈願するためです。
何気ないピラミッド状の団子でも、意図が込められていて素敵だなと思いました。

団子以外に「ススキ」も備えてあるのが一般的です。
「ススキ」は稲穂に見立てたもので、米の豊作を願って供えられたと考えられています。
また、ススキには神様が宿る、ススキの鋭い切り口が魔除けになる、という言い伝えに由来してます。

お供えするもの一つ一つに意味があるところが、日本の情緒深さを物語っているなと感じます。※4

なぜ、うさぎは月でお餅をついていると言われている?

月の模様を、うさぎがお餅をついてる姿に見える人もいませんか?

理由は2つあり、1つは月の黒い部分がうさぎに見えると言われていることです。
こちらは以前に「月の模様は何に見える?うさぎが餅をついてる理由とは」で記事を書いています。

月にうさぎがいるお話の由来はインドから来ていることや、世界で月の模様はうさぎ以外にカニや女性の横顔に見えるなどの内容が書かれています。

インドの神話を基に、日本では「今昔物語集」にある「月の兎の伝説」が書かれていると言われています。※5
要約すると、神の姿をした老人の空腹を満たすため、うさぎ食物を探しますが、見つけることができず、自分が火の中に入って自分の身を差し出したお話です。その後、神である老人がうさぎを月の中に残し、月を見たらうさぎの行いを思い出させるようにしました。※6

うさぎの健気な努力が月に残されているのだと感じ、月を見るたびにこの話を思い出しそうだなと思いました。

うさぎが餅つきをしているも、いくつか理由があるそうです。
先ほど話した物語でうさぎが老人のために餅つきをしていることや、うさぎが月で食べ物に困らないためと言った説があります。

また、中国で「月のうさぎは杵で不老不死の薬をついている」と言われてます。漢方薬は小さな臼と杵で薬草を細かく砕いて作っているからです。日本に伝わった時には、杵で臼をつく姿から薬ではなく餅に変わったとも言われています。日本では満月のことを『望月(もちづき)』と呼びます。
この「望」が餅に転じ、十五夜のお月見でうさぎが月で餅をついているとなったのではないか、秋の収穫時期の行事と重なり、五穀豊穣を祝う意味もあり、餅つきをしているとなったのではと伝えられています。※5

色々な諸説がありましたが、全て縁起のいいものでお月見をしながら昔の歴史を振り返れそうだなと感じました。

まとめ

自分が思っていたお月見のイメージと違い、昔からの歴史もあり、団子やすすきなどのお供物に深い意味があったので、今年のお月見は去年よりも楽しめそうだなと感じました。

今年の十五夜が晴れてお月様が見れることを祈りながら、十五夜を待ちたいと思います。

【参考文献】

※1
ニッポン放送 NEWS ONLINE「明日は十五夜 平安貴族のお月見は水面を見た?」

※2
国立天文台(NAOJ)「名月必ずしも満月ならず†」

※3
Coeurlien(クリアン)「2023年の中秋の名月はいつ?お供えをして月を愛でよう」

※4
じゃらんニュース PRODUCED BY RECRUIT
十五夜とは?2023年はいつ?お月見の風習を解説!月見団子やススキのお供え方法も


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