【コスモ女子イベント】月はどのようにしてできたの?月探査から読み解く月の起源と進化
2022年4月19日にコスモ女子のオンラインイベントを行いました。
今回はコスモ女子メンバーのあいさんより、「月の起源」についてお話しいただきました。
月の起源はどの時代から語られてきたのか、月面探査と起源の関係、現在の最有力説の紹介など、「月の起源」を詳しく知ることのできる時間となりましたので、そのときの様子をお届けします!
月の起源の歴史
月の起源について書かれた最初の学術論文は1878年に発表されたものであるといわれています。
この論文(Fossion Theory)では、「大昔に地球が高速で回転し、遠心力によってちぎれた一部が月になった説」を提唱しています。
その後1960年代に月の起源にまつわるさまざまな説が出てきましたが、大きく分けて「分裂説」「捕獲説」「双子説」の3つの説が有力になったといわれています。
あいさんから1960年代に有力とされていた3つの説について、説明していただきました。
1.「分裂説」:地球の一部が自転によって離れ、月になったという学説
2.「捕獲説」:他の天体が地球の近くを通過した際、偶然地球の引力により捕獲され引力がつり合い、地球の周りを飛ぶ衛星になったという学説
3.「双子説」:地球が誕生した時、同じ条件で双子のように誕生したという学説
これらの説が正しいかについて、検証するきっかけとなった出来事が1969年の「アポロ11号月面着陸」で、地球に月の岩石を持ち帰ったことにより、月の岩石成分を調査できるようになったことで、月に対する研究が飛躍的に前進しました。
サンプル採取により発覚した、月になるための条件
アポロ11号が回収したサンプルの分析により、当時は謎であった「月のなりたち」について、細かな条件があることが推測できるようになりました。
具体的な「月になるため」の条件は5つあり、詳細は上図の内容となります。
最も重要な条件は5つ目にある「酸素同位体比が地球とほぼ一致」という条件で、これは簡単に言い換えると「月と地球の岩石はもとの材料が同じ」であることを示しています。
これにより、「捕獲説」と「双子説」が否定されることになり、「分裂説」は残りましたが、高速回転によって地球の一部が分離するということは条件の1つ目「地球-月系の各運動量が一定」(2つの惑星が同程度の運動量をもっていること)によって否定されることになりました。
当時主流だった3つの説は、サンプルの分析によって全てが間違っていることが分かったのです。
現在で最も有力な説は?
1960年代に有力とされた3つの説が否定された後、月の起源について、様々な学説が議論されていきましたが、その中で登場したのが「ジャイアントインパクト説」です。
これは、地球に他の惑星がぶつかった際、地球が砕け、その欠片が月になったという説です。
先ほどの5つの条件との矛盾も無いため、現在では最有力説となっています。
しかし、これにも疑問が残ります。
「どのような惑星がどのようにぶつかったのか」
「ぶつかった後、どのような変化を経て今の月になったのか」
今後の月面探査によって、新事実が発覚して違う説が生まれたり、今ある未解明の事実に説明がつくようになることがあるかもしれない、と考えられています。
そのため、今は1つの発見で説がガラリと変わりうる、とてもおもしろい時期だそうです。
記事にした内容以外にも、神話時代の月のあつかいや、現在の月面探査の状況などをあいさんが詳しく話してくれました。
解説している間も積極的に質問が飛び交い、全員で疑問を解消しながら楽しく理解していく時間となりました。
コスモ女子では今回のように楽しく宇宙に関する知識を学ぶイベントも行っています。
宇宙や星に興味がある方や、少しでもコスモ女子に興味を持たれた方は、ぜひ公式LINEまでお問い合わせください。
一緒に活動できることを楽しみにしています!
◆ご相談・ご質問などはこちらから!
コスモ女子公式LINE
◆コスモ女子公式SNS
Instagram
Twitter
Facebook
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?